高齢者による自動車事故の減少
マスコミのニュースに接すると高齢者による自動車事故が増加しているように思える。しかし、本当なのでしょうか?警察庁は交通事故統計を発表しており、2016年11月現在の統計から過去10年間の年齢階級別の死亡事故件数のグラフを作成すると次のようになった。
死亡事故において事故の過失割合が一番大きな第1当事者となった当事者の年齢階級別の10年間の死亡事故件数のグラフです。なお、原付が第1当事者となった事故も含んでいます。
第一に言える事は、事故割合はこの10年間で随分下がっていることです。一番事故件数が多いのは、20歳未満です。でも、75歳以上も事故は多く、黒線の合計が全免許保有者に対する加重平均なので75歳以上は2.46倍になる。
高齢者ドライバーの対策は何も実施していないかというと、70歳から74歳までの免許更新の場合には、高齢者講習を受講しないと免許証の更新はできないことになっています(参考)。そして、75歳以上の場合には、更に厳しい制度で、講習予備検査と高齢者講習等を受けないと免許証の更新ができません(参考)。そして、この3月12日から更に制度が強化され、臨時認知機能検査制度や臨時高齢者講習制度の新設されました(参考)。
1月17日の日経BPに高齢者の運転免許返上は平均寿命を短くする!?なんて記事がありました。やはり、「免許の取り上げ」という単純な発想ではなく、どのように車社会とつきあうべきなのか、合理的な考えが必要です。
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