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2017年2月28日 (火)

朝日新聞は原発について正しい報道をすべき

朝日新聞が次の記事を2月27日の朝刊1面に掲げており、驚いた。

朝日 2月27日 福島原発賠償費、電気代での負担額は 1世帯あたり試算

実は、表にある金額は、この原子力損害賠償・廃炉等支援機構の2016年3月31日の一般負担金額及び特別負担金額の連絡なのである。但し、東京電力が負担する特別負担金700億円が朝日の記事では欠落しているから、これも笑ってしまう。

もし、批判をするなら、やはり菅直人政権時代の2011年に成立した原子力損害賠償・廃炉等支援機構法を批判すべきである。当時のどさくさの中でこの法律は成立した。政府の責任を解放し全てを原発を保有する電力会社の責任に押しつけた。国民の眼をそらすことを目的としているのかとさえ思わせる内容である。検針票に書かれないように、当時の政権は仕組んだのであるとも言える。

根本問題は、原子力発電をどうする方針なのか、エネルギー供給はどうするのかである。そのような根本問題には触れない。この新聞社には、難しすぎて、利害関係がありすぎて、そんなことに触れる事はできないのでしょうか?原子力損害賠償や廃炉の問題を特定の電力会社の責任であるとして押しつけても、万一の事故や失敗の付けは国民に来る事を忘れて対処してはならない。日本は負けないと戦争を推進する報道をした朝日新聞だから恐ろしいと思う。

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2017年2月24日 (金)

過労死の本質問題

電通の高橋まつりさんは、2015年入社で、その年の12月25日に社宅マンションから飛び降り自殺をした。過労死・ブラック労働・残業規制等様々なことが言われており、検討がなされている。

遙洋子氏が日経BPに『遙なるコンシェルジュ「男の悩み 女の嘆き」』と題するエッセイを書いておられる。いつも辛口で、鋭い切り口で書いておられる。本日は、次のエッセイを書いておられた。

「“出家”して何が悪い」 「死なない」。そのことについて、よかったと思う

この中で、過労自殺に関して『「そうは見えなかった」という人には「あなたが見ようとしなかっただけではありませんか」と返したい。』と書いておられる。

ぐさりと突き刺さる鋭い表現と受け取った。高橋まつりさんは、もしかしたら苦しみを誰にも打ち明ける事ができなかったのではと思う。それは、高橋さん自身の問題であるかも知れないが、恋人・家族・友人にも高橋さんの悩みを聞いてあげる事ができなかった問題であるとも言える。職場の同僚・上司・経営者にしてもそうである。自殺に追い込むような環境の職場が正常とは言えない。同僚にしても、同時に自分自身にもあてはまる問題である。

生活をしていくこと。生きていくこと。そのような中で、最も大切なことは、何であろうか?その一番重要なことを忘れてはならない。愛なのかな?配偶者でも、恋人でも、愛人でも、家族でも親友でも良い。悩みや苦しみを告白できる人を持つことも重要である。

<追伸>

しかし、高橋まつりさんは、何故電通なんかに就職したのだろうか?広告代理店業なんて、収入は良いかも知れないが、私なんか好きになれない業種である。人を誤魔化して金を得ると言えば、言い過ぎであろうが、そのような面はあるし、広告代理店業が稼ぐ力とは、客と依頼主に過大評価させる事であるとも言える。一生をかけるなら、世のため人のためになると自分自身が思える仕事をする事である。

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森友学園の土地にはアスベストは埋まっていないか

豊中市の国有地を取得した学校法人「森友学園」に対する国有地払い下げ問題で、価格が不当に低かったのではと問題視されている。政府が汚染土壌の除去費用として政府は学園側に1億3200万円弱を支払っていることから、国有地を手放す代わりに政府が得たのはたったの約2百万円との指摘もある。(この東京新聞の2月24日報道

伊丹空港の騒音対策として政府が買収した土地には他の土地もあり、豊中市が給食センターを建てるために買い取った土地もそのような土地だった。この土地は面積7200m2余りで土地単価約10万円/m2強の7億7000万円で豊中市は購入した。ところが、購入後、多数のガレキが埋まっていることが判明し、その撤去費用は14億円以上と試算されたとのことである。しかも、ガレキの中には有害物質の「アスベスト」も含まれていたとの報道がある。(このMainichi Broadcasting Systemの関西のニュース 2月23日

森友学園が購入したのは、1億3400万円で面積は8770m2。これから土地単価を計算すると1万5千円/m2強と格安値である。ガレキ撤去をしたのか。ガレキの中にアスベストは無かったのか、これから興味ある話が始まります。適正であったとの説明されておられる方の信頼度評価もできるから、本当におもしろい話です。

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2017年2月12日 (日)

東芝が中国原発で損失拡大も驚く必要なし

日経BPに次の記事があったが、これも当然のことであり、驚くべきことではないと思う。

日経BP 2月10日 東芝内部資料で判明、中国でも原発建設3年遅れ 受注から9年、着工から7年経過しても稼働は「ゼロ」

東芝子会社WHが今般問題になっている米S&Wとともに、中国国家原子力発電技術公司(SNPTC)などから受注した「AP1000」型原子炉設備4基の建設工事完成が遅れているとのこと。記事中の表によれば、最も早い三門1号機は2013年11月完成予定だったとのこと。最も遅い海陽2号機でも2015年3月であったとのこと。

一番遅い海陽2号機も契約2007年7月で、着工2010年6月であったとのこと。東日本大震災の前であり、安全設計の見直しは、当然あり得る。それに伴う工期延長もあったと思う。延長があったとしても、建設地点は決まっていたわけで、長くて数年であると思う。契約金額の増額は、どうだろうか、ケチで厳しいことが有名な中国であり、工期延長期間との駆け引きで決まっただろうと思う。いずれにせよ、工事の元請けや業者に甘い結果にはなっていないと思う。

何故、これほどまでに東芝はと思うわけであるが、2月7日のブログ 東芝と原子力の今後と同じで、次の世界の建設中の原子力発電所を見れば一目瞭然である。中国の原発に手を出したくなる。WHを買った東芝なら、社長でさえ、この時点では中国の原発は止めろなんて言えない。

Worldnuclear20172c

日本の2基、2,653MWは電源開発が建設中の大間原子力発電所(青森県下北郡大間町)です。

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2017年2月 9日 (木)

東京オリンピックの不正招致疑惑捜査は本格化するのか

5月12日のブログ5月18日のブログで書いてから、8ヶ月以上経過したが、やっと本格的な捜査が始まるのでしょうか?

日経 2月8日 五輪招致巡りJOC会長を任意聴取 竹田氏、趣旨を説明 

記事の中に、嫌な部分があります。

「フランスの刑法では民間人同士でも贈収賄罪に問われるが、日本の刑法に同様の規定はない。」

即ち、国際オリンピック委員会の有力者に現金を渡してオリンピック招致活動をしても、日本では犯罪ではないから、違法性や賄賂性の認識がなかったとの趣旨の説明になるのでしょうか?

嫌ですね。現金収受の仲介をした電通は、新入社員過労自殺死問題で世間の注目を浴びました。日本オリンピック委員会は、開催予定の霞ケ関CCの女性差別問題で、こちらも注目を浴びています。

こんな連中が開催する東京オリンピックなんて、支援なんか絶対してやるものかと思います。スポンサー企業の商品もできる限り購入を止めたりして。競技は、招待されれば別ですが、自分からチケットを購入して見に行きたいとは思いません。

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2017年2月 7日 (火)

東芝と原子力の今後

東芝の原子力に関してDiamond onlineに次の記事があった。

Diamond online 2月6日 瀬戸際の東芝を襲う4つの更なる「時限爆弾」

東芝の原子力設備他の事業について、様々な視点で解説した興味ある記事でした。

東芝の原子力設備事業について、書いてみたい。

1) 何故東芝は、それほどまでに原子力ビジネスにこだわるのか

東芝は原子力発電の設備製造・建設を行っている会社である。新規設備の建設がなければ、市場は小さくなり、事業は縮小する。この一般原則は、必ずしも原子力ビジネスには当てはまらない。

日本で原子力発電を行っているのは、日本原電を含め10社である。次の図は、2015年度の10社合計の原子力発電コストである。

Japanesenuclear20162a_2

2015年度において稼働していた原発は関西電力高浜の短期期間稼働と九州電力川内のみであった。発電量も日本全体の1%足らずの9.4TWh。ところが、コストは10社の有価証券報告書の数字を足しあげると1兆3千億円近くになる。このうち設備メーカが関係する修繕費が大きく、関与度合いが大きいと思われる委託費も加えると非常に多くなる。

車であれば、コストで大きな割合を占めるのは、燃料費であるが、全く異なる。多くの原発が稼働していた2010年度以前の原発コストも含めてその推移を示したのが次である。

Japanesenuclear20172b

修繕費は、稼働した時の方が多い。しかし、稼働停止中もそれなりの金額である。2015年度では2166億円であった。原発保守サービスのマーケットとは、安定した大規模マーケットである。

2) 世界の原発マーケット

世界中には、どれだけの原発があり、どれほどの発電をしているかを示したのが次の表である。

Worldnuclear20172a

世界を眺めると相当な数の原発が存在する。原発とは、高度な技術かどうかは、兎も角としても、高度な安全性を要求される設備である。安全基準も改正され、常に高度な基準を満たさないと運転できない。原子力機器メーカが常にビジネスを継続できるマーケットが存在する。最新の高度な技術を保有し続けることができたなら、良いビジネスを継続できる。

3) 世界中の原発の大部分はPWR

次の表は、世界中の原発の原子炉をタイプ別に分類した表である。

Worldnuclear20172b

PWR(加圧水型原子炉)とはWesting Houseが当初潜水艦の推進動力用として開発した原子炉である。東芝はGEと組んでいた結果、BWRであった。しかし、WHを取得した結果、PWRのビジネスに入っていく事が可能になった。日本のPWRは三菱重工が供給した結果、やはり修繕関係は三菱重工となるが、米国ではWHが強い。

4) 東芝のWH購入は凶 or 吉

大金をはたいてでもWHを買った理由はおわかり頂けたと思います。しかし、ビジネスとは、そんなたやすい事ではない。マーケットは思ったように動かないのが常である。WH購入とは、東芝の手にも余る、屋台骨まで影響を与えかねない大きな買い物とも言える。

しかし、現時点で勝負がついたわけではない。もしかしたら東芝に将来大きな利益をもたらすかも知れないし、耐えきれなくて手放さざるを得ないかも知れない。誰にも分からないことと思います。

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2017年2月 1日 (水)

ネット上の情報の重要性を認める最高裁判決

本日の最高裁判決は正しい判断であり、私も大賛成である。(5人の裁判官も全員一致であった。)

日経 2月1日 最高裁、「グーグル」結果削除は公共性を重視 

判決文は裁判所のWeb(ここ)にある。

当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合には,検索事業者に対し,当該URL等情報を検索結果から削除するこ とを求めることができるものと解するのが相当である。」との見解は正しい。つまり、優越しない限りは、削除を求められない。この考え方がないと、自由な表現も研究発表も守られない事となる。

Web情報における検索サービスは有効であり、Web情報の優れた点である。是が非でも守っていかねばならない。権力者や政府がWeb検索を制限したり、恣意的な運用を強要するような事はあってはならない。民主主義や自由あるいは社会の発展にも寄与する判決と考える。

一方、裁判で争われた事件についての最高裁の判断も当然のことと考える。(なお、この犯罪者は2011年11月に逮捕され、翌月12月に児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反により罰金刑となっている。)

児童買春をしたとの被疑事実に基づき逮捕されたという本件事実は,他人にみだりに知られたくない抗告人のプライバシーに属する事実であるものではあるが,児童買春が児童に対する性的搾取及び性的虐待と位置付けられており,社会的に強い非難の対象とされ,罰則をもって禁止されていることに照らし,今なお公共の利害に関する事項であるといえる。

犯罪を犯したことが、場合によっては社会に知れ渡る。その結果として、犯罪抑止効果が出る。このようなことも社会にとっては重要な事であり、特別の事情がない限りは当然のことである。

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節税目的の養子縁組「有効」 しかし一人だけです

節税目的の養子縁組「有効」との最高裁判決があった。

日経 2月1日 節税目的の養子縁組「有効」、最高裁初判断 当事者の意思重視

判決文は、裁判所のWebにもあります。(ここ

1歳だった長男の息子(本人からは孫)と養子縁組をしたのだから、当時(多分今でも)孫は養子について何も全く理解していない。養子縁組の届け出が提出されたのが、2012年で、その翌年の2013年に被相続人は死亡した。今、その孫は5歳位。

このようなケースの養子縁組を有効と最高裁は認めた。養子縁組を結ぶ事は何人でも可能である。しかし、節税目的では実質一人に限られる。(相続税法第15条から)

・・・相続人の養子の数は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ・・・とする。

① 当該被相続人に実子がある場合又は当該被相続人に実子がなく、養子の数が一人である場合 一人
② 当該被相続人に実子がなく、養子の数が二人以上である場合 二人

これら以外に特別養子縁組は別扱いとなったりするが、いずれにせよ実質的には一人であり、一人だけは認めようという税制である。

さて、具体的には幾ら節税が可能かというと、基礎控除が一人6百万円なので、税率が30%であるとすると180万円の節税となる。死亡した人が自ら保険金を支払い、自らが被保険者となっている生命保険があるとすれば、生命保険金の非課税枠一人5百万円が使える事となる。なお、課税されるほどの相続財産を残す人は多くない。

ところで、本当にこの話は、そんな相続税を巡るみみっちい話なのでしょうか?私は、そうでないと思います。そもそも男1人、女2人の3人兄弟・姉妹で男が自分の子供を親の養子にしてしまったから相続人が4人になってしまった。2人の姉妹からすれば、3分の1相続できるはずが、4分の1に減少し、まだ幼い養子の分を含めて男の子は実質2分の1の財産を入手する。

大金持ちはもちろん中金持ち・小金持ちも大変です。相続になると、仲違いが始まる事も多々あります。遺言書を作成するのも方法ですが、親を含めて生前から財産分与の話をし、書き物に残すなり、遺言書として残すのも方法かと思います。書き物には、当然子供各人の義務についても書くのです。要介護になった場合、認知症になった場合とかの対処も含めることができればと思います。

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