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2017年7月27日 (木)

東京慈恵会医科大学付属病院の問題

次のような報道があった。

時事ドットコム 7月24日 がん見逃し他に5件=慈恵医大病院、死亡例も-患者に検査結果交付へ

実は、これが初めての報道ではなく、本年1月31日にあった報道の続きである。

時事ドットコム 2017年1月31日 「肺がん」1年放置、容体悪化=検査結果見落とす-慈恵医大病院

この問題については、東京慈恵会医大附属病院は診療情報共有改善検討委員会を設置し、その答申書が6月30日付で提出されている。この答申書を7月20日に病院が発表した事から、7月24日の報道となっている。答申書はこのページからダウンロードできる。

答申書を読んで私なりに思った事を書いてみる。

1) 電子カルテ未導入

信じられない気がするが、答申書の6ページに書いてある。CT検査撮影画像や画像診断報告書は電子端末で読む事ができるが、カルテは電子カルテではない。20世紀のままの病院と思える。こんな病院は避けるべき気がする。柏病院など慈恵大学の他三附属において は,すでに電子カルテシスムが採用されているとのことである。

2) 患者への情報提供なし

患者ならCT検査でも病理検査でもその検査結果報告書を読みたいはず。自分の体の事である。答申書には主治医の裁量と書いてある。そんな病院は選びたくないと思うが。

3) 主治医制よりチーム医療

答申書の22ページに「担当医の意識低さが事故発生要因・背景となっており・・・」と書いてある。意識の低さとは何を意味しているのか不明であるが、人の能力には限界がある。チーム医療により医師個人の力に頼るのではなく連携・共同による高いレベルの医療が提供されるべきと考える。

この事件は、アホな医師により見落としが発生したと、考えてしまう。しかし、そうではなく、誰もがおかしがちな落とし穴のようなミスであったとしたなら、個人の責任を追及するのではなく、運営制度や組織・体制により信頼性の高い医療が提供されるようにするべきと考える。

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