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2017年9月12日 (火)

小田急の沿線火災事故の不手際

沿線火災が電車の屋根に燃え移るという事故があった。この事故で最も反省すべきは消防署と考える。

1) 時系列推移

9月10日事故の時系列は、次のこの朝日の記事(9月11日)他で次のように伝えている。

4時6分 ボクシングジムのはいるビル(電車との距離3m)から出火と119番通報
4時11分 警察官が踏切の非常停止ボタンを押す
-  正確な時間は不明であるが、4時11分から極めて短時間のうちに電車の屋根に延焼
4時19分 運転士が電車を移動させる
その直後、消防士が大声で電車を止めさせる
4時22分 乗客の避難開始
4時42分 避難完了

2) 本来すべきであった事

小田急線の運行を管理している指令所に消防から連絡があったとNHKは伝えている。当然火災現場の場所も通報されているはずであり、その現場にさしかかる電車はどれであるか指令所は把握できたはず。直ちに運転手と電話連絡が可能であった。

2013年5月31日にJR北海道石勝線で札幌駅行き6両編成の上り特急スーパーおおぞら14号は、車掌が異音を聞き、運転士はそれを受けて直ちに停止手配を執り、清風山信号場構内の第1ニニウトンネル内に停止した。列車をトンネル外へ移動させようとしたが、列車は起動しなかった。乗客248名、運転士1名、車掌1名及び客室乗務員2名は、全員が徒歩でトンネルの外に避難し、このうち、乗客78名及び車掌が負傷した。

総合的な判断が重要である。むやみに電車を止めると大事故になりかねない。

3) 悪い停車

指令所からの連絡前に電車は現場にさしかかり、なんと警察官が踏みきりで押しボタンを押して停止させた。最悪の事態発生である。運転士は踏切の安全を確認しないと列車を再度動かせず。運転士は電車から降りて、安全を確認の上、電話で指令所とやりとりをして動かした。

しかし、再度邪魔が入った。消防士が大声で「止まれ」と言って止めたのである。運転士は前方しか見えない。車掌が非常ブレーキを作動させたのだと思う。

本来は300m先の参宮橋駅まで走行し、乗客を降ろせば、単なる沿線火災であった。

ところが、警察官のボタン操作により先頭から2両目が火災位置となった。次に消防士の大声で止まった結果、今度は後ろから2両目が火災位置となった。

乗客にしてみれば、恐ろしい事態である。電車は通常の建物ではない。線路に降りるのは容易ではない。300mだから10km/hで2分は要しない。本来であれば、参宮橋駅で全員降車できたのである。もしかしたら、新宿まで行けたかも知れない。

4) 消防署の反省

消防関係者の反省の言葉が全く聞こえず、極めて残念である。善意でやったのだから、許されるとしか考えないのであろうか?善意でも、人を社会を不幸にする事がある。列車沿線火災について十分考えるべきである。

警察官の踏切での停止ボタン操作も消防からの依頼のようであるが、誰がそのような依頼をし、またそれを何故警察官は単純に実施したのかも解明されなければならない。

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