東芝6000億円増資のハテナ
東芝が6000億円の増資を発表した。
日経 11月19日 東芝、6000億円の増資決議 今期末の債務超過回避
東芝による発表は、次である。全部で83ページあるが、17ページから82ページまでは別紙2となっている割当予定先の概要である。
東芝 発表 11月19日 第三者割当による新株式の発行に関するお知らせ
発行する株式数は2,283百万株であり発行済み株数4,237百万株の53.88%に相当する。発行済み株数が一気に1.5倍以上になる。大量発行である。現在の株主は、どのように思うのだろうか?発行価格は262.8円であり、11月20日の終値275円の4.5%安である。
6000億円の資金使途は、ウェスチングハウス関係の保証債務の早期弁済である。そんなの意味あるの?そんなために株数を一気に50%以上増やすの?と思う。東芝は、為替変動リスクからの解放なんてことも言っているが、それ嘘でしょうと言いたい。円高になれば、ドル建て債務は減少するのである。為替については損も得もない。債務を早く支払うことの利益とは何であるのか不思議である。
50%以上の増資だから一般公募したら値崩れする。だから第三者割当にしたということと思う。さて、その第三者割当の相手先であるが、ほぼ全てがカリブ海の投資法人である。世界の胡散臭い投資マネーの場所である。従い、東芝発表の17ページから82ページまでの各ページには「その他の情報については、開示の同意が得られていないため、記載していません。」とある。東芝自身も完全には知らないのかも知れない。勘ぐれば、資金の出し手に資金が環流してしまうスキムだってあり得るのである。
少なくとも私にとっては、不可思議な増資である。理解できるとすれば、東芝メモリーが売却できなかった場合でも、純資産額が6000億円増加するわけで、本年3月末時点での2,757億円の債務超過は解消する。そうだとすると最高の後ろ向きの話である。最も、東芝メモリーの売却そのものが後ろ向きなのだからとなってしまうが。
このブルームバーグのニュースの最後はBNPパリバ証券のチーフクレジットアナリストの話として「中長期的には米液化天然ガス(LNG)事業で抱える最大約1兆円の損失発生リスクの具現化懸念もあり「決して安泰ではない」と述べた。」と書いている。経営者は、真面目に企業の再生・発展を考えるべきと思います。
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