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2017年11月30日 (木)

北朝鮮ミサイル(2)

11月29日に発射したミサイルの写真を公開したとのこと。

日経 11月30日 北朝鮮、新型ICBMの写真を公開

タイヤが9軸ある車両(トラック)に搭載されており、その可能性はあると思ったものの、やはり驚きました。

車両搭載ミサイルであれば、通常はトンネルの中の駐車スペースに駐車しておけば良く、米国が巡航ミサイルで攻めようが、車両搭載ミサイルは無事である。米国の攻撃が止んだところを見計らって米本土に向けて発車する。そんなことが可能になったと思うのです。

全文を読むには、登録が必要ですが、11月29日の朝日新聞に掲載されたどうする北朝鮮問題 元米国防長官、ウィリアム・ペリーさんのインタビュー記事での同氏の指摘はその通りと思いました。例えば、次のような発言です。

――現在の北朝鮮危機を、94年と比較してどう見ますか。  

「はるかに深刻です。いまや北朝鮮は核兵器を保有し、その核を使用するかもしれないのです。犠牲は甚大で、94年と桁違いの被害をもたらします。北朝鮮への先制攻撃は実行可能とは思えません」

「日本の指導者は、外交の失敗がもたらす帰結を理解する必要があります。外交の不在や見境のない発言は、戦争に、非常に壊滅的な核戦争に突入する条件を醸成してしまいます。実行可能な軍事オプションがあるなら、私もそれを薦めるかもしれませんが、(実際のところ)そんな解決策はないのです。私が驚くのは、実に多くの人が戦争がもたらす甚大な結果に目を向けていないことです。戦争は日本にも波及し、核(戦争)になれば、その被害は(韓国にとって)朝鮮戦争の10倍に、(日本にとって)第2次世界大戦での犠牲者数に匹敵する大きさになります。我々は外交を真剣に検討すべきです。私は安倍首相に、トランプ大統領との議論で、こうしたことを促すことを期待しています」

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北朝鮮ミサイル

北朝鮮は11月29日午前3時18分ごろ、東方向に1発の弾道ミサイルを発射した。950km飛行し、青森県西方約250kmの日本海に落下した。最高高度は4475kmと推定される。北朝鮮は新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に成功したと発表した。

日経 11月29日 北朝鮮ミサイル、米首都射程か 最長1万キロ超も

1) 高度4475km

高いです。国際宇宙船が地球の周りを回っているが、その高度は約400kmですから、その10倍以上です。

2) 北朝鮮ICBMの射程

高度の3倍程度が到達可能距離と言われたりもしている。そうなると13,000km以上となる。日経は、日本政府関係者からの情報として1万kmを超える可能性があると述べている。BBCは、この記事で”An analysis by the US-based Union of Concerned Scientists concludes that the missile could have travelled more than 13,000km on a standard trajectory, thus reaching "any part of the continental United States.”と13,000kmの可能性を述べている。北朝鮮からの距離として10,000kmとは次図を参照下さい。(このBLOGSの2017年07月29日記事からです。)

Nkoreaicbm2017a

赤円が北朝鮮から10,000kmの範囲です。この10,000kmの範囲内に米国西海岸、ヨーロッパのほぼ全域、中東・アジアの全域とオーストラリアが入る。もし、13,000kmなら、米国東海岸も射程内に入る。

3) 大気圏再突入

国際宇宙船の10倍の高さから大気圏再突入をするわけで、ミサイル弾頭は高温に耐えねばらならない。「はやぶさ」の大気圏突入についてJAXAはこのページで、「大気との摩擦で、カプセルは1万度以上の高温にさらされます。すると、カプセルの表面温度は最高で摂氏3,000度にまで達します。」と書いている。

ミサイル弾頭の耐熱についても北朝鮮は技術を確立したのだと思う。

4) これから先は

米本土へのミサイル攻撃力を持ったのだから、もう怖い者知らずでしょう。甘く見ると大変です。おそらくミサイル弾頭は地下貯蔵をして、巡航ミサイルでは破壊されないようにしているでしょう。仮に米軍がやって来て、地上ミサイルを破壊されたとしても、報復手段は残る。そらは潜水艦からのミサイル水中発射である。米本土付近まで潜行してたどり着けば、攻撃可能である。もしかしたら、西海岸近くから東海岸まで飛ばす。4,000kmとして20分で横断可能です。

ここまで来れば、「あらゆる選択肢がある。」ではなく「武力という選択肢はない。」であることを認識すべきと考える。交渉で打開していく事。それができないという政治リーダーは首にすべきと考える。どうだろうか?中国がアジアの指導者として動き、これから先、アジアと世界のリーダーとなっていく可能性は。それは日本だと考えるなら、日本人のリーダーが北朝鮮との交渉により和平を構築しなければならない。

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2017年11月23日 (木)

自衛隊についてのこの首相答弁の是非

このNHKニュースが伝える安倍首相の次の発言です。

自衛隊は憲法に違反するものではないと解しているが、多くの教科書に『合憲性に議論がある』旨の記述がある状況だ。自衛隊員たちに『君たちは憲法違反かもしれないが、何かあれば命を張れ』というのはあまりにも無責任であり、そうした議論が行われる余地を無くすことは私たちの世代の責任だ

参議院の11月21日のWeb TVでは、この質疑についての大塚議員の質問は開始から28分過ぎのあたりから、安倍首相の答弁は55分過ぎからです。

NHKニュースの最初の「解している」の文章に主語が省かれているが、実際の阿部発言は「政府は」である。即ち、「私・阿部」ではない。

従い、それで良いではないかと言うのが、私の意見です。即ち、自衛隊は合憲であり、任務を果たして欲しいと政府や首相が述べることに、何も問題はない。もし、問題を感じるなら、自衛隊に自衛権を超えた外国への攻撃を命令する時ではないか。

私は、自衛とは何か、防衛とは何か、軍隊とは何かが常に問い続けられなくてはならないと考える。

今から70年前の1946年10月29日に枢密院本会議で、天皇臨席の下で「修正帝国憲法改正案」が全会一致で可決された。そして天皇は、憲法改正を裁可した。翌月の11月3日に日本国憲法が公布された。日本国憲法の平和主義は、多くの日本国民からの支持を受け続けている。

しかし、平和主義は言葉としては簡単であるが、実践するには相当きつい部分もある。それでも平和主義を続け、憲法第9条を改正することなく維持してきた。問いかける事により、守られる。ノーテンキで何も考えなくなったら、悪い事が起こる可能性がある。国民が課題について常に議論をし、権力者が政府を変な方向に向かわせないようにする事。そのようなことこそ、重要であり、大東亜戦争が日本国民に残してくれた最大の遺産だと思う。

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2017年11月21日 (火)

東芝6000億円増資のハテナ

東芝が6000億円の増資を発表した。

日経 11月19日 東芝、6000億円の増資決議 今期末の債務超過回避

東芝による発表は、次である。全部で83ページあるが、17ページから82ページまでは別紙2となっている割当予定先の概要である。

東芝 発表 11月19日 第三者割当による新株式の発行に関するお知らせ

発行する株式数は2,283百万株であり発行済み株数4,237百万株の53.88%に相当する。発行済み株数が一気に1.5倍以上になる。大量発行である。現在の株主は、どのように思うのだろうか?発行価格は262.8円であり、11月20日の終値275円の4.5%安である。

6000億円の資金使途は、ウェスチングハウス関係の保証債務の早期弁済である。そんなの意味あるの?そんなために株数を一気に50%以上増やすの?と思う。東芝は、為替変動リスクからの解放なんてことも言っているが、それ嘘でしょうと言いたい。円高になれば、ドル建て債務は減少するのである。為替については損も得もない。債務を早く支払うことの利益とは何であるのか不思議である。

50%以上の増資だから一般公募したら値崩れする。だから第三者割当にしたということと思う。さて、その第三者割当の相手先であるが、ほぼ全てがカリブ海の投資法人である。世界の胡散臭い投資マネーの場所である。従い、東芝発表の17ページから82ページまでの各ページには「その他の情報については、開示の同意が得られていないため、記載していません。」とある。東芝自身も完全には知らないのかも知れない。勘ぐれば、資金の出し手に資金が環流してしまうスキムだってあり得るのである。

少なくとも私にとっては、不可思議な増資である。理解できるとすれば、東芝メモリーが売却できなかった場合でも、純資産額が6000億円増加するわけで、本年3月末時点での2,757億円の債務超過は解消する。そうだとすると最高の後ろ向きの話である。最も、東芝メモリーの売却そのものが後ろ向きなのだからとなってしまうが。

このブルームバーグのニュースの最後はBNPパリバ証券のチーフクレジットアナリストの話として「中長期的には米液化天然ガス(LNG)事業で抱える最大約1兆円の損失発生リスクの具現化懸念もあり「決して安泰ではない」と述べた。」と書いている。経営者は、真面目に企業の再生・発展を考えるべきと思います。

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2017年11月 9日 (木)

ずれてる朝日の社説 無電柱化

本日(11月9日)の朝日新聞の社説は、電力関係であるが、重要な点をはずして書いており、誤解を広める論説になっている。いや、論説ではなく、情緒表現の文学の文章である。

朝日新聞社説 11月9日 無電柱化 技術革新で加速させよ

朝日新聞社説 11月9日 再エネの普及 送電線の「空き」活用を

無電柱化は景観面では美しい。無電柱化といった場合、電力線のみならず電話やケーブルTV、光ファイバー線等も考えねばならない。メンテナンスが無くなるわけではない。2016年10月12日に埼玉県新座市で東京電力の地下送電ケーブルに火災があり大停電が発生した。地下に直接埋設することもあるが、道路工事の重機が誤って埋設してある電線を切断ということもあり得る。

朝日の社説は、技術革新で地中化が促進され事故が減少するというようなノーテンキな発想である。費用にしても、一般配電事業者が負担するとすると、日本の電気料金がその分高くなる。税金から支出すれば、どの支出を減らして捻出するかとなる。市場メカニズムで合理的な整備がなされていく仕組みにはない。このようなインフラ設備拡充は、投資金額や投資から得られる便益と不利益・犠牲について公平は合理的・科学的研究を実施し、その研究が公表され、ステーキホルダーが納得して賛成できる案を作り上げた上で実施すべきである。過大・過剰な設備は、将来の子孫に負債を残すこととなる。

朝日の社説は、架空線の場合の災害現場でたれ下がった電線の感電事故や、火災のおそれを言うが、本当にそのような事故があったのかと問いたい。災害により、そのような事態発生の懸念があれば、配電事業者は安全のために通電を停止する。地下埋設であっても全く同じである。むしろ、地下埋設の方が、安全確認に手間を要することもあり得る。

2番目の朝日の社説の送電線の空きであるが、根拠は京都大学の研究グループによる分析となっている。どのような分析がされたのか、この論文を探そうとしたが私は発見できなかった。青森と秋田、岩手、山形4県の基幹送電線についてと朝日は言っており、基幹送電線となると東北電力のこの資料のデータに該当するはずであり、275kV送電線では新仙台火力A線を除き空き容量は小さい又はゼロである。送電線は実際の送電電力量が10%であっても安全と安定の確保を目的として空き容量が小さかったりゼロであったりすることもあり得る。

朝日の社説は再生可能エネルギーの利用拡大について、意図的に参入障壁を作り締め出そうとしているとの論調である。この論調を推し進めるなら、その論拠である京都大学の研究グループによる分析を公表すべきである。

大新聞の社説がヘイト・スピーチと同レベルであって良いのかと思った次第です。

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2017年11月 5日 (日)

野党再編なんて必要ないと思うが

次の読売の記事です。

読売 11月3日 野党再編「立民軸に」35%「必要ない」32%

与党が自公の連立なのだから、個別の問題毎に野党が連携するのは、したらよい。私は、考え方が違っても反自民で集まっただけだった民主党政権時代に嫌気がするのです。選挙に勝つための調子の良い公約を掲げ、実現性は無視して実行に着手。ことごとく失敗。普天間・辺野古問題もガタガタさせただけで、何も進展せず。1000円高速とか目的不明の政策もあった。

これからは、価値の多様化が更に進む。そのような時代に野党の一本化なんて不要であるし、弊害が大きい。多様な価値観を持つ人々の代表が国会議員となる。問題毎に連携・協力して国民のために働く。それが私の理想なのです。そのためには、小選挙区制では駄目である。

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2017年11月 4日 (土)

鉄道線路を高齢者が車走行 この対策は?

京都市左京区の叡山電鉄線路内に乗用車が進入し、20m程走行し、運転士が気づいて非常ブレーキをかけ、車の約10m手前で停止したとのことです。

朝日 11月4日 叡山電鉄線路を車走行 90歳「なぜここにいるのか…」

優秀な運転士だと思います。10m手前で停止は至近距離だと思うし、まずは車が入っている事はありえない所だから、最初は何がどうしたかと思うが、とにかくブレーキをかけて大事故を防いだのだと思う。

この高齢者は「なんでここにいるのかがわからない」と話していると記事にあり、認知症と断定できると思う。

認知症高齢者の運転については、道路交通法改正により本年3月12日より更新時に義務付けられていた認知機能検査について、一定の場合についての臨時の認知機能検査が加わった。しかし、それまでも70歳以上の人の免許更新については運転適性検査があり、75歳以上の場合には、認知症機能検査もあった。(参考警視庁の高齢運転者に関する交通安全対策の規定の整備について)この高齢者は、認知機能検査で問題点は、なかったのだろう。

11月2日の日経記事で高齢ドライバー「認知症の恐れ」3万人 判定半年で 改正道交法施行施行後、警察庁まとめとの記事があった。

認知症問題は、社会をあげて取り組むべき問題である。しかし、自由を奪う事をしてはならない。対策の強化であるが、賠償責任の厳格化が必要と考える。JR東海共和駅構内認知症患者事故賠償事件では、最高裁は家族の賠償責任を認めなかった。最高裁の判断はともかくとしても、民法713条の精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わないとする無責任能力者に高齢認知症者が該当するのであろうか?認知症高齢者で高額の財産を保有している人もいる。例え、保有していなくても、自分の財産の範囲内においては、可能な限り被害者に損害を賠償すべきだと考える。

この叡山電鉄の事件の場合であるが、上下15本に遅れが発生し、乗客200人に影響が出たと記事にある。JR東海共和駅構内事件では、上下20本の列車に120分程度の遅れが発生し、振替輸送を実施した事もあると思うが、JR中日本が請求したのは720万円であった。今回のは、これより低い金額と思うが、金銭賠償はすべきであると考える。認知症の人の運転に対して、どのように解釈をするかであるが、運転適性検査の検査後の対応も判断材料とするのかがあると思う。

認知症の人の自動車運転に関する保険について考える。自賠責保険は自動車損害賠償保障法による賠償保険であり、目的は損害賠償を保証する制度の確立にある。但し、免責としては法律第3条に「自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと」がある。被害者救済を第一に考えて解釈・運用されると思うが、認知機能検査で認知症のおそれありと判断されていたが医師の診断書を提出せず免許取り消しとなっていた場合などは、保険金支払いは難しいと考える。しかし、一般の人には、運転をしている人が免許取り消し者かどうか判断はつかない。

任意の自動車保険については、保険会社により「被保険者の脳疾患、疾病または心神喪失によって生じた損害には保険金を支払わず。」と保険特約に明記をしているケースもあるようである。しかし、自動車保険を含め、ほぼ全ての保険には「故意もしくは重大な過失があった場合は保険金を支払わない」とする約款があり、認知症により運転免許取り消しとなっている場合、私は保険金の支払いは相当難しいと思うのである。

いっそのこと国民健保のように地方自治体が保険者となり認知症損害賠償保険を提供することが考えられる。地方自治体であれば、介護認定制度の関係から情報入手が可能であり、かつ独自の認知症対策を実施する事もできる。その地方に適した認知症対策と損害賠償制度を創設・運用する事も可能と思える。誰を保険金納付義務者とするか等細目は検討が必要であるが、保険金収入の一部を認知症対策に充当する事も可能である。

いずれにせよ保険制度で全てをカバーする事は無理と考える。やはり認知症高齢者は、自分自身で相当慎重になる事と、万一の場合のために賠償金支払いのための財源は確保しておく事である。財源が確保できない人は、車を運転してはならない。

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