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2018年2月28日 (水)

裁量労働制をJILPT報告書から分析する

裁量労働制については、2月26日のこのブログで、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の2014年5月の報告書に触れたのですが、この報告書を分析して、もう少し裁量労働制に関して考える事とする。当該報告書はここからダウンロード可能です。

1) JILPTの調査内容

アンケート調査であり、2013中旬から12月中旬に実施している。アンケートの方法は、裁量労働制の届け出を労働基準局に提出した事業場の中から無作為抽出した5,414 事業場の労働者に対して実施した。回収したアンケートは10,023票(うち専門業務型裁量労働制2,741票、企画業務型裁量労働制1,167票、裁量労働制以外6,115)である。(裁量労働制の届け出を提出していても、その事業場全員が裁量労働制とはなっていない。)

アンケート対象として、2013年10月時点で民間調査会社のデータベースに登録されている事業場の中から7,586事業場を無作為抽出した。こちらの方は、12,983票が回収された。

本ブログ内においても、裁量労働制の届け出からの抽出分を厚労省分と呼び、民間データベースからの抽出分を民間DB分と呼ぶ。

アンケートの回収票そのものの写し等は、報告書にないので、断言はできないが、民間DB分は、裁量労働制を抽出の基準に採用していないので、裁量労働制を全く採用していない事業場も含まれている。どのような労働時間制の労働となっているかは、次のグラフの通りである。

Workhours20182aa

Workhours20182b

2) 裁量労働制で従事している業務

専門業務型に関するアンケートの回収票に記入されていた業務は次の通りである。なお、回答はアンケート用紙に記入された中から選ぶ方式であったので、これらの業務名はアンケート用紙に記載されていた業務である。

Workhours20182cc

新商品・新技術の研究開発業務、情報処理システム関係、大学における教授研究の業務が多く、これらで68%を占める。

企画業務型専門業務型に関するアンケートの回収票に記入されていた業務は次の通りである。

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3) 労働時間

労働時間を見てみる。これは、「今年(2013年)10月1 ヶ月間に実際に働いた労働時間の合計は何時間でしたか?」という全員に対する質問の答えです。質問相手には、裁量労働制でない人を含んでおり、本部長や部長という労働時間規制の適用除外の管理監督者も含んでいる。カテゴリー別の2013年10月の労働時間に対する回答は次の通りでした。

Workhours20182e

緑と紫の境界が200時間であり、企画業務型で働く人の場合は55%の人が200時間以内の労働であり、通常の1日8時間制で働く人の場合は70%の人が200時間以内で、一方専門業務型の場合は200時間以内は45%に止まっている。

裁量労働制の場合に、労働時間が短いという事は、このデータからは、まったく言えません。

4) 収入

労働時間を見たからには、収入が気になります。質問は2012年1年間の税込み年収を尋ねるものでした。(グラフでは、1000万円から1500万円の間は500万円幅になっているので、それ以下の収入帯とのビジュアルでの比較を目的として5で割った数字としている。)

Workhours20182f

このグラフからすると裁量型労働の方(特に企画業務型)が、年収は多いと言える。但し、3)の労働時間からすると、裁量型労働の方が労働時間が長いのであり、年収は多くて当然とも言える。

しかし、この程度の収入ではなく、もっと高収入が得られる仕事をつくり出していくべきと考えます。勿論、長時間労働ではなく、家族や友人と人間らしく過ごせる時間が持てなければ意味がありません。だからこそ、働き方改革であり、それは政府が主導するものではなく、働く人たちが切り開いていくものであるべきです。

このブログが何らかの参考になればと嬉しいです。

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2018年2月26日 (月)

北朝鮮問題のオリンピック後の進展予想

日本選手のメダル獲得が金4、銀5、銅4の合計13で、冬季最多のメダルを獲得した平昌オリンピックは終了した。開会式では、朝鮮・韓国南北統一旗での入場行進があり、北朝鮮金正恩朝鮮労働党委員長金正恩の妹で党副部長の金与正が出席した。北朝鮮の美女応援団の応援もあった。平昌での閉会式には、朝鮮労働党中央委員会の金英哲副委員長が出席し、米大統領補佐官イバンカ・トランプの出席もあった。そこで、私なりの北朝鮮問題を考えてみる事とする。

1) 北朝鮮ミサイル

私は、今回のオリンピックの対応は、元々北朝鮮のシナリオにあり、その準備行為として、ミサイル試射があった可能性があると思う。11月30日のこのブログで書いたが、10,000kmの射程でアジア全域、ヨーロッパの全てと米国の約半分が範囲に入る。13,000kmだと米国全てが射程圏内となる。

北朝鮮ミサイルの最高到達高度が4,500kmと言うのは、ほぼ正しいと思う。その結果の推定は射程13,000kmとなる。しかし、果たして大気圏内突入の技術まで確立できているのかは不明であり、命中精度はそれほど高くないのではと思う。

しかし、ミサイル保有の目的が、米国と対等な力関係を保持するという交渉戦術なら、ほとんど達成できたと思うのである。その交渉時期は平昌オリンピックの後だと考えていたならば、北朝鮮にとっては、ほぼ予定通りの筋書きであるように思う。

2) 北朝鮮は米朝戦争を欲するか?

絶対に”NO”である。米朝戦争になれば、世界最大の軍事力国の米国が勝利するに決まっている。結果としては、金正恩初め首脳は命を失う。生命を保つ見込みは、内部反乱を含め、あらゆる場合において、ゼロと考えるのが妥当であろう。今の北朝鮮国家が破滅するのも確実である。

3) 韓国にとっての米朝戦争は?

これも望む所ではない。米朝どちらが先制攻撃を仕掛けたとしても、北朝鮮軍はソウルに侵攻し、多くの市民の犠牲が発生するだろう。朝鮮戦争では、北朝鮮軍はプーサンの近くまで軍を進めた。

米朝戦争で、韓国は米国の味方となる以外の選択肢はない。否が応でも分裂国家間の戦争に巻き込まれざるを得ない。そんな戦争での死者は悲しいだけである。

韓国も北との戦争は、なんとしても避けたいのである。

4) 米国は北朝鮮との戦争に踏み切るか?

このWikiによれば、韓国にいる外個人人口は米国人が15万人であり、中国人の1百万人に次ぐ2位である。15万人の米国人に犠牲を強いる戦争は容易ではない。イラクの場合は、米国人が開戦時ゼロであったし、石油・ガスという資源利権もからんでいた。米国人の本音は、太平洋を渡ったむこうの北朝鮮の問題なんて、中国に片付けさせるべきだであるはず。

米国の戦争なんて、超ドライである。アフガニスタン侵攻の時は、9.11でやられた米国人の反モスレム感情があった。北朝鮮については、ミサイル攻撃脅威以外にはない。そんなの、ロシアの方がよほど脅威を感じざるを得ない。

5) これからのシナリオ

一番あり得るのは、北朝鮮のミサイル開発中止を条件としての経済援助の復活だろうと思う。この交渉の契機となるのが冒頭に書いた平昌オリンピックかも知れないと思う。

北朝鮮のミサイル開発中止だけでは、北朝鮮の核兵器保有は残る。しかし、核兵器問題はあまりにも難しい。仮に、北朝鮮が内部崩壊した場合、核兵器と核兵器技術は誰の手に渡るのか?テロリストに渡れば恐ろしい。中国がコントロールできるなら今の北朝鮮政府が核兵器を保有する事は、米国が呑めるように思う。南北戦争が起こり、核兵器と核兵器技術が韓国軍の手に渡ったなら、韓国軍は無条件に誰かに引き渡す事より、核保有を目指すかも知れない。

複雑すぎて訳が分からないが、朝鮮半島の南北分離状態は、実は分離状態であることにより利益を受けていた・受けている人たちが存在することを意味するのではないか。急激な変化より戦争や紛争が生じない状態を維持しつつ解決の方法を模索する事が現実であり最善であると思う。

平昌オリンピックは、そんな解決手段の一歩になってくれればと思ったのである。

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失格に相当する安倍首相発言

裁量労働制に関する発言であるが、そもそもの発言は、1月29日の午後の衆議院予算委員会での立憲民主党長妻委員に対する次の安倍首相の答弁です。

『その岩盤規制に穴をあけるには、やはり内閣総理大臣が先頭に立たなければ穴はあかないわけでありますから、その考え方を変えるつもりはありません。

やはり内閣総理大臣が先頭に立たなければ穴はあかないわけでありますから、その考え方を変えるつもりはありません。  それと、厚生労働省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもあるということは御紹介させていただきたいと思います。  

その上において、・・・・』

「御紹介させていただきたいと思います」と言っておきながら、実は何も紹介をしていない。衆議院の議事録と国会TVで確認したが、これで終わっていた。調べていくと、とんでもない発言であり、野党を含め国民を陥れようとした悪意の発言であると推測するに至った。

1) 裁量労働制で働く人の労働時間は、一般労働者よりも長いのが事実

ここに、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)が、平成25年11月中旬から12月中旬に実施した裁量労働制に関して労働者に対するアンケート調査を実施しての報告書(裁量労働制等の労働時間制度に関する調査結果労働者調査結果)がある。私が、調べた限りでは、これが唯一の公表されている資料である。

ずばり、この報告書の図表4-6(22ページ)が次である。

Workhours20182a

この図表4-6は、専門業務型裁量制の場合は月に200時間以上の実労働時間となっている人の割合が52.2%と語っている。毎日8時間、月に22日間働く場合の月間労働時間は176時間である。企画業務型裁量制の場合の月に200時間以上は43.3%で、通常の労働時間制では30.4%である。

2) 真っ赤な嘘の安倍答弁

その後の委員会の質疑の中で、厚労省の「2013年度労働時間等総合実態調査」の結果であるとして、裁量労働制で働く人の労働時間は1日平均9時間16分、一般労働者の平均は9時間37分との安倍・加藤の説明になってきた。

そこで、引用した厚労省の調査であるが、これが実は1)で紹介したJILPTの調査である。報告書に記載はないが、報告書の概略版が存在し、それが2013年11月18日の第105回労働政策審議会労働条件分科会での資料No.2-3(これ)である。次のページが、その最終ページであり、企画業務型裁量制の実働平均時間9時間16分との記載がある。

Workhours20182b

しかし、9時間16分が、どのような計算で算出されたのかは不明である。報告書には記載がない。数字を誰かが勝手に算出し、しかもその計算方法や計算の合理性についての一切の説明がないのである。落第論文か無理矢理のこじつけである。

次に9時間37分の嘘であるが、この民進党の2月15日のWebに『「働き方改革虚偽データ疑惑」野党合同ヒアリング』というのがあり、その中の配付資料というに次がある。

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クリックすると拡大するが、右端に1時間37分とある。これに1日の労働時間8時間を加えると9時間37分になると言うのが根拠である。しかし、厚労省の調査や統計を幾ら探してもこの表は浮かび上がってこない。更に、8時間を加える事の根拠はない。7時間労働の人も存在する。平成25年度労働時間等総合実態調査(この報告書)では、法定時間外労働の実績として1年の平均78時間30分(表28)、1月の平均13時間27分(表32)とある。即ち、年間250日、月間22日として1日平均の法定時間外労働時間の平均は19分あるいは37分となる。

3) 悪人

安倍や加藤は野党のみならず国民に偽データを提供し、騙そうとする極悪人である。大東亜戦争を仕掛けた東条英機等と同罪である。

岩盤規制に穴をあけるとは極悪人の表現である。労働者の労働時間や労働条件の改善については長期間労働者が戦ってきて手にした保護が存在する。それ故に、規制があるわけで、必要な規制は存続せねばならない。

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2018年2月24日 (土)

働き方改革は政治が決めるのではなく、労働者が決めるべき

働き方改革に関する国会関連のニュースに接すると、バカが勢力争いを続け、国民は蚊帳の外と思える。

日経 2月22日 働き方、政権失策で混迷続く 裁量労働、野党は撤回要求

昨年マスコミが大きく取り上げていたのが、電通の高橋まつりさんの過労自殺であったし、同様な過労死が報告される事も多い。働き方改革とは、一つには労基法を遵守し、労働者の権利の保護を確立する事である。高橋まつりさんの過労自殺の原因は、権利が侵害され、自殺に至ったと理解するのである。自殺に至らずとも、休暇や休憩を取れずに激務から健康を害されているケースは相当あるように思う。国会での勢力争いは、私には労働者の権利確保に貢献しているとは思えないのである。

マスコミも自殺については、報道するが、何故自殺に至るまで働いたのか、普通の人なら自殺より退職を選ぶと思うが、何故退職を選ばなかったのかを取材しての報道があってよいと考える。多くの会社で、上司に「これ以上は働けません。休職します。」と言えば、それ以上の業務命令は出さないだろうし、36協定を超えての残業義務拒否できるのであるから、労働者の最低限度の権利は確保できるはず。又、皆がPCとスマホを持ち、SNSを多くの人が使っている。SNSで激務による過労状態と雇用先の企業の労働環境を個人で社会に訴える事もできる。

次に裁量型労働についてである。裁量労働制は2016年4月から施行されており、厚労省も専門型裁量労働制(ここ)と企画業務型裁量労働制(ここ)で解説をしている。

もう一つ個人請負が存在する。即ち、雇用ではなく、一定の業務を対価を得て実施する場合である。しかし、実質は労働であるにも拘わらず、偽装請負となっており、低報酬を含め悪条件での労働の提供が実態となっていることも多いと理解する。

今国会に提出される法案に含まれるのが「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)」である。裁量労働制との一番の違いは、労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金についての保護が適用されない事である。年間1075万円払えば、それで済むなんてことにならないかしらと思う。下手をすると賃金1075万円が市場上限相場になると恐ろしいと思う。

働く人がいるから社会は成り立っているのである。働く事の環境を良くして、生産性を上げて、豊かにする事ができる。是非、真面目に働き方改革に取り組んで欲しいと思うし、働く人こそ、真剣に自分の事として取り組む必要がある。参考として、裁量労働制(労基法38条の4)と高度プロフェッショナル制度(41条の2の法案)を掲げます。

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2018年2月23日 (金)

率直な発言には、同感させられる部分がある

次の日経ビジネスの記事(内田 樹氏との対談)を読んで、内田 樹氏の率直な発言には、ウーンと感じ入りました。

日経ビジネス 2月22日 中国に国境線の概念なし、そう理解して付き合う 哲学者、作家の内田樹氏を迎えて

どの発言かというと、次です。

日本はもうどの分野についても「世界標準」となるものをほとんど持っていませんから。政治がダメなのは元からですけれど、それに加えて経済がダメ、最後の頼みの綱だった学術もダメになりましたから。

2月8日に書いたブログ教育費・研究費は最も大事な将来のための投資にも通じる所があると思います。

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2018年2月22日 (木)

安倍一強政治を助ける野党

野党の力が弱い現在の状態がいつまで続くのだろうかと思うことが多いのである。NHK放送文化研究所が政治意識月例調査を発表している(ここにあります)。2017年1月から2018年2月までの毎月の政党支持率のグラフを書いてみると次の通りでした。

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支持政党なし(黒線)と自民党支持が30%から50%近くで、かろうじて10%近くあるのが立憲民主党となっています。自民一強政治です。自民が衆議院選で勝利し安倍政権となったのは2012年12月です。そこで、2012年1月から12月までの政党支持率のグラフを比較のために次に掲げます。

Partiessupportrep20182b

支持政党なしが多いのですが、当時与党であった民主党は2012年1月頃には、野党自民と同じ程度であった。しかし、徐々に支持率が減少し、逆に自民が増加していった。

政治意識月例調査は、実態を表していると考える。そう考えると、野党の人たちは、考えを改め、国民のために働いて、国民の支持を得る努力をすべきであると考えます。DIAMOND onlineに立憲民主党は早くも「曲がり角」に差し掛かっているとの記事があったのですが、この記事に書かれている「歳出を削減せよ」、「歳出は可能である」というような主張は正しいと思わない。健全な考えを持っている国民は支持できない考え方であると思う。歳出削減が困難である事は、民主党政権が証明したことである。だからこそ、野田政権時代の2012年に消費税率10%の法律を国会を通して制定した。

次の岩波新書の「日本財政 転換の指針」は、おもしろかった。日本は不信社会であり、減税や節約なる言葉を唱えないと選挙に勝てず、減税・節約の大合唱となる。しかし、その失敗の結果は国民の負担となる。政治家は、信頼できる社会を築く事に政治生命をかけるべきである。借金をして年金を払い続ける政策に未来はないはずである。その結果は、将来・未来の国民負担の増大となる。


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2018年2月17日 (土)

東芝の未来(続き)

IT関係、AIやIoT、ICT全て含めてですが、その将来は、私たちの生活や、大きく言えば経済活動を含めて様々な分野で、大きな影響をあたえる可能性があると思います。東芝メモリーが売却されれば、売却後の会社の経営陣の経営方針で経営が為されるわけで、おそらく日本の国益なんてほとんど無視されることになると思います。勿論、日本の国益なんて、たいそうな言葉は使いたくありません。経済は、国境を越えた存在です。甘い夢で会社は経営できないし、東芝が何故破綻の近くに至ったのかと言えば、原子力を夢のエネルギーとなりうる存在であり、それに会社の将来を賭ける価値があるとの経営判断だったからと思います。

IT関係の将来について、軍事利用があり得る。知らされていないだけで、既に、相当進んでいるのだろうと思います。兵器だけではなく、情報システムの破壊や混乱を引き起こす方法も考えられるはずです。

ITの軍事利用について世界で一番進んでいるのは米国でしょう。その次の第2位は、もしかしたら中国だと思います。半導体なんて使い方によっては、様々な目的に使われ、軍事転用を不可能にすることなんてできない。精密誘導爆弾に半導体は欠かせないでしょう。しかし、非常に小さい半導体素子でも、AIに利用可能なものが販売されている時代と理解しています。

そう考えた時、東芝メモリーが東芝子会社という日本の企業であり続けてくれた方が、日本のITや半導体技術の発展、日本人IT技術者の活躍、日本の産業発展、日本の安全保障等で、外国資本に売却されるよりは、良いのではと思いました。

果たして、東芝メモリー売却破綻の可能性について直前のブログで書きましたが、この東芝6000億円増資のハテナで書いた、6000億円増資の結果の新たな株主の意向は、どうなのだろうかです。東芝の2017年12月5日現在の発行済み株式数は65億2千万株です。6000億円増資による発行株式数は22億8千万株であり、35%です。この新規株主の動向、それ以外の株主の動向によっては、東芝メモリー売却が今後どうなるか不明な部分は多いと思いました。

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2018年2月15日 (木)

東芝の未来

東芝は2月14日に2017年第3四半期決算を発表した。この会社、どうなるのだろうかと思います。この決算発表は、次のページからダウンロードできます。

東芝 決算短信・決算公告 2017年度  第3四半期決算(9か月累計)(連結)

発表された決算にあるセグメント情報は次の通りです。

Toshiba20182a

ストレージ&デバイスソリューション部門は、売上で全体の24%-25%ですが、営業利益では92%-99%です。グラフでは、次の通りです。

Toshiba20182b

東芝は、本当に半導体部門を売却するのでしょうか?半導体部門こそ、このストレージ&デバイスソリューション部門の中心であります。東芝から半導体部門を取っ払えば、利益を生み出す事業は残らないはず。

私は、東芝株を持っていませんが、株主なら、半導体部門の売却なんて、絶対反対です。さあ、これから先、どうなるのでしょうか?半導体部門の売却についての契約内容がどうなっているか不明ですが、東芝が「止めた」と言えば、巨額の違約金を要求されるのでしょうね。

そう考えると、やはりお先真っ暗感が漂う。しかし、そんな時こそ、経営者には真の経営手腕が問われるのである。

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2018年2月13日 (火)

働き方改革について

働き方改革が、今国会でもしきりに取り上げられている。働き方改革と言った場合、本来その範囲は広い。しかし、国会で取り上げられているのは、主に2015年4月に内閣が189回通常国会に提出し継続審議となってる「労働基準法等の一部を改正する法律案 」の中の「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)」に関してである。

1) 働き方改革は必要である

産業構造は、大きく変化しつつある。ところが、日本の制度は、旧態依然としている部分が多い。例えば、主婦のパート労働である。一定以上働くと、年金・健康保険料の支払が必要となり、税金の納付も必要となる。主婦労働が、低賃金パート労働の基準となり、非正規労働による安い労働力の供給となっている部分がある。

安い労働力は、産業競争力を高めているとも言える。しかし、別の面では、日本人の労働所得水準を必要以上に下げており、低賃金労働者の給料が増えないこととなっている。

働き方改革とは、労働基準法の改正よりは、他の面の改革・改正が遙かに重要である。ちなみに、厚生労働省は、この「働き方改革」の実現に向けてというWebでは、「働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指す。」と言っており、また首相官邸のこのWebも同様に「働く方一人ひとりが、より良い将来の展望を持ち得るようにする。」と述べている。

このような考え方に賛成する。しかし、働き方改革の主人公は働く人・国民であり、政府ではない。労働者・国民が主体となって、働き方改革を進めていくべきである。

2) 特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)法案の問題点

労働基準法に新たに第41条の2の条文を付け加え、条件等を定める案である。基準年間平均給与額の3倍以上としているが、毎月勤労統計を基礎とするとしており、現状では1075万円程度のようである。1075万円で高度専門労働をしろと言われても、対価が低すぎる。勿論、ミニマムなので、実際には、それよりずっと高いも知れない。そして、同意を得ることが条件であるから、拒否する事は可能である。しかし、残業手当がある一般労働者や制度に該当しない管理職等の給与は上限が1075万円で運用されてしまう危険性がある。

働く者一人ひとりが、より良い将来が期待できるのではなく、先が明るくない働くのが嫌になるような状態をつくり出してはいけない。

1075万円ではなく、最低でも3000万円以上にすべきと思う。基準年間平均給与額の10倍にすれば良いのである。5000万円以上であっても良いように思う。少なくとも、試験導入期間を設け、その期間は5000万円以上とし、課題や問題点を抽出して、次の改良・改正を重ねていけばよい。

3) 日本で成長産業を発展させる

日本で成長産業を拡大・発展させることは重要である。人工知能(AI)が活躍する時代は、まもなくやってくる。AIが多くの雇用を代替する可能性があると同時にAIをつくったり、AIを使いこなしたりする技術が重要である。ITの世界の巨人(Google、Amazon、Facebook、Apple(GAFA))と日本のIT企業を比較すると、このままでは差が大きくなる一方だと思える。むしろ、中国勢やインド勢が日本勢より先を行っているのではないかと思う。

日本の高度成長期は、日本が主として米国企業から技術供与を受け最先端の製造設備を建設し稼働させ、日本の優秀で高度な安い労働力が低コスト生産を可能とし、GDP第2位を築き上げた。今や、途上国がかつての日本の状態にある。過去のモデルから抜け出し、新しいモデルを築かねばならない。そのことこそ働き方改革である。

企業は優秀な人材を雇用し、成長を成し遂げなければならない。今に、優秀な人材は、高給を出さねば雇用できなくなる。終身雇用の制度を引きずっていては、人材獲得競争に負けてしまう。中国やインド企業の雇用条件が良ければ、そちらに行くのである。中国、インドのみならず欧米企業も同じである。日本企業よりずっと高い給与や条件を示す企業は、これからは多いと思う。

勿論、そのような待遇を得られる人は、多くないと思う。しかし、優秀な人は、企業を発展させ、従業員に雇用や働きがいや高給をもたらすことが期待できる。

一方、優秀な人の給与が多くなっても、多くの人の給与額の増加は限定的で格差拡大になることが考えられる。従い、ベーシックインカム制度の導入検討も必要と考える。ベーシックインカム制度は、課題も多くある。また、増税なくしては難しいと思う。

働き方改革とは、広範囲に亘る改革である。日本は明治維新や戦後の民主化改革等多くの改革を実施してきた。働き方改革で今後の発展のための更なる改革を実施すべきである。その主体は政府ではなく、国民が中心となって実施すべきと考える。

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2018年2月 8日 (木)

産経新聞が「おわびと削除」の記事掲載

このブログで書いた産経対沖縄地元メディアの対決ですが、産経が次の記事を掲載した。

産経 2月8日 沖縄米兵の救出報道 おわびと削除

沖縄県沖縄市で発生した車6台の多重事故をめぐる取材の結果、産経の記者は、米海兵隊員が救助活動をしたと聞いた。しかし、事実関係の確認をしなかった。事実は、米海兵隊員が事故現場で車道にいたところを後続の車にひかれた。何をしていたかはわからない。横転した車両に乗っていた日本人男性は、弁護士を通じ「米軍関係者に救助された記憶はない」と述べている。

米軍軍人の救助活動を報道しないと沖縄の新聞を非難したというのは、誤報道を通り越している

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教育費・研究費は最も大事な将来のための投資

教育費・研究費は最も重要な将来に向けた投資であると考える私にとっては、悲しくなる先日のニュースです。

朝日 2月6日 研究費8億円減、梶田所長が抗議「基盤揺らぎかねない」

効果があるかどうか不明であり、もしかしたら悪影響の方が大きいかも知らないマイナス金利政策ではなく、教育や研究への投資は、高い確率で将来のリターンが期待できる。教育や研究をおろそかにする国家は衰退する。

幼児教育の支援・補助が聲高に唱えられているが、それが全てに終わってはならない。高等教育も重要であり、高度な研究を続ける事は必要である。その重要性は、今後益々増大する。人工知能AIにこき使われる人材養成を目指してはならない。

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