西日本豪雨から学ぶべきこと
災害は、忘れた頃にやってくるのだろうが、災害から学んだ教訓を最大限に生かすことは重要である。学ぶためには、フィルターやバイアスのない現実を直視し、分析せねばならない。
この毎日新聞の記事7月15日は、死者212人不明21人と伝えている。この中国新聞の記事7月15日は、広島、山口、岡山、鳥取の4県で計163人。と伝え、岡山県の死者60人のうち倉敷市真備町の死者が50人と伝えている。
倉敷市真備町の死者の数は多かったのである。さて、倉敷市真備町を倉敷市のハザードマップで見てみると、浸水時の危険性(浸水時の目安)が、まび記念病院の付近は5.0mとなっている(当該ハザードマップはここ)。実際には、どうだったか、この山陽新聞の記事 真備でディスカウント店営業再開 8日ぶり、住民「とても助かる」は、「一時は高さ4メートルまで冠水し、全商品の廃棄を余儀なくされた。」とある。ハザードマップの浸水危険予測が、ほぼ的中しているように思う。
即ち、ハザードマップを一度は良く読んで、危険時の事を考えておく事が必要なのだと思う。BCP(Business Continuity Plan)ならぬLCP(Life Continuity Plan)を考え、適切に見直す事は重要だと思う。
この産経Westの記事 7月10日 真備町地区の避難指示、堤防決壊確認のわずか4分前は、6日午後10時に地区の全域に避難勧告を発表。午後11時45分に小田川の南側、7日午前1時半に北側にそれぞれ避難指示を出した。国交省はその約4分後の午前1時34分ごろ、小田川との合流地点近くの高馬川で堤防の決壊を確認。午前6時52分ごろには、すぐ近くの小田川の堤防決壊も確認した。
そこで、小田川の水位計測記録を見てみる事とする。小田川の水位計測地点は倉敷市になく、倉敷に入る前の1km上流の岡山県小田郡矢掛町東三成に水位観測所がある。この観測データにより水位変化のグラフを作成したのが次である。グラフのゼロメートル水位は海抜10.9mである。
6日の午後6時から7日の正午までの部分を拡大したのが次である。
小田川の堤防決壊が6時52分とのことで、一番水位が高く、堤防決壊により水位が下がったと思われる。7月5日午前9時頃までは水位は2m程度であり、それ以降水位の上昇が大きくなっていった。果たして、どう判断できたか、分からないが、矢掛町東三成での水位が3mを超えた5日の昼12時には避難に備える準備をし、4mになった6日の午後3時、あるいはその日の暗くならないうちのせいぜい19時前には避難をするという決断ができたのなら、被害はゼロにはならなかったが、やむを得ないという範囲内に押しとどめる事ができたのではと思う。危険地区に住居がある場合は、避難指示を待たず、避難勧告で避難をすることや、国土交通省の水位観測所のデータを見て、自分にあった判断をする事と思う。
ハザードマップを利用しての自分なりのLCPを考えておく事は重要と思う。
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