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2018年12月31日 (月)

小選挙区制の廃止を望む

朝日新聞が12月30日に次の社説を掲載していた。

朝日 社説 12月30日 安倍政権2018年 政治責任とらぬ悪例残す

そして、この社説の最後は『政治責任を顧みず、「多数に従え」という政治を、来年も続けますか。』との文で結ばれている。

そうですねとは思うが、では、来年は、どうするかとつぶやかざるを得ず、むなしく感じる。むしろ、次のNHKの報道の方が、私には、重みを感じる。

NIHK 12月29日 ことし14の知事選 8つの選挙で投票率が過去最低に

慶応義塾大学の小林良彰教授の話として「どの自治体であれ、問題がないところはない。まず、政策で選択肢を与え、それを有権者が判断して投票に行くという、当たり前のことが行われていないことが非常に問題だ。いちばん大事なことは有権者に選択肢を与えることだ」との指摘がある。

小選挙区制の導入にあたっては、小選挙区制が有権者に2つの選択肢を与え、選挙民の意思が政治に反映されることになるとの説明をした人がいた。しかし、現実は全く異なっている。無駄をなくしての歳出削減により国民を豊かにすると言うような嘘が叫ばれた。選挙区では一人しか当選できないので、大政党は候補者を厳選する。その結果、大政党の権力者と結びついた人が大政党の公認を得て、当選する可能性を獲得する。万一、落選しても、大政党の公認候補者は比例復活のチャンスは、そうでない人より高い。議員当選オプティマイゼイショーンをすると、政治を志すには、大政党の草履持ちがよいとなるだろう。大政党に属さないと立法の仕事にたずさわれない。

これじゃばからしくて選挙になんか行けない。やはり仲間と議論し、討論し、その結果、誰それを議員にして世の中を変えていこうとする人たちが生まれてくるようにしなければならない。私は、日本全域で一つの大選挙区制であっても良いと考えている。ネットによる選挙活動やネットを通じての支持者との討論会や、大きな誰もが参加できる討論会があっても良いと思っている。自分が、この人には議員になって欲しいと思う人に投票できる。すばらしいことだと思う。一方、そのように支持を受けるには、日頃から支持を受ける発言や行動をしていないといけない。政治は良い方向に向かうと思うのである。

選挙も、ネット選挙ありにすれば良いと思う。QRコードを使って決済ができるなら、QRコードを使っての投票もできるはずである。写真付きのマイナンバーカードは、なりすまし防止を含め、高い信頼性を確保できる。これを利用して、簡単な投票と不正のない投票が同時に実現できるはずである。

大選挙区による選挙制度は一気に導入すべきかと言えば、少しずつの拡大で、小選挙区を縮小しながらやっても良いのであるし、ネット選挙も投票方法の選択肢を拡大する方法で実現していけば良いのである。

来年は、平成が終わる。平成6年の公職選挙法改正で小選挙区制が決まり、平成8年の選挙から実施されている。平成に終わりを告げるからには、小選挙区制も終了すべきと考える。

衆議院選挙投票率のグラフを最後に掲げる。小選挙区制になって、投票率は下がっているのである。

Electionvoting201812

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2018年12月26日 (水)

妊婦加算凍結とは何? 安心して住める社会を目指そう

豊かな国、豊かな社会であって欲しいと思う。しかし、次のような意見が新聞の社説にまで掲げられると、日本は人々が他人に対して不信感しか持たない不幸な社会になったのかなと思ってしまう。

朝日新聞社説 12月24日 妊婦加算凍結 患者が納得する制度に

妊娠したら、女性はそれまで以上に自分の体のことに気を使う。夫も、妻の体のことを気を使い、大事にしてあげなくてはと思う。そのようなことで、妊娠した女性が医療機関にかかったなら、妊娠の継続や胎児に配慮した診療を望むし、妊婦にとって特有の合併症や、診断が困難な疾患があるなら、そのような配慮も望む。

そのようなことから、平成30年度の保険診療報酬改定で妊婦加算が決定した。保険適用の3割負担で、通常時間内は初診230円、再診110円である。医師・医療機関は、妊娠していることから手間をかけて診療し、結果説明をする必要がある。そんな医師・医療機関の義務は変わっていないはずだが、どうなのだろうか?妊娠していて体調が悪くなり、医療機関に行って診療を受けた際、妊婦加算があった方が、医師に対して色々と気になることについて質問がしやすいと思うのですが。たった、230円、110円の費用でできるって私は最高と思うのですが。

参考として、次の資料を掲げておきます。興味があれば、リンク先を訪れてください。

読売新聞YomiDr 炎上する「妊婦加算」は本当に廃止すべきか? 宋美玄氏  12月18日

YomiDrの記事は、中央社会保険医療協議会の前日でした。

厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会(第404回)12月19日の妊婦加算の取扱いについての資料

この12月19日の中央社会保険医療協議会 総会(第404回)で、2019年1月1日からの妊婦加算の凍結が決定した。

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2018年12月24日 (月)

老人ホームの前払金に注意

次の朝日の記事で思った。こんなデタラメな老人ホームがあるのだ。

朝日 12月23日 老人ホームの入居一時金、26億円消える 買収で発覚

26億円の特別背任なんて、すごい金額である。はれのひ株式会社だって、1600名に対して負債総額は6億5千万円だったのだから。

株式会社未来設計のホームページを探すとここにあった。その会社概要には、代表取締役洞寛二とあり、朝日が記事で書いている特別背任の実行犯とおぼしき人物は、創業者の女性(70)とあり、主犯格は代表者ではないようだ。(現在の未来設計代表者は伊東鐘賛)

ところで、買収をした株式会社創生事業団のホームページはここである。創生事業団が未来設計を買収した時の記事が、高齢者住宅新聞の7月25日号にあり、ここで読める。でも、買収前にデューデリをしなかったのかしらと思う。普通だったら、銀行預金は全て残高証明を取り寄せるし、キャッシュの動きは全てチェックするはず。朝日の記事からすれば、7月15日の買収後だと思うが、2018年7月に財務部長が内部告発とある。

さて、どんな事件か概要を見ると、ここに未来設計の未来倶楽部・宮前の案内がある。そこには、前払金552万円、372万円、0円の3通りのプランが書いてある。違いは、家賃相当額の金額であり、0円、68,000円、130,000円となっており、償却期間5年となっているから、13万円x60月=780万円と比べ、552万円コースだったら、228万円お得となる計算である。単純に計算しても年8.2%の利回りである。これじゃ、甘いセールストークでつられる人もいるなである。そこで私の思った注意事項を以下に書く。

1) 有料老人ホームの契約で前払金を支払う際は、検討時に財務諸表を入手する

相手が株式会社であれば、財務諸表を要求し、入手ください。財務諸表はある程度知識がないと分析できないかも知れないが、数百万円を払うのだから、税理士事務所でも、知人にでも見てもらって大丈夫か意見を聞いてください。なお、株式会社は会社法442条3項で、株主と債権者に対して財務諸表の閲覧やコピー交付の義務があります。前払金の支払者は債権者です。

2) 都道県に問い合わせる

市町村役場に最初は問い合わせることになるかも知れませんが、老人福祉法29条で都道府県の有料老人ホームの調査・検査や措置の公示等についても定めている。

前金を受領する場合は、29条7項で「前払金について返還債務を負うこととなる場合に備えて厚生労働省令で定めるところにより必要な保全措置を講じなければならない。」と定め、厚生労働省令である老人福祉法施行規則20条の10では「有料老人ホームの設置者は、法第二十九条第七項の規定により、一時金に係る銀行の債務の保証その他の厚生労働大臣が定める措置を講じなければならない。」としている。

さあ、未来設計の老人ホームに対して所在地の都道府県は然るべく調査・検査をしていたのでしょうか?

有料老人ホームの需要は大きいし、ますます拡大していくと思う。都道府県は、人員を増加してでも、有料老人ホームに対する必要な調査・検査を正しく実施し、情報をどしどし発表して欲しいと思う。

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2018年12月21日 (金)

カルロス・ゴーンの特別背任容疑再逮捕

カルロス・ゴーンは会社法による特別背任容疑で再逮捕された。

日経 12月21日 ゴーン元会長を特別背任容疑で再逮捕 東京地検

ゴーン氏は、これまで、有価証券報告書の虚偽記載で逮捕されていた。有価証券報告書は会社が発行するものであり、日産も問われる。しかし、特別背任となると、日産はカルロス・ゴーンに騙された被害者となる。

日経は、ゴーン元会長の資産管理会社による新生銀行との通貨取引に関するスワップ契約の損失を含むすべての権利を日産に移転させることで約18億5000万円の評価損を負担する義務を日産に負わせたと報道している。更には、日産に移転した契約を資産管理会社に再移転する際に尽力した人物が経営する会社の預金口座に、09年6月~12年3月、4回にわたり日産子会社の預金口座から計1470万米ドルを振り込み入金させた疑いとある。

バレないように、相当複雑な操作をしていたと思われる。そんな複雑な仕組みを編み出したのは09年6月~12年3月、4回にわたって日産子会社から15億円強の報酬を受け取った会社の支配者だと思う。会社の登記住所はタックスヘイブンで、登記上の代表者は別人とか、相当巧妙に仕組まれているだろうと想像する。送金をした日産子会社も、日本法人ではない可能性がある。

一方、日産の社員で、全貌は把握できていないが、変な取引があると認識していた人はいたと思うのである。

カルロス・ゴーンと日産は、絶好の研究対象かも知れない。会社のガバナンスと会社トップによる犯罪についてです。報道以上のことは知らないが、日産のガバナンスはトップの犯罪に対して機能しなかった。それは何故か?どうすれば、機能するのかを考えることは重要である。

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2018年12月19日 (水)

この最高裁判決 車名義人に事故賠償責任 妥当と思う

最高裁は、車の名義を貸していた弟による、交通事故被害者への損害賠償を認める判決があった。

読売 12月18日 運転者でなく、車名義人に事故賠償責任…最高裁

最高裁 判決文 12月17日 第一小法廷

どうしてなのだろうと思ったら、事故を起こしたドライバーは生活保護者であり、損害賠償裁判になっていたということから、このドライバーは物的損害及び人的損害である治療費や慰謝料を払っていなかった。払えなかった。

車を買うお金は、生活保護者であるドライバーが出した。このドライバーは、車を買うと生活保護を打ち切られることを恐れた。ローンも組めなかっただろう。そこで、つきあいもなく、疎遠であった弟に頼み込んで名義の使用を頼み、車を購入した。2012年3月に車を購入し、10月に事故を起こした。

最高裁は、どのように言っているかというと、

弟とドライバーとが 住居及び生計を別にしていたなどの事情があったとしても、弟はドライバーによる本件自動車の運行を事実上支配、管理することができ、社会通念上その運行が社会に害悪をもたらさないよう監視、監督すべき立場にあったというべきである。

分かりやすい文章で、その通りと思う。しかし、何故広島高裁は弟に賠償責任なしとの判決を出したかというと、次の自動車損害賠償保障法3条の解釈と思う。今回最高裁は社会通念に適合した解釈の判決を出したと私は評価する。

第3条 自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。

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2018年12月16日 (日)

これは馬鹿だ日本商工会議所

これは馬鹿としか言いようのない日本商工会議所会頭の次のコメント(これ)です。

「2023年10月から導入予定の適格請求書等保存方式(インボイス制度)は、全ての事業者が対象となるうえ、免税事業者が取引から排除される懸念がある。軽減税率導入後、十分な期間を設け、廃止を含め慎重に検討すべきである。」

ここで述べている免税事業者とは、売上高が1000万円以下の小規模事業者です。この国税庁のパンフレットに書いてあるように、適格請求書を公布するには、課税事業者で税務署に登録する必要がある。しかし、個人事業者とあるゆる法人は、消費税法第9条第4項による「課税事業者選択届」を税務署に提出すれば、課税事業者になれるのです。

すなわち、免税事業者が取引から排除される懸念があると言っているのは、脱税事業者です。脱税幇助者=日本商工会議所であります。

皆、消費税を正しく支払う。しかし、免税事業者は、その消費税を税務署に納付しなくても良い。過去に消費税制度を導入する時の小規模事業者の特例として制度が発足した。当時の税率は3%であった。このインボイス制度は、食料品他についての軽減税率の適用を定めた2016年3月の国会で決定し、3月末に公布されたのです。したがい、今更何を言うのか、馬鹿の商工会議所は当時は何も言っていなかったのだろうと思います。

脱税を許さず、脱税の幇助者を許さず。正直者が馬鹿を見るようなことにしたくないと思います。

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2018年12月12日 (水)

産業革新投資機構(JIC)の不思議

理解に苦しむ会社であります。2018年9月25日に株式会社産業革新機構が「投資」という言葉を入れて商号変更して発足した株式会社である。

商号変更は、2017年6月に公布された産業競争力強化法の改正によりなされたのであるが、経産省の法改正については次の説明があった。

株式会社産業革新機構の 組織・運営の見直し

 長期・大規模の成長投資を中心に、引き続 きリスクマネー供給を行えるよう措置。
・ 投資機能の強化
- 「産業革新投資機構」に名称変更
- 明確なミッション設定
  政府が「投資基準」を策定。第四次産業 革命の社会実装等ミッション明確化。 
- 投資に適したガバナンスの実現 
投資機関の役割の明確化や事後評価の 徹底等により、適切な規律と現場での迅速・柔軟な意思決定を両立。

・ 期限の見直し(平成45年度まで)
(既存投資案件は期限を延長せず分けて管理)

・政府が株式の1/2以上を保有し、出資を主たる業務とする会社の株式を機構が保有できる規定等を設ける。

お役所的な文章であるが、投資基準は政府が策定と書いてある。ガバナンスの強化ともあり、では、何故民間出身の役員8名全員が辞任することに至ったのか不可解である。そう思っていると、来年度のJICに関する予算要求(1600億円)をすべて取り下げるとのニュースがあった。

日経 12月11日 革新投資機構の予算要求取り下げ、民間出身役員の総退陣受け 経産相

これで、JICは何もできなくなったのかと言うと、そうではない。JICの財務諸表は未だ発表されていないが、名称変更前の革新機構の2018年3月末の純資産は9646億円であり、年間純利益2201億円を計上している。出資先にはジャパンディスプレイもある。2018年3月末短期借入金が1978億円あるが、この全額について政府の債務保証を受けており、政府の持ち株割合は95.33%である。

政府が大株主で借入金全額の保障もしている。そんな会社の経営・運営が経産省の承認なくしてできるはずがない。最も、その前に、産業競争力強化のためのベンチャー投資に政府が関わるべきなのかという大命題がある。国民の税金をリスクにさらすことができるのかである。ベンチャー投資はしなければならない。しかし、それは政府が税金を使ってする仕事ではない。来年度の政府予算はゼロとすることについて私は支持する。

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2018年12月10日 (月)

日産自動車の今後の株価

日産のゴーン元会長とグレッグ・ケリー元代表取締役、そして法人としての日産が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)で起訴されたと報じられた。

日経 12月10日 ゴーン元会長らを起訴・再逮捕 地検、日産も起訴

日産の株価は、12月10日の終値945.0円であったが、今後どうなるのでしょうか?

ゴーンとケリーの二人の犯罪として終わらせることはできない。そうであるなら、他の取締役は何をしていたかと問わざるを得ない。もし、二人だけの犯罪であるなら、知能犯二人が組んで実行した結果となり、他の取締役や会社は被害者となるのだが、そんなことが通るのだろうか?そうだとしても、取締役の間で地位の上下はないのであり、他の取締役はボーとしていたどうしようもない人たちであるとなる。そうなると、ボーとしていて職務を果たさなかったことが罪に問われねばならない。

有価証券報告書の虚偽記載があるなら、日産は虚偽のない正しい有価証券報告書を公表せねばならないが、出されていない。日産は信用を失ったのである。その信用はますます落ちている。起訴されたのだから、通常なら、それを認めるか、反論して争うかであるが、ダンマリである。こんなのあり?と思う。関係者は、どう見るのかな。東証は、どうするのかな、訂正版を出さないことについて、ただ放置するのでしょうか?

次に日産とルノーの関係となるが、どうするのだろうか?提携を強めるとしても、破綻させるとしても、どちらも日産にとって良いことはないと思える。提携を強めることは、ルノーの発言権を認めることで、ルノーが日産の利益を持って行く。そんなのルノーの資本を受け入れた時から決まっていることだが、日産の人たちや車のユーザーはそれで良いのかな?ルノーとの関係が破綻とまで行かなくとも弱くなれば、トヨタ・ホンダの力が増すように思う。

色々考えると、不透明な事件であるのですが、いよいよすっきりとはしない。日産の株価は、今後更に落ちていくような気がするが、どうなのだろうか?

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ふるさと納税で15億円の寄付金を得た自治体町長が、制度の見直しを言っておられる

ふるさと納税については、8月6日のブログで地方交付税に依存した税金の付け回しである。本来の寄付金としての扱いにすべきであると9月19日のブログで書いた。

神奈川県寒川町は、2018年3月限定で、寄付金額の50%相当を旅行券で返礼品とするとして15億円の寄付金を受け取った。その町長が、制度上の問題を述べ、見直しの議論をすることをこの12月10日の日経BPの記事で言っておられました。

平成29年度の寒川町の決算書はここにあり、歳入の中で寄付金は15.3億円となっています。歳入総額は171.2億円なので、寄付金収入は総額の8.9%である。返礼品は、多分総務費36.9億円の中に含まれているのではと思います。

50%相当が返礼品であっても歳入増が純額で7億円あるとすれば、良いではないかと思うが、実は、寒川町は普通交付税の不交付団体であるため、町民が他の地方自治体に寄付をすると税収が少なくなる。町長は次のように言っておられます。

「寒川町は工業が盛んで、製造業の事業所が多数立地しているため、不交付団体となっています。寒川町で工業が盛んなのは、先人が努力し企業を誘致した歴史があるからです。努力して不交付団体になったせいで不利に扱われる。理不尽に思えてなりません。」

この気持ち分かります。税収を伸ばし、町を町民を豊かにしようとした結果、不利な扱いを受ける。地方交付税による寄付金の補填なんて馬鹿な制度は廃止し、寄付金の所得控除や税額控除として本来の姿で扱うべきです。

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旧優生保護法を批判する朝日新聞に行き過ぎを感じる

Webでは有料記事としてなっている朝日新聞の記事で、全文は読めないのですが、誰を批判しているんだろうか?厚生省、厚生労働省の役人批判なのかなと思うのです。役人批判であるなら、それなりの事実や証拠を書いて批判すべきだと考えるのです。そして、では朝日新聞は、朝日新聞の人たちは、どうであったのかも調査・分析して書くべきであると考えます。

朝日 12月9日 官僚も指摘した「人権侵害」 平成まで放置し続けた日本

過去のことを反省し、批判することは、重要である。旧優生保護法は、谷口弥三郎氏(Wikiはここ)他の発議による議員立法で1948年に制定された。当時は、優生手術を実施することが妥当であると考えられていた。だから、法を作った。私の9月30日のブログに旧優生保護法の抜粋を掲げているが、第3条で「本人並びに配偶者の同意を得ること及び自分で判断ができない未成年者、精神病者又は精神薄弱者は対象外。 」としていた。運用が法の定めの通りにされていなかったと言う批判なら、そのように批判すべきと考える。

いずれにせよ私の意見は、9月30日のブログに以下のように書いたとおりであり、簡単に批判して終わらせるべき問題ではなく、真実を掘り下げて、将来に学ぶべきことを調査すべきと考えます。

私たちの社会には、判断の誤りが多くある。その時は、良かれと思ったことが、悪い結果となる。思ってもみなかった悪い結果が、一部には生じることは、多々ある。過去を正しく分析・評価して、将来に同じ失敗を起こさないことの重要性である。結果についても、単純に善し悪しを判断できないことも多い。あるいは、中途で見直しを行い、修正しなかったことの失敗もある。

旧優生保護法の不妊手術強制についても、歴史的な面からも多面的に分析・評価し、私たちの社会の将来に役立つ用にすべきと考える。

加藤陽子氏の「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」が頭に浮かびます。大東亜戦争とは軍部に指導された日本人がやむを得ず行った戦争であると言う単純な歴史観で終わらせてはならない。

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2018年12月 9日 (日)

サプリメント摂取は死亡率を上げるの?

まじめな話なのです。次の日経BPの記事を読んでのことです。

日経BP 12月8日 こんなサプリメントにご用心

ナショナルジオグラフィックの記事の再掲載とのことで、元のナショナルジオグラフィックの記事はこちらだと思います。なお、全く同じ文章です。

私は、サプリをほとんど摂らないのですが、金輪際口にしないと思いました。次のような文章があるのです。

日本でもβカロテン入りの健康飲料やサプリメントが発売されましたよね。でも、その後、臨床試験が行われると、βカロテンのサプリメント服用によって喫煙者など特定のグループで死亡率が上がるということが分かりました。その一方で、重篤な疾患に対する有効性を示す研究はまったく出ていません。

カルシウムやビタミンDは、『骨を強くするのに必要なもの』と言われますし、実際に生化学的な知見は確立されています。でも一般的な成人がサプリメントで摂取したとしても、ベネフィットは限られていると考えてよいでしょう。その一方で、眉唾ものかもしれませんが循環器系疾患や腎臓への副作用の疑いも指摘されています。鉄剤のように貧血に対する効果が示されているものでも他の疾患のリスクを上げる可能性があると指摘されていますし、発展途上国では夜盲症を予防するビタミンAでも、飲みすぎるとビタミンA過剰症で肝臓を傷めたりします。

この程度でやめておきます。興味ある方は、リンク先の本文を読んでみてください。サプリではないバランスのとれた食事から体が必要とするものを摂取するのが健康で長寿を実現する方法と考えます。

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2018年12月 7日 (金)

太陽光発電買い取り価格見直し修正

太陽光発電買い取り価格見直し修正を経済産業省は発表した。

日経 12月6日 太陽光買い取り一部減額を猶予 経産省、見直し案修正

経産省 12月5日 FIT制度における太陽光発電の未稼働案件への新たな対応を決定しました

経産省発表別紙1 2018年12月5日 既認定案件による国民負担の抑制に向けた対応

当初の経産省の案(意見公募を求めた改正省令の案)では、2015年3月末以前に認定を受けたが、送電線への接続工事の申し込みの受領が2019年3月末までになされなければ、買取価格を21円/kWhとし、且つ運転開始日期限2000年3月末であった。今回の修正により、2MW以上の未稼働案件は2019年9月末までの接続工事申し込みの受領条件で2020年9月までの運転開始日期限となった。(環境影響評価(アセスメント)案件は更に6月後の期限)

最初から落ち付け所を見据えた意見公募であったような気がするが、一方で悲しいかな次のような意見を出す人たちはいた。

朝日新聞社説 12月3日 陽光の価格 引き下げは注意深く

現在の太陽光発電の発電原価

みなさんは、次のような記事をどう考えられますか?

日経XTECH 2017年7月21日 世界最安「ギガソーラー」、2.42セント/kWhでも利益の出るワケ、ジンコソーラーに聞く

次のグラフは、国際再生エネルギー機関(IRENA)のBoosting Solar PV Marketという冊子にあったものだが、太陽光発電設備の価格は大きく下がっている。

Solarpv201812

大型の太陽光発電設備の長期平均発電コスト(LCOE)は2015年13セント/kWhであったが、2025年までには5.5セント/kWhと予測している。高いコストの購入は避けるのが世の中の常識である。原価が下がっているのに、取引価格据え置きでは癒着ビジネスである。

実は、2015年3月末以前に認定を受けたが未稼働の太陽光案件は2352万kWと稼働済み3351万kWの70%に相当するのであり、こんな事業者に利益を渡すのは非合理的であると思う。

国民を苦しめる電力料金

現在の再生可能エネルギー賦課金単価は2.90円/kWhであり、その計算根拠はこの2018年3月23日 経産省発表に書いてある。2.90円/kWhと聞くと何となく安いように思うが、年間の賦課金総額は2兆3700億円である。すなわち、消費税率では約1%に相当する。2017年度では再生可能エネルギー買取金額合計2兆4352億円のうち1兆6519億円が10kW以上の太陽光発電の買取に支出された。

現在の新規太陽光発電の買取価格は2MW以上の場合、入札制であり、2MW未満は18円/kWhと合理的な水準に改訂されている。しかし、一方既存の太陽光設備の買取価格は平均38.6円/kWhとなっており、2兆4352億円の負担の大きな原因である。

災害を引き起こす太陽光発電設備

悪徳業者に限られると言って良いのだろうが、次のようなニュースがある。

千葉日報 11月7日 40メートルにわたり土砂崩れ 斜面から再生土が流出 市原の市道

太陽光発電設備の工事現場であったようだ。別件だが、2018年7月に姫路で太陽光発電パネルが崩落している写真が次の神戸新聞NEXTの記事にはある。

神戸新聞NEXT 7月13日 豪雨で太陽光パネル崩落 住民ら不安の声 姫路

私は、何の展望もなく無理に導入した日本の再生可能エネルギー固定料金買取制度は崩壊していると思う。十分な検討を重ね、日本に適した再生可能エネルギーの導入策を作成すべきと考える。

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2018年12月 2日 (日)

制裁は無意味な政治ゲーム?

中嶋さんと言う方が、The Povertistと言うオンラインマガジンに書かれた記事です。

The Povertist 12月1日 制裁は無意味な政治ゲームに過ぎないのか?

国際的な制裁とは、その効果や対象国に対する影響あるいは国際的な観点で、制裁が発動されるのではなく、制裁をする側の国内的な事情があり、結構大きい。すなわち、政治家によるその国の人気取り政策・ポピュリズムによる部分が大きいように私も感じます。

国際的制裁は全て無意味とまでは言えないが、イラク制裁やイラク侵攻なんて、イラクの人々を苦しめ、周辺地域を含む人々の対立を増加させた面があることを認識すべきと私も考えます。他の制裁もこの側面は必ずあると考える。

興味ある記事であったことからの紹介です。

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10万個の子宮

引き続き医療関係でのマスコミ批判です。まずは、次の英Guardianの記事を見て頂ければと思います。

Doctor wins 2017 John Maddox prize for countering HPV vaccine misinformation

村中璃子医師が、マドックス賞を受賞したことを伝える記事で、マドックス賞についてのWikiはここにありますが、公共の利益に関わる問題について健全な科学とエビデンスを広めるために、障害や敵意にさらされながらも貢献した個人に与えられる名誉ある賞です。

村中璃子氏は、子宮頸ガンワクチンの接種阻止運動に対して非科学的であり、年間1万人の日本人女性が子宮摘出必要なガンと診断され、約3000人が命を失っている。10年では子宮摘出の数は10万人になるとのことで、非科学的な接種阻止運動を批判を書いておられるのが『10万個の子宮』という本です。

この本の中で、村中氏は名古屋市が実施した子宮頸がんワクチン調査結果についても触れておられ、私もこの2016年6月29日のブログで、名古屋市の30,793人に及ぶ調査結果を分析しました。そして、子宮頸ガンワクチンの接種が問題を起こしているとは考えられないと書いた。名古屋市の報告は、現在このページにあります。

子宮頸ガンワクチンに関する厚生労働省のパンフレットはここにあり、「HPV ワクチンの接種により、10 万人あたり 859 ~ 595人が子宮けいがんになることを回避でき、また、10 万人あたり 209 ~ 144 人が子宮けいがんによる死亡を回避できる、と期待されます。」とありますが、「HPVワクチンは、積極的におすすめすることを一時的にやめています」との文章もあります。頭が混乱しそうです。各自判断せよとの意味に理解します。

子宮頸ガンワクチンの副作用について科学的エビデンスなしで、マスコミが報道を続けた結果と私は考えている。科学的なエビデンスとは何かと言えば、私にとって重要なことは、理論や推定ではなく、統計データの正しい分析結果と考えます。私のブログで何度も出したグラフですが、若い女性でガンが罹患する臓器は子宮です。子宮頸ガンワクチンは禁止されておらず、私は積極的なワクチン接種をお勧めます。

Cervical_cancer2013d

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