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2019年2月12日 (火)

住宅屋根太陽光発電の安全性・危険性

住宅屋根太陽光発電についての次の記事があった。当該消費者安全調査委員会の報告書を紹介すると共に、住宅屋根太陽光発電の安全性・危険性について書いてみたいと思います。

Diamond Online 2月12日 住宅用の太陽光発電設備が危ない!10万棟以上で火災の可能性

消費者安全調査委員会 事故等原因調査報告書 住宅用太陽光発電システムから発生した火災事故等 平成31年1月28日

同上 概要版

1) 約10万7000棟に対し火災事故等の再発防止策が必要か

消費者安全調査委員会(以下委員会と略す。)が呼びかけているのは、応急点検の実施です。かつ、応急点検の実施対象は鋼板等なし型に該当する場合です。鋼板等なし型とは次の報告書にあった図7の右下のタイプです。

Solarpv20192aご自分の太陽光発電設備の型が分かっていない場合は、設置した業者に問い合わせれば良いでしょう。図の下の方の説明にあるように、屋根置き型と鋼板敷設型が94.8%で、鋼板付帯型は少なく0.7%。鋼板等なし型は4.5%とのことです。この4.5%が設置件数では107,000棟になるとのこと。鋼板等なし型の場合の危険性は、太陽電池モジュールと屋根材とが近接していることから住宅の火災の危険性があることです。火災発生箇所としては、太陽電池モジュール、ケーブル、パワーコンディショナ、接続箱があるとのこと。

資源エネルギー庁の統計(これ)では、2018年9月末現在で住宅用太陽光発電の設置済み数(導入量)は2,431,713件であり、4.5%が鋼板等なし型だとすると、11万棟近い可能性があります。

2) どのような現象なのか

住宅用太陽光発電とは、3kW~5kW程度の出力が多いと思いますが、家庭用ガスコンロの強力火力バーナーというのが最大にすると4.2kWです。4,200Wですから、電気ストーブで考えても、5台以上の熱です。これが屋根上で熱源となれば、火事が起こっても当然という感じです。最も、屋根上に設置した太陽光発電パネルの全てが熱源となってしまうのではなく、パネルのある特定の部分や接続部分の発熱でしょうが、火災の原因になり得ることは理解できる。

下の写真は、報告書の中の赤外線サーモグラフィ画像の写真であり、左は高抵抗箇所が温度上昇しており、右では1枚のモジュールが電力変換されていないため高温となっている。

Solarpv20192b

高温になれば、火災を引き起こす危険性はある。

3) 鋼板等なし型以外は大丈夫か?

2)の現象の発生の可能性は、鋼板等なし型に限定されないはず。原因は、製品の不良、工事の不良、そして経年劣化がそれに伴うと考えられる。そうすると、鋼板等なし型でない95%以上の設備も火災リスクは低いであろうが発熱しており、発電電力量は少なくなっている可能性はある。

太陽光発電を設置している場合、電力会社からの請求書に電気代以外に電力買電量が書いてある。発電量は季節差があるので、前年同月の請求書と比べて、買電量が小さくなっている場合は、設備の点検・メンテナンスを依頼した方が良いと思う。なお、設備にも通常はモニターが設置されているはずなので、毎月の発電量を前年同月と比較し、ある程度下がっているとなると、点検を依頼すべきと考えます。

住宅用太陽光発電で困る点は、自分では点検ができないことです。但し、モニターはできるのでモニターはすべきです。

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