健保連の言うことにゃ
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東京新聞 8月23日 <税を追う>「かかりつけ医」制、機能せず 初診料加算 患者6割で「二重払い」
2018年度の診療報酬改定で、かかりつけ医の初診料の「機能強化加算」がなされた。患者に対するかかりつけ医が存在し、身近にいるかかりつけ医が相談窓口になることにより健康診断・健康相談、適切な他の医療機関の紹介、介護保険への橋渡し等が合理的に運ばれることが期待できることがその理由と理解する。
記事は、「約六割が二つ以上のかかりつけ医療機関を受診し、そのたびに八百円を加算されていた」と述べており、それじゃ制度の悪用で、開業医の多くは、悪のりしているとの健保連の報告であると報じている。当該報告書は2019年8月23日、「次期診療報酬改定に向けた政策提言(政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究結果Ⅳ)」であり、このページ からダウンロード出来ます。
診療報酬を決定するにあたっては、関係者の意見をくみ取り、それなりの手続きを経て、決定されている訳だが、健保連が意見を述べることで、おもしろいと思った。日本の医療保険制度は、健康保険組合(その連合会が健保連)、健康保険組合を作っていない企業の医療保険である協会けんぽ、公務員が加入している共済組合、国民健康保険と後期高齢者医療保険がある。これらの医療保険のうち政府補助金が入っていないのは健康保険組合のみである。すなわち、政府・厚生労働省にもの申すに、補助金を受けていない健康保険組合が一番ストレートに言えると思ったのである。なお、共済組合の場合は、政府や自治体が雇用主としての半額負担は、補助金ではないが、一般民間企業とは異なるので、健康保険組合が一番自由に意見を述べることが出来ると考える。
ちなみに、日本の医療保険制度の負担と給付に関する図を掲げておく。上の図が保険料を支払負担であり、下の図が保険給付(医療費給付)である。国、都道府県、市町村は人ではないので、医療費給付を受けることはない。上と下で、負担と受給のアンバランスがあることが分かる。勿論、政策や制度であり、アンバランスが悪いと決めることは出来ない。
下の図は、少し表現を変えただけで、同じ内容です。
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