台風15号千葉県の停電復旧
台風15号千葉県の停電復旧に関して、東京電力パワーグリッド(このブログ内では東電と略す。)は、記者会見をし、自社のNETでも配信していた。残念ながら、揚げ足を取られないようにしようと27日までの復旧を目指すという事以上の発言は聞くことが出来なかった。(参考:日経 9月17日 千葉県内の停電、なお6万戸 断水も1万戸 )
台風15号は9月9日朝 5時頃から7時頃に千葉県を通過し、大災害をもたらした。ところで、東電の停電軒数の発表をグラフ化すると次の様になった。
グラフの右軸メモリのパーセントは、千葉県の総世帯数276万世帯に対する停電軒数の割合である。(1世帯が電力供給軒数とほぼ一致するとの考え)
ニュースに接していると、東電の復旧作業は遅々として進んでいないと感じるが、グラフに書くと停電軒数は2%強まで減少しており、当初の14%以上の停電軒数から考えると随分がんばったんだとも思える。今回の千葉県の停電は、配電網の電柱倒壊や倒木の電線接触による事故が大部分と思われ、地域による差は大きい。そこで、未だ1000軒以上停電となっている市町村を表にしてみた。
1000軒以上の停電は14市町あった。停電軒数を合計すると57,700軒であり、復旧が残っている58,000軒の99%に該当する。となると、復旧が容易な配電線については、ほぼ復旧を終了したこととなる。冒頭に掲げたグラフを延長すれば、間もなく完全復旧になると思えるが、復旧にあたっては早期に復旧可能な部分から手を付けることとなるので、未復旧の配電線復旧は今までより時間を要するのだと思う。
完全復旧が第一であり、その後に手を付ければ良いのだが、やはり一つの県の10%以上が2日以上停電したことの原因調査とその結果報告、ならびに対策案については発表してもらいたい。電柱を含め設計風荷重の考え方に問題があったのか、電柱付近の木々の伐採や手入れに問題があったのか、工事車両の通行が困難で復旧工事が妨げられたのか、余りにも様々な要因が考えられ、一つづつ評価する必要があると思う。
例えば、このニュース(日経 9月17日 千葉停電、配備遅れた電源車 人員配置などに課題 )であるが、有料部分となるが「だが16日午後5時時点で稼働したのは、計337台のうち96台だった。」とある。記事では、配電線の復旧との関係で資格がある技術者の人員配置がうまくいっていなかったことがあげられている。電源車を運転して現地に行った人は、配電線に接続し、安全性の確保を確認し、エンジンを起動するという操作ができる資格を持った人ではなかったし、そんな人はこのような復旧作業では引っ張りだこだったでしょうね。
もう一つ気になるのはNHK千葉 9月17日 停電で電話不通 救急搬送に影響 というニュースが伝えている救急病院と救急車の電話通話がつながらなかったことがあるというケースです。災害時には固定電話、携帯電話、スマホの電話はつながらないことがあるというのは当然のこととすべき。昔のタクシー無線のような無線電話を救急病院には設置を義務つける必要があると思うのですが、現状はどうなっているのかな?
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