台風19号の利根川における洪水調節評価
台風21号が来ているが、どうやら日本列島は暴風圏内に入らないと思える。一方、10日ほど前に日本に上陸した台風19号は、10月12日午後7時頃に伊豆半島に上陸し、関東地方を縦断したが、広い範囲で記録的な大雨をもたらし多くの河川で氾濫が起こった。
幸い利根川では堤防決壊はなかったようであり、2010年10月30日にこのブログ「ウルトラ堤防」 を書いたが、このウルトラ堤防(田中調整池)にも水が入り、利根川の防水に一定の役割は果たしたのだと思う。この国交省記者発表資料によれば、 渡良瀬遊水地、菅生調節池、稲戸井調節池、田中調節池の4つの調節池で約2.5億m3の洪水量を貯留とあります。3ページ目-4ページ目の写真を見ると台風19号で利根川水位が上昇したときに越流が生じて調整池に水が入り貯留したことが確認できる。
ダムは、どうだったのかと矢木沢、奈良俣、藤原、相俣、薗原、草木、下久保、渡良瀬遊水池、川俣、川治、五十里、湯西川の12ダムについて国交省のデータベースから数字を拾ってグラフを書いてみた。上が合計貯水量で下が各ダムの貯水量です。
次のグラフがこれら12ダム合計でのダムへの流入量とダムからの放流量を書いたグラフです。概ね、ダムからの放流量は50%程度にコントロールしています。
さて、利根川の河川水はどうなったか。八斗島と取手における水位をグラフにしました。赤線が、八斗島と取手における氾濫危険水位であり、取手はやばい水位でした。なお、グラフは、計測点の基準水位ゼロ高からではなく、海面標高で作成しています。
これらの洪水緩和施設が将来にわたり機能してくれることを期待します。
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