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2020年5月31日 (日)

持続化給付金とは、その事業費の97%が電通へ行く

すごいと思いました。

東京新聞 5月29日 持続化給付金の事業費97%が電通へ 国から受託の法人

直接の委託先は一般社団法人サービスデザイン推進協議会という一般社団であるが、そもそもこの一般社団とは電通、パソナ、トランスコスモスが2016年に設立ということである。そして、経済産業省がこの一般社団法人に支払う769億円のうち749億円が再委託として電通に支払われると東京新聞は報道している。

コロナに乗じた悪徳商法かどうかは分からないが、コロナに乗じた大口特需を電通は獲得していると言えると思う。コロナで雇い止めとなっている人たちに、電通からある程度は仕事が回っていればと思うのが、実態はどうなのだろうか?多分、電通は記事にあるように「経産省の事業なので回答は控える」としてダンマリを続けるのだろう。

ちなみに、東京新聞にはその前日にこのような記事 もあり、 『一般社団法人サービスデザイン推進協議会とはWebにも情報はほとんどなく、電話番号も公表されていない。登記簿上の所在地を訪ねると東京・築地の9階建ての小さなビルの2階に入居していた。インターホンに応答はなく、「お問い合わせは(給付金の)コールセンターまで」の張り紙があるだけだ。』 とある。

電通と言えば、記憶に残るのは、2016年のことであるが、このブログ 東京オリンピック不正疑惑である。このときは1億6千万円の疑惑。しかし、今年3月31日にロイターが報じた次の記事の疑惑は9億円である。

ロイター 3月31日 東京五輪招致で組織委理事に約9億円 汚職疑惑の人物にロビー活動も

疑惑の元電通の人は写真付きで出ている。記事には『高橋氏はインタビューで、招致委員会からの支払いは彼の会社であるコモンズを経由して受け取り、五輪招致を推進するための「飲み食い」、そして招致関連のマーケティングなどの経費に充てたと話した。』 とある。自分の会社が9億円を東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会から受領し、飲み食い他に使った。超凄い話である。電通とは、一般人とかけ離れた別世界。我々が住む世界では、これらをどう扱って良いのか分からない気がする。

ところで、東京オリンピックは今のところ2011年7月23日から8月8日までの開催と言うことだが、どうなるのだろうか?新型コロナパンデミック第2波が世界規模で発生する可能性もある。開催されるのだろうか?世界が力を合わせるのは、オリンピック開催ではなく、パンデミックの軽減である。

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2020年5月27日 (水)

ANAとJALの今後

先が見通せない状態であるが、少し先ぐらいは、どうかとANAホールディングスと日本航空の2020年3月末の貸借対照表を決算短信による発表で比較してみた。

Anajlbs20205cc

一つ前のブログで旅客収入の比較をした。ANAがJALの1.2倍以上あり、ANAの方が資産がJALより大きくて当然であるが、それより少しANAが大きい。しかし、資産の資金源を示す負債と資本を見るとANAとJALには少し差がある。JALは負債が少なく、利益剰余金等が大きいのである。そこで、2012年3月期からの収入額と利益の額ならびに税額をグラフにして比較した。

Anajl20205d

収入額は左目盛りで利益や税額は右軸である。ANAの収入額は航空事業収入のみを使ったグラフであり、JALの収入額は連結営業収益額である。利益や税は連結損益計算書からである。収入額はANAとJALで大きな差はない。気がつくのは、JALは利益が大きくても税額は少ないのである。それは、表にして比較すると次の様になり、歴然としている。

Anajl20205e

JALが会社更生法の更生手続き開始の申し立てをしたのが2010年1月である。同年11月更生計画が認可された。12月に資本を全額減資。企業再生支援機構から3500億円の出資を受け、金融機関からは5215億円の債権放棄を受けた。2011年3月に終了する期間の財務諸表は探しても見つからず、2012年3月期からの比較としている。

9年間を合計するとANAの航空事業収入は13.8兆円。JALは12.0兆円でほぼ同じ。しかし、税引き前利益に相当する税金等調整前純利益はANAは9214億円。これに対して、JALは1兆5057億円。この差が生まれたのは、JALが会社更生手続きの期間に於いて資産を評価替えして減額したから、減価償却負担が低くなってしまったからである。9年間の税額を比較するとANAは3321億円。これに対してJALは1079億円であり、直近の2020年3月期の391億円を除外すると8年間で688億円であり、税前利益の5%にも満たない、

5215億円の債権放棄を受けた結果、利子負担はなくなり、借入金返済も不要となった。債務免除益を計上するが、これは会社更生法による更正手続きで税務上は益金不算入の扱いである。一方で、資産を無理矢理評価替えして損金を発生させたが、この損金は税務上の繰越欠損金の扱いとなった。そして、2020年3月期に一人前にJALが税金を払うようになったのは、この繰越欠損金の期限が来たからである。2019年3月期のJAL有価証券報告書で税効果会計に関して「評価性引当額が168,893百万円減少しております。この減少の主な内容は、提出会社において、会社更生に起因する繰越欠損金の期限が到来したことにより、税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額が減少 ・・・・ 」とあります。

税金を少なくすること。一見すると良いことに思えるが、実は政府の税収が少なくなること。JALの金融機関からの5215億円の債権放棄も結果として、金融機関は損金を計上し、その分税金が少なくなった。JALの会社更生法による再建とは、国民の税金をたっぷり使った再建であったのである。仮に、JALがANAが払っている税と同じ税率で税額を計算すると4000億円も節税したことになる。これに金融機関の分も加えると5000億円以上の国民負担によるJAL再生であった。今から考えても、恐ろしい独裁政権が日本に生まれた時期である。税の無駄使いをなくすとか言って政権についたのだが。

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2020年5月26日 (火)

コロナによる影響大きい航空輸送業

新型コロナウイルス対策による緊急事態制限が北海道、東京、埼玉、千葉、神奈川の5都道県を含め全面解除となった。(日経ニュース 5月25日

新型コロナウイルスは消滅したのではなく、全面解除になっても、クラスター感染が発生する可能性は依然ある。航空輸送業界は、新型コロナウィルスにより利用客が激変した事業であった。2020年4月の旅客輸送実績がANAホールディングスと日本航空から暫定値であるが発表されたので、グラフに書いてみた。

Anajltrans20205a

2020年1月までは、ANAもJALも輸送旅客数は通常であった。しかし、2月に70%-80%に減少した後、3月には例年の30%-40%に落ち込み、4月は5%-10%という水準に落ち込んだ。この落ち込みは国際線、国内線ほぼ同じである。

ちなみに、日本航空とANAホールディングスの決算説明会資料に書かれている売上高をグラフ化したのが次の図である。国際旅客収入と国内旅客収入は、日本航空とANAホールディングスそれぞれ国際4,762億円と6,139億円であった。国内5,146億円と6,799億円である。Anajlrev20205b  

国内旅客収入が半分になったとすれば、減収額はANA3400億円、JAL2500億円である。国際旅客収入の落ち込みは、更に大きいと思う。もし、2020年3月期の30%になったとしたなら、減収額はANA4300億円でJALは3300億円である。国内と国際の双方の合計では減収額はANA7700億円。JAL5800億円である。

果たして、どうなるのだろうか。パンデミックが終われば、必ず元に戻るのである。それまでの間、どのようにして凌ぐのかである。

 

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2020年5月11日 (月)

検察庁法の一部改正に反対する

検察官定年延長について、日本弁護士連合会が本日付で次の様な会長声明を出している。

改めて検察庁法の一部改正に反対する会長声明 2020年(令和2年)5月11日

何故、反対せねばならないか。それは、検察官だから。人を逮捕し、人を裁く。それは、法の下での国家権力だから可能である。司法とは、三権分立の中の一つの権力であり、裁判所に司法権を与えている。起訴をするのは検察官である。だからこそ、憲法第77条2項に「検察官は、最高裁判所の定める規則に従はなければならない。」とある。

しかし、検察官は法務省に所属する。検察官は行政に所属する公務員であるが、通常の行政職員とは異なる面を持つ。首相を捜査し、起訴することも可能である。政府高官や政治家の思うように従属させられると戦前の日本国と変わらない状態が生まれる危険性がある。横浜事件他悲しい事件があった。

ここ に郷原信郎の検察庁法案改正反対の記事がある。その中で定年延長が他の公務員と同列に扱うべきとツイッターの書き込みをしている人がいると紹介がある。理解が浅いとこのようになるのだと思う。検察官は司法試験を合格し、法曹資格を持っている人である。定年後も弁護士になれる。法曹資格を生かして、活躍できる場はある。

コロナ国会のさなかにこのような重大な事項をどさくさに紛れて法改正しようというのは絶対反対である。

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2020年5月10日 (日)

ドイツ大統領の第二次世界大戦終戦75周年スピーチ

ドイツのシュタインマイヤー大統領が5月8日に行った「ナチスからの解放と欧州における第二次世界大戦終戦75周年」のスピーチ(日本語訳)が次の所にあります。

ナチスからの解放と欧州における第二次世界大戦終戦75周年

「国民の皆様、欧州の友人の皆様、世界中の友好国、同盟国の皆様」 との呼びかけから始まり、「1945年5月8日、ナチスの暴力支配が終焉し、空爆の夜と死の行進が終焉し、ドイツによる比類のない犯罪と文明の断絶であるショアーが終焉しました。」とするスピーチの出だしです。そして「ここベルリンにおいて、絶滅戦争は考案され、勃発し、巨大な破壊力を持って再び戻ってきました。そのベルリンにおいて、私たちは本日、ともに記憶を呼び起こしたいと考えていました。」と続く。

日本のある人たちにとっては、自虐史観と映るのだろうと思う。本来史観なんてない。あるのは事実であり、事実を調査し、事実から学び、教訓を得ることだ。シュタインマイヤー大統領のスピーチ内容は、極めて正しい。このスピーチ内容は、国を超えた人類の歩むべき道を示唆する。日本も日本の指導者も、こうあって欲しいと思う。その場合こそ、国を越え、世界の指導者になれると考える。

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2020年5月 6日 (水)

在宅勤務・オンライン授業

新型コロナ対策により在宅勤務やオンライン授業が広まった。新型コロナパンデミックがなかったら、ここまで広まらなかったと思う。


5Gの利用開始の年であり、Information and Communication Technology(ICT)を活用しなければ、勝者となれない。富を手にすることができない。そのような時代に生き抜く必要がある。大変なことである。


そのような思いでいる時に、目にしたのが朝日新聞に書かれた次の村山斉氏の投稿である。
「会議もすべてZoomだ。人事などの微妙な議論もやりにくい。お互いの表情やしぐさを読み取れないと、本心をつかみにくい。まだまだ人間はアナログだ。」
Quite Agreeableだ。人間のアナログな部分も重要である。愛にはアナログが必要である。(朝日新聞Digitalの有料記事ですが、無料登録で全文読める記事です。)


ええ朝日新聞デジタル 2020年5月6日 村山斉の時空自在〈27〉パソコン画面でオンライン授業 学生も教師も大変だ

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2020年5月 5日 (火)

正しいコロナ対策(感染症対策)

新型コロナ感染症対策である緊急事態宣言は、5月31日迄延長された。(日経ニュース 5月4日 )緊急事態宣言の際に開催された専門家会議の分析・提言がここ にあり、その記者会見資料がここ にあります。

数ヶ月或いはもっと早いかも知れませんが、有効な治療薬が利用できることになり、予防のためのワクチンも数年のうちには開発される可能性はある。日常生活も、徐々にもどっていくことと期待します。

日本の現状は、記者会見資料10ページの次のグラフですが、新型コロナウィルスの死者数は少なく、対応に成功していると言えると思います。

Covid19202055a

しかし、手放しで喜ぶことはしてはならない。この日経記事 にあるように、PCR検査の数は人口あたりで、日本は非常に低い。理由について、専門家会議は記者会見資料13ページのように説明している。

Covid19202055b

色々あるであろうが、私は、感染症対策が十分ではなかったことがあると考える。PCR検査の体制が脆弱だったのであり、今でも貧弱な状態で、PCR検査を増やそうにも、それほどたやすいことではないのである。PCR検査とは、この日本微生物研究所のWeb にあるように遺伝子レベルの検査であり、何も分からない新しいウイルスの遺伝子に関する情報が得られ、それ以外に何も分からななければ、PCR検査で判定するしかない。それでも万能ではないが、一番信頼性が高い。SARSやMARSで日本での感染は少なかった。従い、感染対策に対して鈍感になっていたと思う。洪水があれば、ダムだ堤防だと大騒ぎする。津波対策だと行って、巨額の費用を投じて、防潮堤を建設する。防潮堤より街の移転の方が、コストが安いのなら、街の移転を選ぶべきと思うが、そんな検証を私は知らない。

新型コロナの以後にもウイルスによるパンデミック感染症は発生する。東日本大震災の津波について100年に1度といった人がいるが、パンデミック感染症の頻度は、それより多い。PCR検査の強化は、機械だけではなく人材や組織も必要である。一人10万円の高所得者への配分額に相当する額でも、PCR体制充実に回せたなら、効果があったのではと思う。利己益しか考えない政治家には無理な話かも。

 この5月4日の日経記事 のように、 新型コロナウイルスが中国武漢市の研究所からの発生という人がいる。私は、そのような可能性は極めて低いと思う。何故なら、研究所なりで保管していたなら、外部に絶対漏れないように管理すると考えるからである。しかし、一方、この話の示唆するところは、将来どこかの国が生物化学兵器の一つとして新型ウイルスを保有し、それを他国に使用する可能性である。例えば、自国が使用しなくても、紛争国の一方に対して供与し、漁夫の利を得ることを狙うのである。ウイルスを兵器として保管・使用する場合は、そのウイルスを完全にコントロールできていなければならない。もしかして、米国や中国は、既にそんなレベルにまで行っているのだろうか?分からない。でも、日本のPCR体制の強化は、生物化学兵器対策でもある。

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「永寿の患者」というだけで拒否なんて本当?

このような記事を見ると、悲しく思います。

毎日 5月4日 国内最大級クラスター、東京・永寿総合病院(その1) 陰性でも出られず 82歳、感染死恐れ1カ月

記事には「PCR検査で陰性が確認されながら病院から出られない患者が4月末時点で少なくとも10人以上いる。「永寿の患者」というだけで多くの病院が受け入れを拒否するためだ。」とあります。

でも、本当にそうなのか?永寿総合病院の入院患者というだけなら、問題が大きいと思うからです。他の病院や患者が希望する病院には(定義に問題はありますが、医療崩壊に近く)病床の余裕がなく直ちには転院を受け入れることができないとの理由なら理解できます。毎日の記事が、どこまで正しいのか、私には残念ながら確認できずにいます。正しいのなら、事態を是正すべきだし、間違っているなら、デマを振りまく毎日新聞であります。

信頼できる情報としては、厚生労働省クラスター班の4月15日付報告書がこの栄寿総合病院のWeb にあります。4月13日までに入院・退院患者107名、医療従事者等73名が感染し、うち患者20人が死亡と理解します。

報告書の中に次の図があり、3月14日頃から集団発生は始まったようです。

Eiju202005

3月14日頃はと言うと、3月9日ではこの厚労省の見解 のように「日本の状況は爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度、持ちこたえているのではないかと考えられる」、3月17日時点ではこの状況分析・提言のように「帰国者および訪日外国人対応を至急開始する必要があると考える」ということでした。

報告書には「3月上旬に発症したと考えられる2症例はいずれもA病棟の入院患者である。原疾患の影響もあって発症日の判断が難しいものの、この2例が起点となり、病棟内で他の患者や医療従事者を介する形で集団発生につながった可能性が示唆される。A病棟とB病棟は同一フロアで隣接しており、構造的に一体となっている。そのためA病棟からB病棟への拡散は容易と考えられた。」とある。そして「院内での拡大要因として以下が推定された。」と下の記載があり、病院に於けるクラスター感染に関する貴重な警告を与えた事例と考える。

1 全体に共通する要因
・密に過ごす空間(病棟休憩室、仮眠室、職員食堂、職員ロッカーなど)での医療従事者間での感染拡大の可能性
・原疾患やその治療に伴う症状もあり、COVID-19を疑うタイミングが遅れた可能性
2 病棟内の感染拡大の要因
・基本的な感染予防策(手指衛生など)が不十分になる場面があったこと
・認知症などで動き回る患者が存在したこと
・化学療法中など易感染性患者が存在したこと
3 病棟間の感染拡大の要因
・病棟の構造上の問題(隣接病棟と一体化した構造だった)
・患者の転棟による拡大
・病棟間を移動する医療従事者が媒介した可能性

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