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2020年7月28日 (火)

ALS患者の嘱託殺人 安楽死

林優里さんというALS患者は、自ら死を選択し、2人の医師に自身のあの世への旅達を依頼した。そこまで意思が明確なら、死後のことについて書いた遺言書を残していた。

日経 7月28日 女性、父親宛てに「遺言書」 京都ALS患者嘱託殺人

この女性が書いていたツイッターが次であり、どのような心境でおられたのか、既に削除してあるツイートもあるのかも知れないが、2018年4月26日以降のツイートがあり、生々しい多くのつぶやきが残っています。

tangoleoさんのツイッター

ブログも書いておられ、次の所にあります。ブログの自己紹介には次の様に書いておられる。
1968年生まれ 2011年にALSを発症 発症後、仕事を辞めて東京から関西に帰郷した。 現在、独居で24時間のヘルパー支援による生活を送っている。
身体は動かない。食べること、話すこともできないが、視線入力のパソコンを使っている。人工呼吸器は装着していない
ツイッターはtangoleo。
海外で安楽死を受けることを望んでいる

ALS患者 タンゴレオの挑戦 ー安楽死を認めて!-

ALSと言ってもその症状や進行状態も様々なのだろうと思う。人生観、哲学、価値観、宗教観は幅広いものである。個人の心の奥底に他の人が入っていくことはできない。人間としての尊厳は貴重である。

これを機会に安楽死の議論が深まることを望みます。許されるのか?許されるとしたら、どのような条件であるべきか?大東亜戦争時には、撤退に際して、傷病兵を殺していくような不幸なことがあったと聞く。安心して、生きていける世界を目指さなくてはなくてはならない。

参考に、安楽死についてスイス・オランダ・ベルギー・ルクセンブルク・カナダの5カ国とアメリカの5州を取り上げて比較しているWebを紹介しておきます。

安楽死をめぐる世界の動き (エピロギ)

 

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2020年7月22日 (水)

最高裁のツイッターに対するアカウント保有者情報開示判決

当然の判決であると思うが、この裁判で発信者情報の開示を求めて裁判を起こしておられたのは、プロ写真家・縄田頼信でありホームページはここ にあります。ホームページから多くの美しいサンプル写真をたどることができ、プロ写真家だなと思います。

日経の7月21日の記事は、ここ にあります。

最高裁判決文はここ にあります。最高裁判決はツイッター社の上告を棄却し第2審の知的財産高等裁判所判決を確定したのですが、その知財高裁判決分はここ にあります。なお、第1審の 東京地裁判決文はここ にあります。

ややこしい面があるのですが、著作権侵害に係わる発信者情報開示請求に関する裁判でした。結果、ツイッター社は縄田頼信氏の写真を使ってツイートないしは、その元ツイートを使って更にリツイートした発信者の情報が縄田氏に開示され、縄田氏はツイッター社が開示した情報を元に損害賠償を求めていかれるでしょう。

ネットが利用されることは有益なことである。誰もが簡単に情報発信できる。気軽にSNS等で投稿が出来る。しかし、その反面、著作権侵害、誹謗中傷、名誉毀損、信用毀損や業務妨害、不法行為による損害賠償義務が発生する可能性がある。匿名で書き込みが行われた場合に、その書き込んだ人物を特定するには、プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)第4条の発信者情報の開示請求を行わねばならない。権利が侵害されたことが明らかであり、且つ損害賠償請求権の行使のために必要であることが必要である。

権利が侵害された場合、弁護士に依頼して、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報の開示請求を行い、更に裁判を提起して損害賠償を求め、場合によっては、刑事告訴を行う。 大変な労力を要するのであるが、春名風花さんは示談にこぎ着けたことを7月20日に発表されている。(弁護士ドットコムニュース ) 春名風花さんのU-Tubeによれば、2018年10月にツイッター社を訴え、2018年12月仮処分決定によりアクセス記録の開示を受けた。そして、プロバイダへの裁判を開始、2019年1月ミクシィ、2月ソフトバンク・・・・。2020年1月刑事告訴をしたが、警察は告訴状を送り返してきたり、そして2月17日に告訴状を受理しもらったりと。 「彼女の両親自体が失敗作」などと書かれた社会通念上許される限度を超える侮辱表現ツイートを書いた個人が特定できたのは2019年10月ごろだったようである。

ネットは誰の物?社会の物である。それを悪用する人物・組織には刑事罰が適切と思うのである。

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2020年7月16日 (木)

柳原病院の医師わいせつ行為裁判

7月13日に、一審の無罪判決を破棄し、懲役2年とする東京高裁での判決があったことから、2016年12月1日に書いた次のブログ記事に多くのアクセスを頂いています。

柳原病院の医師のわいせつ行為に関する変な裁判

外科医師を守る会の方々は、ここ にあるように、この不当判決に満身の怒りをこめて、断固抗議をすると言っておられます。

私が、とやかく言うよりは、私が読んだ関係するブログ記事等を紹介します。

専門家への不遜な態度 「私はせん妄研究の専門家ではない」と言う 証人(医師)の意見を採用し、せん妄による性的幻覚の可能性がが高いと言うせん妄についての多数の論文を執筆し、せん妄を専門に研究している大学教授(精神科医)の専門家証人の退けた。

M3記事 7月15日 中川日医会長「身体が震えるほどの怒り」、乳腺外科医控訴審判決

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2020年7月 7日 (火)

4人を殺しても懲役7年の判決 しかし、判決には不服で即日控訴

殺人4人は、重大な犯罪だと思う。しかし、判決は懲役7年。しかも、被告はこれを不服とし即日控訴。

朝日 6月16日 津の4人死亡事故、危険運転致死傷罪適用せず 懲役7年

感覚がずれているのではと思ってしまう。この津地裁の判決文が、裁判所のWebに掲載された。

事件番号 令和元年(わ)第187号判決文

裁判官は、60km制限の道路を、この倍以上の86kmオーバーである146kmで運転しても、「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の2条2項)」には該当しないと判断した。それ故、危険運転致死傷罪ではない場合の最高刑懲役7年との判決を下した。普通の感覚からしたら、いくら片側3車線道路であっても、146kmで運転したら事故を起こす危険性が高く、しかもその事故は死亡事故の可能性を含む大事故になり得ると考えるはずだが。言葉の遊びで、刑罰を決めることはしてはならないと考える。

「ポケモンGO」をしながら運転し殺人に至った事故 でも禁錮1年4月

名古屋地裁の判決文(令和1(わ)526)はここ にあり、朝日の報道はここ にあります。本年3月23日の判決であるが、「ポケモンGO」をながら運転で行ったのであり、運転中に突発的なことがあり脇見運転となったという事情ではない。悪質な運転で死亡させたのだから、禁錮1年4月というのは、私には釈然としないのだが。

母子をはね、母親と妊娠中の子も死亡したが執行猶予判決

名古屋地裁の判決文(令和1(わ)553)はここ にあり、日経の報道はここ にあります。 母親とおなかの中の子が死亡した。当然、父親の落胆は相当のものであるはず。執行猶予3年という判決だが、甘すぎる気がするのだが、どうだろうか。

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2020年7月 4日 (土)

熊本県人吉市で球磨川氾濫の反省

10年以上前のことであるが、次のブログを書いたことがある。

川辺川ダム 2009年9月3日

熊本県人吉市では、今回の大雨により球磨川が氾濫し、大きな被害が発生している。

日経 7月4日 九州大雨「前見えないほど」、線状降水帯が形成か

球磨川で、河川流量を調整することができる即ち洪水対策に利用可能なダムは熊本県が管理する市房ダム(熊本県の紹介ページはここ )である。このダムのバッファーとしてダムに洪水を緩和を目的として貯水できる容量は毎年8月1日から9月30日迄は18,300千m3、6月11日から7月21日迄は8,500千m3 である。従い、7月4日においては洪水緩和を目的として8,500千 m3 以上を吸収できるよう水位を下げておく必要があり、これに対応する水位は277.5mである。記録では7月3日午前0時の水位は273.47m、4日午前2時には271.77mまで下げ、更なる増水への対応に尽力した。しかし、4日午前2時の時点で放流量は235.68m3 /秒となり、午前7時には584.96m3 /秒となった。ダムの最高水位は4日午前11時に280.6mを記録した。通常の満水位279mより高い。但し、最大水位283mよりは低かった。結果、洪水緩和として機能したのは、最大流入量1150m3 /秒を580m3 /秒 に押さえた結果、差570m3 /秒をダムに貯水し、下流の流量を下げた。しかし、市房ダムの洪水緩和能力は小さい。8,500千m3 だと、500m3 /秒を貯水して、流量を下げても、5時間もするとあふれて能力ゼロとなってしまう。

球磨川については、1966年に建設省が球磨川水系工事実施基本計画を策定した。しかし、同年にこの計画にある川辺川 ダム建設地の五木村議会がダム建設反対決議をした。1983年になると建設省と五木村水没者地権者協議会がダム建設について合意した。ところが、ダムからの農業用水を受ける利水事業対象農家が同意手続きについて異議申し立てを行い、1996年から川辺川利水訴訟となった。この訴訟は2003年5月福岡高裁で国の敗訴となり、上告断念により確定した。2006年11月には、川辺川ダム建設促進協議会臨時総会(相良村を除く11市町村が出席)が利水をダム目的から切り離した上でダム建設推進を要望することなどを決議。一方、2008年3月熊本県知事に当選した蒲島郁夫氏は「現行の川辺川ダム計画を白紙撤回し、ダムによらない治水対策を追求する。」との態度を表明した。その後、「球磨川治水対策協議会・ダムによらない治水を検討する場」としての数多くの協議会や市町村会議が開催されたが、結論は出ていない。参考Web Siteはここ にある。

これから、どうなるのであろうか?参考Web Siteを見ると、コスト度外視の実現性を考えない思いつきの案ばかりと私には思えてしまう。そんなことをするなら、川辺川ダムを建設する方が、よほど合理的と思えるのだが。熊本県の人たちが自分のお金で建設するなら、何も反対しない。国民の税金を支出するなら、川辺川の建設費と参考Web Siteにある建設費ならびに投資効果を比較して国民に問いかけるべきである。なお、川辺川ダムの2008年当時の計画では、ダム堤高107.5mで有効貯水量106,000千m3です。この容量を全て洪水調節に使うと洪水緩和能力は市房ダムの約6倍になる。ダム堤高を少し下げて、建設費を低くすることも可能である。川辺川ダムの建設予定地では住民移転の移転先の土地造成は終了し、家屋移転も終了している。付替道路も建設が終わり、供用済み。

何とも不思議な話である。人吉市は、この説明 にあるように洪水被害が非常に多い。今年も、大きな洪水被害となったのであるが、 川辺川ダムを拒否続けて、それで良いのだろうか?勿論、人吉市の市民の選択である。しかし、現状は 「球磨川治水対策協議会・ダムによらない治水を検討する場」に市町村だけでも12市町村が参加している。これじゃ、「船頭多くして」で何も決まらない。人吉市の洪水は永遠に継続することになるように気がするのである。誰も、反省をしないかな?政治家のInterestと住民のInterestは別のもの。他地域から参加する市民活動家と称する人たちも、地元の人の利害とは相反する部分を持っている。地元のことは、地元の人たちが考えないと駄目である。

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