« 2020年8月 | トップページ | 2020年11月 »

2020年10月25日 (日)

核兵器禁止条約の2021年1月発効が決定

地球上で核兵器が使用されて、4分の3世紀が経過した今年である。核兵器禁止条約が、50番目となるホンジュラスが批准し、第15条により90日後に発効となる。核兵器禁止条約発効の記念として、本ブログを残すこととする。

日経 10月25日 核兵器禁止条約、21年1月発効へ 50カ国・地域が批准

核兵器禁止条約の文章(英文)は、ここ にあり、外務省の参考訳文はここ にある。また、調印した国および批准した国は、この国連のPage にある。この国連Pageでは、調印国数は84であり、批准国数は49と未だホンジュラスは記載されていない。

日本は、調印をしていない。外務省は、ここ に「核兵器禁止条約と日本政府の考え」として説明しており、その中で核兵器禁止条約は安全保障の観点が踏まえられていないと述べている。

核兵器禁止条約が、前文の冒頭(外務省の参考訳文による)で、次の様に、理想をうたっている。共鳴する文章であり、核兵器廃絶に向けて尽力すべきと考える。

あらゆる核兵器の使用から生ずる壊滅的で非人道的な結末を深く憂慮し、したがって、いかなる場合にも核兵器が再び使用されないことを保証する唯一の方法として,核兵器を完全に廃絶することが必要であることを認識し、

英文では、次である。

Deeply concerned about the catastrophic humanitarian consequences that would result from any use of nuclear weapons, and recognizing the consequent need to completely eliminate such weapons, which remains the only way to guarantee that nuclear weapons are never used again under any circumstances,

 

| | コメント (0)

2020年10月 3日 (土)

福島原発事故避難者訴訟 国の責任

福島原発事故避難者訴訟で、国と東電に対し、原告3550人に計約10億1千万円を賠償するよう命じた仙台高裁判決が9月30日にあった。

日経 9月30日 二審も国と東電に賠償命令、原発事故訴訟で仙台高裁

原子力損害賠償法に「原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。」と書いてあるから、福島原発事故の責任は全て東電というのは、釈然としない。当時の政権にいた人たちが、これを盾に自分たちの無責任を主張し、無能力を証明していたと思う。

さて、国の責任といった場合は、誰であるか?私は、最終的には国民であると思っている。最後は税金であり、国民の負担である。原発事故の賠償責任と言った場合、2つの事がある。1つは、事故の直接的なことである。即ち、大事故が起こったにも拘わらず、自衛隊の派遣すら行わず、専門家による事故回復に向けての活動すら実施しなかった政府中枢にいた人たちの無能さがある。近年の水害により高層マンションで停電となり自家発も止まって困難に陥った人がおられる。原発の場合は、悲惨である。非常用電源を完全に喪失したなら、危険と隣り合わせである。無能な政府中枢の人たちは、それを放置した。しかし、そのような政権は選挙で成立したのである。選挙の仕組みや無責任な首相を生み出した責任は国民にあるとも言える。現状では、バカが首相になることもあり得るとして、色々のことを考えざるを得ないのだろうと思う。

もう一つは、原発政策である。日本は原発を電力供給源として選択した。その方法は、株式上場電力会社による原発の建設と運転である。更には、プルトニウムの再利用政策も推進した。ウランやプルトニウムの核分裂を原爆に利用せずに熱をうまく取り出す技術は、誰が責任を持てるのだろうかと思う。単純に核分裂を起こせば、原爆となる。コントロールすれば、熱利用が可能ということだが、コントロールに失敗すれば事故が起こる。極めて当然である。核分裂の利用についての研究まで中止せよとは言わない。しかし、核分裂の熱利用に関しては、常に監視を行い、必要な措置を採り続けなければならない。熱により蒸気を発生させ、タービンを回転し、それにより発電機を駆動し、その電気を利用するなら、監視と必要な措置は絶え間なく必要である。監視と必要な措置は誰が行うのかと言えば、電力会社のみにあらずと言うか、電力会社のみに任せては危険である。危険であるが故に、政府に限らず、民間も含め、監視をし、建設・運転・廃棄物処理・核燃料管理・核兵器転用リスク管理・テロ対策等広範囲にわたってルールを整備し、安全を確保しなければならない。

原発とは実に恐ろしい代物だと思う。「電力供給は原発に依存しない。」と言っても原発は存在するのであり、原発関連のリスクは100年以上永続するのである。

| | コメント (9)

« 2020年8月 | トップページ | 2020年11月 »