東京外かく環状道路工事の地表陥没
このブログ やこのブログ の続きです。 東日本高速道路が東京外かく環状道路の地下トンネルルート上にある東京都調布市の市道が陥没したことについて、その因果関係も認めて陳謝し、個別に補償する方針を表明したとのニュースがあった。
東京新聞 12月18日 調布陥没「トンネル工事が原因」 有識者委が中間報告 NEXCO東日本が補償表明
12月17日には、日経に次の記事があった。
日経記事は、有料記事ですが、衛星解析技術を持つイタリアのTREアルタミラと日本のスペースシフト(東京・港)から、電波を使って地表変化を1ミリ単位で捉える「干渉SAR」データを入手。陥没地点を中心に東西530メートル、南北870メートルの範囲で、4月8日から10月12日までの変化を調べた分析結果から、工事の進捗に沿って陥没地点周辺で急激に変化している様子が読み取れたとある。
「原発は安全」という根拠のない噂が流布していたことがある。原発は原爆の爆弾を製造する設備と言えば、嫌がる人はいるが、現在の原発はプルトニウムを生み出し、プルトニウムは原爆の元(原材料)である。同様に「大深度地下は安全」、「大深度地下は地表に影響を与えない」という根拠のない話が崩れたと考える。地表に影響を与えない大深度というのは存在すると考える。しかし、それを一律に地下40mから深いところ又は支持地盤上面から10m以上深いところなんて単純な決め方は崩れた。陥没が生じた現場のトンネル上面は地表から約42mで支持地盤上面からの深さは18mで、基準からすれば影響の出ない大深度でのトンネル工事であった。
この12月18日の日経記事「東京・調布の陥没、工事との因果関係認める 東日本高速」 は、リニア中央新幹線など他の大深度地下工事に影響する可能性もあると述べている。その通り。トンネル工事で、その近くに影響が出るのはよくある話。
東海道線の丹那トンネルは1918年に工事を開始し、16年を費やして1934年に開通したが、この工事を難工事とした最大の問題は涌水であった。(参考:三島市郷土資料館第303号 )トンネルで涌水があったことは、同時に周辺には渇水をもたらした。土木工事は大変である。それを甘く見れば、人間に災難が降りかかる。
さて、中央リニア新幹線への影響は、どうだろうか?大深度地下の直上だけでなく、大深度地下トンネルのある程度の範囲の人達から承諾を得ないと工事は出来ないように思う。もし、1カ所でも難行すれば、中央リニア新幹線はできない。相当な遅れが生じる可能性はある。JR東海は大丈夫だろうかと株価を見ると12月18日終値14,135円であった。大不良資産となるかどうか?
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