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2021年1月12日 (火)

20倍の高値取引

1年前と比べて20倍に高騰したと聞くと、そんな商品があるのかとなる。しかし、本当にある。電力です。この1月10日の日経記事 のように電力需給の逼迫していることが報道されている。電力は、不足すると、不安定現象が生じて事故が起こる。これを避けるには、どこかを供給停止して需給バランスを保ち安定を確保する。どこかの供給停止とは、その供給先が停電となることである。普通の商品よりややこしい物である。

供給が不足する事態となっているわけであり、当然価格は上がる。日本卸電力取引所なる取引所で卸電力の売買が実施されており、日本卸電力取引所の 2021年1月12日の価格は次表の通りであり、1年前の1月12日の価格の20倍である。

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13時や13時30分からの時間帯では1年前の30倍の価格である。もし、遊休自家発電設備があれば、運転し高値で電力を販売できるチャンスである。なければ、工場を臨時休業とし使用するはずであった電力に相当する分を電力会社にお返しする、即ち逆販売してがっぽり稼ぐチャンスである。電力自由化前は、このようなことは出来なかったが、今は自由である。ユーザーで日本卸電力取引所で取引できる企業は少ないが、電力会社は自由化電力会社を含めすべて取引可能である。ユーザーは、自分が契約している電力会社を通じてとなるが、交渉は可能である。

電力自由化により小売り電力事業に参加した企業は多い。そのような電力小売り企業で自社発電所をほとんど保有しておらず、日本卸電力取引所から調達した電力を販売している企業も多い。販売先開拓の際は、大手電力会社より安い価格ですとして販売先を開拓してきている。契約中でも、高ければ旧一般電力会社に戻る。さあ、現在どうしているのだろうか?20倍になった仕入れ価格で、どう事業を展開しているのだろうか?一過性のものと思う。電力供給事業なんて気楽な事業と思って、今まで楽して金儲けしていた連中はどうするのだろうか?なお、新電力から電気を購入する契約をしていても安定的な電力供給義務は送配電事業者(旧電力会社)にあり、ユーザーは心配することはない。しかし、新電力が供給すべきであった電力量は送配電事業者が把握することができる。自社供給できなかった電力については20倍になった価格を電力会社は支払わねばならない。

実際の受給状況と言っても、電力は貯蔵されないので、供給力と需要状況になるが、参考として中国電力のWeb上のでんき予報の2021年1月11日のグラフを参考に掲げる。

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