G7 広島サミット首脳コミュニケ
2023年5月20日、広島でのG7サミットで、首脳7カ国のリーダーは共同宣言(G7 Hiroshima Leaders’ Communiqué )を発表した。
その文書は、次のWebページにある。また、日本語参考訳は外務省のWebページにもあり、外務省参考訳へのリンクも掲げる。
G7 Hiroshima Leaders’ Communiqué May 20, 2023 外務省参考訳
G7広島サミットのために、日本政府が作成したWebページがあり、文書・資料というページ(日本語 、英語 )があり、そこにコミュニケと共に、5つの個別声明をダウンロードすることができる。日本語は、全て仮訳となっている。
コミュニケは、原文で全40ページ。外務省参考訳も同じく全40ページあり、多岐にわたっている内容である。ちなみに、コミュニケについての報道へのリンクとしてNHK と日経 をあげておく。
報道されている内容等で、私として気になる部分を書いてみた。(Communiquéとは、フランス語から来ていて、直訳ではOfficial Communicationと理解する。報道各社により、首脳宣言、首脳声明と使われていることが多く、外務省の仮約ではコミュニケとなっている。)
1) 法の支配
「法の支配」と言う言葉が、政治家、政府関係者、マスコミにより使われていることは多く、しばしば耳にする。私は、不明解な言葉であると思っている。法とは、国が定め、その国内で有効なものである。日本では国会が立法機関で法をつくるが、その法は日本国内で施行される。他の国を縛ることはできない。法の支配は外国には及ばないのだが、日経のG7首脳宣言の骨子と言う部分には冒頭に法の支配に基づく国際秩序を維持・強化とある。
「法の支配」という言葉が使われているのは、コミュニケ2ページ目の2の一番最初の文章で、日本語と英語は次の様になっている。
日本語 大小を問わず全ての国の利益のため、国連憲章を尊重しつつ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持し、強化する。 |
英語 upholding and reinforcing the free and open international order based on the rule of law, respecting the UN Charter to the benefit of countries, large and small |
私は、英語を読んで納得した。国連憲章の尊重を述べており、私も賛成である。国連憲章は、強制力を持つ法とまでは言えないと考える。しかし、国連憲章を尊重しつつ、全ての国々が利益を享受できるように国際社会を運用していく。
2) 核軍縮
コミュニケの5が核軍縮についてであり、G7広島では広島ビジョンも発表された。批判もあるが、現状これ以上のことを求めることの困難さは存在すると認識する。
NPT(核不拡散条約)をベースとしての展開であり、核廃絶を求める人にとっては、不十分であることは承知の上で、G7首脳にとってはこのあたりが妥当であろう。NPTは、米・露・英・仏・中の5カ国を核保有国として認める不平等条約である。しかし、5カ国以外でもインド、パキスタン、イスラエルが核兵器を保有しており、北朝鮮も持っている。 更に、NATO加盟国のうち、ベルギー、ドイツ、イタリア、オランダとトルコの5カ国6基地に米国の核爆弾が配備されている。ヨーロッパでは英と仏の2カ国が加わる訳で、これらがロシアの核爆弾と対峙している。
どんな兵器でも、実に愚かな物である。核兵器の不使用・廃棄をどう実現していくのか、北朝鮮の核兵器廃棄の道筋は、どうするか。Hiroshima & Nagasakiが世界の核軍縮へとつながるともしびになってくれたらと思う。
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