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2025年11月27日 (木)

企業の国内設備投資に8%減税と言うが、人気集めで、中身なしではないのか

高市首相の政策は、人気を集めて、支持拡大を目論んでいるだけで、本質の解決や将来展望が薄いと私は感じているが、次の企業の国内設備投資に8%減税と言うのも、思いつきだけの政策と思う。

読売 11/25 企業の国内設備投資に8%減税、トランプ関税影響企業には優遇15%…政府が税制改正で検討

設備投資額の8%を法人税額の税額控除にするとの案。 100億円の投資をすれば、法人税が8億円減額になるという訳だが、このケースでは、法人税を8億円納付するに相当する税引き前利益を計上していることが前提となる。 税率が23.2%なら年間35億円以上の税引き前利益を計上している法人でないと恩恵にあずかれない。

読売の記事には「税額控除の対象となるのは、投資に対する利益率が15%超の設備投資計画」とあるが、100億円の投資で15億円が利益になるなんて、そんな投資があるならば、税優遇がなくても皆投資するはず。 17の戦略分野とは、この「成長戦略の検討課題」の2ページ目に「1.「危機管理投資」、「成長投資」の戦略分野」に記載ある17項目と理解する。 しかし、中身は何だろうと思う。 造船なんて、成長があるとは思えないし、フュージョンエネルギーなんて、水爆でもつくろうとするのかと思います。 水爆開発をするなら広範囲の国民的合意は欠かせないし、軽々しく首相が言うことではない。 水爆問題は、IAEAが最適かどうかは別にして、多国が集まった国際的な協力で実施すべきである。

読売の記事は「企業の国内投資を後押しするため」とあり、そのような政策なのだと思う。 しかし、国内だけで完結する投資はないと思う。 例えば、米国や中国の半導体や技術を取り入れない投資は失敗に終わる気がする。 産業はグローバル化している。 世界をどう結ぶかが、成功・不成功を分ける時代になっていると考える。 そのような中で、国粋主義で産業・経済をすすめてはならない。

いずれにせよ、国家社会主義には、私は反対します。 日本以外も含めた競争原理に基づいた自由な社会こそが人類発展への寄与であり、国家はそのような自由な活動・競争による発展に寄与する基盤を提供することを使命とすべきです。

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2025年11月16日 (日)

高市発言と中国の反発

高市発言をめぐって中国の反発は大きいと思うが、日本の問題としての視点から考えてみる。

1) 高市発言とは

11月7日の衆議院予算委員会で立憲民主党岡田克也委員の質問に対する高市総理の答弁であり、衆議院ビデオライブラリーでは5:30から5:55頃までの質疑応答にある。 内容としては、「台湾有事の際、民間船舶を動員した海上封鎖であれば存立危機事態には当たらない。」しかし「戦艦を使って、武力の行使を伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースだ。」と言ったような高市首相の答弁である。

2) 存立危機事態とは

存立危機事態とは、「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」という法律の言葉であり、2条4項で「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいう。」と定義されている。

存立危機事態となった場合、自衛隊出動の可能性がある。

3) 日本における高市発言への反応は?

中国側の反応は報道されても国内の反応はあまり報道されていないと思えるのだが。 

そこで、どうどうと高市発言に対する批判を述べた記事(社説)を紹介する。

沖縄タイムス 社説 首相 台湾有事前のめり 参戦を軽々しく語るな

琉球新報 社説 「存立危機事態」発言 衝突回避の外交に徹せよ

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2025年11月13日 (木)

原子力潜水艦

韓国の原子力潜水艦に関して、次の日経ビジネスの記事があり増した。

日経ビジネス 11.12 元自衛艦隊司令官に聞く「韓国に原子力潜水艦は必要か」

私は、この記事を読んで、極めてまじめで冷静な意見と思いました。 日本も原子力潜水艦を保有すべきか、電気自動車EVの時代なのだから、現在の電池式の潜水艦で十分じゃないかと考えます。

参考として、日米の潜水艦の一覧表を作成してみました。

Submarine202511a_20251112191101

1) 原子力を潜水艦の動力源とすることの困難さ

上の表の米国原潜で一番大きなオハイオ級で幅は12.8mである。極めて狭い中に、原子炉を搭載し、ミサイルを含め武器も積み込み、高度な電子機器を搭載している。 日本の原子力発電所は、出力一定運転であるが、潜水艦は港に寄港すれば、運転を落とすし、また潜行・浮上を含め自信が移動し、動く兵器である。

太平洋、大西洋、その他世界の海を支配する意欲がなければ、原子力潜水艦など不要と思う。

2) 原子力潜水艦は金食い虫

建造にも維持にも廃棄にもメチャクチャな金額を要する。 そんなところに金を捨てるのは、税金の無駄遣い。 防衛費GDP比2%とか3.5%なんて数字が言われている。 何故必要か、何に必要か、増税を国民は納得・支持するのかという根本問題を置き去りにしての議論は避けるべきである。 平和の維持には、防衛力強化より重要なことがあると認識すべきであり、今の日本は、そのような状態と私は認識している。

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2025年11月 8日 (土)

リニア中央新幹線の今後の見通し

リニア中央新幹線の品川ー名古屋間の工事費総額が11兆円になるとJR東海が発表したとのニュースがあった。

リニア中央新幹線、総工事費11兆円に 難工事・物価高で4兆円増

JR東日本10月29日の発表はここにあります。

建設費が高騰している現状、驚くべきことではないが、将来がどうなるかの不安は覚える。 思うところを、書いてみます。

1) JR東海について

JR鉄道会社は貨物鉄道会社1社と旅客鉄道会社6社がある。 旅客鉄道会社6社の各社2023年3月期運輸収入は大きい順から JR東日本1兆4317億円、JR東海1兆0699億円、JR西日本6954億円、JR九州1214億円、JR北海道585億円、JR四国177億円であった。その総合計は3兆3940億円であり、総合計に対するパーセントで割合を示すと、JR東日本42.2%、JR東海31.5%、JR西日本20.5%、JR九州3.6%、JR北海道1.7%、JR四国0.5%であった。

JR東海の2025年3月期の決算短信補足資料によれば、営業収益1兆8318億円のうち1兆4325億円が運輸収入であり、このうち1兆3312億円が新幹線であり、在来線は1012億円であった。 すなわち、運輸収入の93%は東海道新幹線による収入であった。

2025年3月31日の貸借対照表を図示したのが次図である。

Jrtoukai202511a

中央新幹線借入金が3兆円負債に計上されており、これが鉄道運輸機構JRTTから中央新幹線建設資金としてJR東海が借り入れた資金である。 建設仮勘定が2兆2118億円計上されており、この大部分は中央新幹線の建設工事への支出累計と考えられる。 3兆円の借入額から工事のために支出されていない金額はJRTT借入金信託として管理保全がなされていると了解する。

2) 中央新幹線の工事

中央新幹線(品川・名古屋間)は、2014年10月17日に工事実施計画が認可された。 国土交通省の当時の発表はここにあります。 2014年発表当時の車両費を含む総工事費は、5兆5235億円であった。 2025年10月に、これが11兆円になっているわけで、ずさんと言えるかどうか、その評価は別にして、総工事費予算の推移は、表1の通りです。

Jrtoukai202511b

当初予算から5兆5千億円増加して11兆円になっており、工事予算は11年で倍増です。

3) 中央新幹線の運賃予想

JR東日本10月29日の発表はここの3ページ目に「2035年開業(仮置き)とした場合」に「名古屋開業翌年度の開業による増収額は約700億円と見積もっています。」と記載されている。 2025年3月期のJR東日本の運輸収入1兆4325億円であったので、700億円は4.9%に相当する。 11兆円の工事費で収入増は4.9%の700億円では、採算が取れず、これで良いのだろうかと思ってしまうが、本当はどうなのだろうか?

JR東海の売上高、純利益、純資産額をJR東日本と比較してみたのが次の表2です。

Jrtoukai202511c_20251107235501

JR東海はJR東日本と比較して、営業収益(旅客運賃収入)は少ないが、経営指数において優良です。 それは、東海道新幹線という金の卵を有しているからです。

一方、冒頭の1)において「営業収益1兆8318億円のうち1兆4325億円が運輸収入で、このうち1兆3312億円が新幹線」と述べた。 中央新幹線と東海道新幹線は競合関係にあり、中央新幹線を利用する人は東海道新幹線を利用しない。 中央新幹線の増収は東海道新幹線の減収となるはずである。 増収と減収の結果として、700億円の増収と見込んだと考えると5.25%増収に相当し、妥当な予測のような気がする。

そして、コスト増について、現在の連結経常利益6500億円が650億円に減少するとの予測を、中央新幹線のコスト増の結果とすれば、このコスト増は5850億円に相当する。 11兆円が、投資総額とすれば、5850億円は5.3%である。 中央新幹線が開業すれば、東海道新幹線の運転本数はある程度減少し、東海道新幹線の運行経費も減少し、中央と東海の2つの新幹線の合計では、運行経費増加額6000億円は妥当かも知れないと思う。

4) 雑感

分析をすれば、決定的な結論や、方向性が得られるのではと思ったが、そこまでの結論は得られなかった。 中央新幹線の年間経費6000億円は、JR東海の2025年3月期の鉄道事業営業費8449億円の約70%であり、問題視するまでの必要はないように思えた。 超伝導磁気浮上鉄道に関しても、山梨実験線において開発や検証がなされてきており、営業線に必要な技術開発は完了したと評価されていると認識するし、費用についてもある程度の見通しの範囲内であると想像する。

赤字体質の国鉄を救済するのが、国鉄民営化政策であり、7社への分割となった。 国鉄民営化において超伝導磁気浮上鉄道の実現は、稼ぎ頭の東海道新幹線の事業を遂行するJR東海が継承することとなった。 財政余力あるJR東海が中央新幹線という巨大インフラ事業を完成する任務を負っており、成功させて欲しいと思う。 成功の鍵は、適切な情報開示であると考えるのである。

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2025年11月 2日 (日)

16歳の少女を死亡させて懲役3年6月で妥当なのかなと思った

2025年9月22日の福岡地裁判決です。

事件・事故は2023年11月2日に発生した。 時間は午前1時50分頃。 場所は、福岡県篠栗町の米の山展望台からの曲率半径12mや18mのヘアピンカーブが連続する4%-7%の急な下り坂で、車(軽乗用車)は45km/hで横転。 窓から上半身を出して乗る「箱乗り」をしていた16歳の少女が同日朝7時26分に死亡。 別の16歳の少女は軽傷を負った。 運転していたのは、当時22歳の風俗店従業員の男である。

危険運転致死傷罪は、当然と思うが、福岡地裁判決懲役3年6月は、重大な事故にしては、短すぎるように思うのは、私だけなのだろうか? 16歳という前途あると思われる少女を死亡させており、危険運転致死傷罪は殺人に近い罪とはならないのかなと思う。

判決文10ページ目に「本件の運転は、被告人が被害者や他の同乗者から箱乗りをしたいという希望に応えて行われたものであることも踏まえると、被告人が全責任を負うべきとするのはいささか酷である。」との文章があるが、被告は当時22歳の男であり、箱乗りを認めることについて、まず罪があると思うのである。 社会的責任を果たさないことについて、こんな判決文は許せないと感じる。

なお、判決文と本事件に関して判決詳報としてのRKB毎日放送の記事のLinkを掲げておきます。

福岡地裁判決文

RKB毎日放送【判決詳報】

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