GDPを考える
内閣府は8月17日に4〜6月期の国内総生産(GDP)速報値を発表した。 日経記事は次の通り。
経済財政担当大臣談話はここにあり、「全体としてプラス成長となった。景気は基調として緩やかな回復が続いていると考えている。」というような基調であり、順調に推移というトーンを感じる。 しかし、本当にそうであるのか考えてみたい。
1) 2000年以降のGDP推移
今回発表があった2026年第2四半期までの実質季節調整系列のGDPの2000年第1四半期からの25年間の推移のチャートを作成してみました。 図1です。
2009年頃と2020年頃に大きな落ち込みがあり、2009年の前四半期比マイナス16%はリーマンショックによるものです。 2020年のマイナス25%とそれに続いての反発的なプラス21%は新型コロナウィルスの影響からの落ち込みとその反動です。 2000年と現在との25年余りの期間における実質GDPの成長率は年率に換算すると0.69%であります。
2) GDP支出項目別の伸び率
2026年第2四半期実質季節調整系列のGDP(支出:Expenditures Approach)の項目別円チャートが次の図2です。
GDP(Expenditure Approach:支出からの算出)による計算で一番大きな要素となる項目は民間最終消費支出であり51%、次が政府最終消費支出の21%で、3番目が民間企業設備の18%で、この3項目の合計で90.8%になる。 2000年度からの長期間を対象としたのが図3です。
金額が大きい3項目について2000年度の支出額を1として2025年度までの推移を表示したのが図4です。
実質GDP支出アプローチにおいて、2025年度の支出額は、2000年度との比較で、 政府最終消費支出が1.44倍、民間企業設備が1.27倍、民間最終消費支出が1.13倍です。 年率平均にすると1.5%、0.9%、0.5%になります。
3) 政府最終消費支出とは
政府最終消費支出とは、政府及び地方政府そして社会保障・保険機関等が提供するサービスに対する支出であり、 政府予算からの支出項目、地方政府予算からの支出項目、そして医療費のように医療保険制度による医療給付等がある。 2024年度の内訳項目は、図5および図5-1を参照ください。
2024年度の場合、金額で31%強を占めるのが社会保証基金の保健である。 次いで大きな金額は地方政府の教育費用で3番目は社会保証基金の社会保護費用であり、ともに10%強を占め、3項目で50%以上を占めている。
政府最終消費支出(実質ベース)は、図4で示したように2000年から2025年にかけて1.44倍になった。 全GDP支出項目の中での割合でも2000年において16.9%であったのが、2025年には20.6%となった。
政府の最終消費支出で金額が大きい項目として、防衛、地方政府では一般公共サービス、経済業務、教育、社会保護、保険料も財源となっている社会保証基金では保健と社会保護である。 これらを2005年度を1として増加率をチャートにしたのが図6である。
図4で、政府最終消費支出が民間最終消費支出や民間企業設備より増加割合が高いことを示した。 図4では政府最終消費支出が2024年度1.43である。 図6においては、2024年度1.89など非常に伸びが大きい項目もある。
GDPを支えているのは、個人消費ではなく、税金や保険料と考えるべき点もあるのではと思う。
4) 今回発表されたGDPについての評価
冒頭において、今回の四半期GDP発表に関しての経済財政担当大臣談話として緩やかな回復が続いているとの発表へのLinkも記載した。 しかし、この4-6月期を直前の1-3月期と比較すると民間最終消費支出では年率換算マイナス0.1%である。 民間最終消費支出が前期比マイナスの状態において、緩やかな回復と表現することは適切なのかと疑問を抱く。 今回の四半期GDPが前四半期1.1%のプラスになっているのは、政府最終消費支出が年率換算6.7%のプラスとなり、GDP全体を1.1%プラスに押し上げたのである。
2023年、4年、5年と2026年第1・第2四半期のGDP実質季節調整系列の民間最終消費支出と政府最終消費支出の前期からの伸び率(年率換算)を図7としてチャートにしてみた。 政府最終消費支出の伸び率が民間最終消費支出の伸び率より大きいのである。 それらは、年率0.3%と1.2%である。 チャートを描いて感じられたが、基本的な部分から再構築を計らねばならないように思う。 老朽化対策が不可欠かな?










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