2025年4月17日 (木)

103万円の壁の現状

昨年11月19日に103万円の壁を考えるとのタイトルでブログを書いた。 令和7年の所得税法等の一部改正が国会で成立し、3月31日に公布された。 103万円の壁をなくした影響を計算をしてみると、その結果は、次表(クリックで拡大)の通りであった。

Incometax20254a_20250417232601

表からすると700万円-800万円の給与収入の人には約3万円の減税メリット(手取額増加)があり、900万円以上だと2万円強である。 しかし、表の範囲外であるが1100万円を超えると3.3万円の減税となる人も出てくる。 なお、本計算において、年金や医療保険料の社会保険料控除は考慮したが、それ以外の所得控除である生命保険料控除、医療費控除、寄付金控除や配偶者控除等は考慮していない。 図として示したのが次である。Incometax20254b

103万円の壁(基礎控除プラス給与所得控除)は、160万円に引き上げられた。 但し、その結果の税額メリットとしては、一人あたり2万円程度である。 表右端の「前年比増加額」が減税額である。 対象者の人数を厚生年金保険の被保険者数である4600万人として、2万円を掛けると総額9200億円である。 基礎控除の10万円増額は、自営業者や年金受給者にも適用されるので、国民全体での減税総額はもうすこし大きくなる。

なお、この1人あたり2万円の減税は、毎月の月給やボーナスでは適用されず、年末調整でドーンと返ってくる仕組みである。 

果たして、どう評価すべきであるか、本質的ではない、小細工の所得税法改正のように思える。 税を投入してでも、本当にすべきことは、未来への投資と思うが、肌寒い現状と思う。

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2025年3月14日 (金)

柳原病院の医師わいせつ行為事件での無罪判決

柳原病院での腫瘍摘出手術で女性患者にわいせつな行為をしたとして準強制わいせつ罪に問われた関根医師の差し戻し控訴審において、東京高裁は無罪とした一審・東京地裁判決を支持し、検察の控訴を棄却した。 (弁護士ドットコムニュース

無罪判決支持は、当然の結果と考えますが、検察は何故このような行為をするのかと、憤りを覚える。 しかし、それを言ったら2020年4月に有罪とする判決を出した裁判官もいる。 この右乳腺腫瘍切除手術が行われたのは、2016年5月10日であった。 間もなく9年になります。

参考まで、以下のリンクを掲げます。

私が、この事件に関して最初に書いたブログ 2016年8月27日 のブログ記事

医師は3月以上勾留された 2016年12月1日のブログ記事

東京高裁判決があったときに書いたブログ 2020年7月16日のブログ記事

最高裁差し戻し判決があったときに書いたブログ 2022年2月20日のブログ記事

今回の東京高裁判決後に医師の会見を伝える産経記事(医師の実名が記載されている)

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2024年8月12日 (月)

私も賛成です「ふるさと納税」の制度改定

日経が8月2日に次の社説を出していた。

ふるさと納税の膨張を改めるときだ

寄附をして返礼品がもらえるなんて、論理的におかしいのである。 所得税法78条が寄付金控除に関する定めであり、地方公共団体に対する寄付金は特定寄付金とされている。 しかし、「その寄附をした者がその寄附によつて特別の利益がその寄附をした者に及ぶと認められるものを除く。」とされており、返礼品が約束されている寄附は、そもそも寄附ではないと考える。

総務省が8月2日に発表した「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和6年度実施)」がここにある。 令和5年度のふるさと納税は5895万件で1兆1175億円であったと記載されている。 平均では1件あたり1万9千円となる。 

ふるさと納税において、限度額はあるが、所得税と住民税の双方合計で2千円を超える額は戻ってくる。 その上、返礼品までもらえるなんて、道徳性ゼロ・倫理観ゼロの制度である。

寄附(ふるさと納税)を行った人が居住する市町村・都道府県は、住民税を低くすることから税収は減少する。 一方、寄附を受けた市町村・都道府県は寄付金収入を得るとともに返礼品関係の費用が発生する。

更に、地方交付金制度が関係するのであるが、地方自治体のほとんどは国から普通地方交付金を受領している。 各地方自治体の地方交付金の額を算定するにあたり、寄付金の受領は計算には関係しない。 一方、税収減は75%が普通地方交付金で補填されるのである。 市町村毎のふるさと納税に係わる収支が日経電子版の実質収支全国マップ ふるさと納税のリアルというマップ(地図を見るというボタンクリックが必要かも知れません)に掲載されていた。 

総務省8月2日発表の「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和6年度実施)」を使って、以下に、順位表等を作ってみました。

1) ふるさと納税受入額

令和5年度のふるさと納税の受入額を表にしたのが、次の表1であり、大きい順から30位までを記載し、最下欄は合計です。 寄附を受けた金額が受入額であり、1位は193.8億円の宮崎県都城市でした。 100億円以上受領したのが10市町あり、30位の佐賀県唐津市は54億円でした。 

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返礼品の金額(調達額)は寄附受入額の30%以内とされているが、返礼品に係わる経費が平均で受入額の21.5%(返礼品金額に対しては79.3%)なので、結構高い経費率と思います。 表2は、全自治体のふるさと納税に関する返礼品に係わる費用の合計金額です。 返礼品に関する経費は相当な金額になっており、返礼割合は30%以下として運用されてはいるが、経費とあわせると50%近く、受入自治体に残る寄付金は平均51.4%以下というのは釈然としない。

なお、30%を越えるとこの兵庫県洲本市の発表のように、ふるさと納税対象団体の指定が取り消され、令和5年度洲本市ゼロです。

送付・決済・広報・事務費用・その他経費が全平均で受入額の21.5%であるが、その内訳は表2の通りです。

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2) ふるさと納税に関する地方税の仕組み

ふるさと納税に関する地方税は複雑怪奇です。 ふるさと納税をすると寄付金控除による所得税の減額に加え、住民税が安くなり、実質2千円の負担でふるさと納税を行うことができると言われています。 ふるさと納税をするには、住民税の所得割課税の対象となっていることが前提ですが、所得割の住民税額の20%を上限として、所得税の税負担軽減に加えて、道府県民税と市町村民税により40:60の比率で税減額を行い、ふるさと納税を行っても実質負担は2千円となるようにする。 すなわち、住民税所得割額の20%までのふるさと納税は2千円の負担というマジックです。 よくもこんな地方税制度を考えたと思います。

道府県民税と市町村民税が40:60の比率で税減額を実施するのは、住所地の都道府県と市町村であり、寄付者の実質税負担を2千円とするのでそれなりの税減収となる。 そこで、国が補填する制度が働くのです。 地方交付税法で普通交付金が定められており、規準財政収入額が基準財政需要額に満たない場合は、国が地方自治体に普通交付税を交付するのです。 ふるさと納税の受入額は、基準財政収入額にカウントされません。 一方、ふるさと納税をした納税者の住所地の地方自治体では実質2千円負担とするために税収が減少する。しかし、税収減は、その75%相当額額が規準財政収入額の減少として扱われ、結果、税収減の75%は普通交付金で補填されるのです。

なお、規準財政収入額が基準財政需要額より大きい自治体には、普通地方交付金は交付されず、このような不交付団体は令和6年度86団体あります。 都道府県では東京都のみ。 市町村85団体のうち、東京都には12。 愛知県には19あります。 不交付団体には、普通交付税の趣旨からして、普通交付税は交付されず、その自治体では住民がふるさと納税をすると税収減となります。

3) 地方自治体の損得勘定

本来から言えば、損得勘定などないのですが、ふるさと納税を受入れた自治体はその額の財政収入が増加するが、返礼品に伴う支出が発生する。 ふるさと納税を行った人が住んでいる市町村と都道府県は住民税を減額する分の税減収が発生する。 但し、地方交付税不交付団体でなければ減収分の75%相当は普通地方交付税の受取額が増加する。 各市町村毎に計算し、地図で表示したのが日経電子版の実質収支全国マップ ふるさと納税のリアルというマップである。 実質収支で大きい順から30自治体とマイナスが大きい30自治体を表にしたのが次の表3である。 日経電子版のマップでは、都道府県は表示されないが、表3では都道府県も含めた。

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実質収入が上位となる自治体は、表1のふるさと納税受入額の順位とほぼ同一である。 一方、表3において下方にランク付けされている実質収支のマイナス幅が大きい財政悪化となる自治体には大都市の都道府県が多く含まれている。 都道府県の場合、ふるさと納税の受入は、市町村より少なく、一方で、ふるさと納税の寄附を行う住民に対する住民税減税は市町村と都道府県の双方から行われる。 市町村と都道府県に区分して収支を合計すると表4のようになった。

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地方交付税補填額は、都道府県において補填率が低いのであるが、特別区を含む東京都のみで1651億円がふるさと納税の実質負担となっている。 

<提言>

ふるさと納税という制度については、書いていても嫌気がさすし、全く楽しくない。 税金の無駄使いの最たるものと思う。 地方産業の育成なら、育成としてどの産業分野を育成するか、どのような方法で育成するか、まじめに研究をして実施すれば良いのである。

表4で記載のように、返礼品とその関連費用で5429億円が発生していた。 ふるさと納税を行った人に対して2000円の税負担で止めるために地方交付税が地方自治体に交付される。 補填額3958億円とは、その為に国から地方に支払われた金額である。 

一方、国と地方自治体を一体としての連結ベースで考えると、地方交付税は資金の内部移動である。 従い、ふるさと納税の収支計算は収入が受入額の11175億円で、支出は7682億円の住民税の減収であり、その差引は3493億円のプラスである。 そこに、返礼品関係の支出5429億円が加わると、1936億円のマイナスとなる。

返礼品をなくすれば、地方交付税で調整する額は減少し、本来の姿に近づくと考える。 3958億円の地方交付税をふるさと納税の関係で交付しているが、これも、返礼品制度を中止すれば3958億円は小さくなり、相当の財源が国に生まれるのである。 既に、稼働している制度をいきなり中止するのが難しければ、返礼品とそれに係わる経費率の割合を何年間かをかけてゼロにするようにすれば良いのである。 一方、自治体は、地域の特産品のネット販売を支援する等して、地域の活性化に取り組めば良い。 2千円の実質負担適用の所得上限についても、段階的に引き下げて、適正な所得制限の金額にすべきと考える。

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2024年4月 4日 (木)

小林製薬の「紅麹」問題

小林製薬の「紅麹」に関しては、現在のところ、死亡者数5人とのことである。 

しかし、この問題に関して最も驚いたのは、次の日経ビジネスで報じられている「海外向けについては厳しい品質管理が適用されており「ロットごとにシトリニンの分析を実施していた」(記事の最後の文末部分)との記述である。

日経ビジネス 4月4日 小林製薬「紅麹」問題、機能性表示食品制度の怪 海外向けでは厳しい品質管理

日本の消費者を馬鹿にしたような記述であるが、そうなるに至った原因が当然ある。

小林製薬が健康被害を発表したのは、3月22日のこのニュースリリースである。 「機能性表示食品」という事業者の責任で特定の保健の目的が期待できるとする食品である。 だから、この消費者庁の措置命令発表のような景品表示法違反の事態が発生する。 政府・政府機関・第三者による検査・審査がないわけで、ウソのつき放題と思える。 

2013年当時、安倍晋三首相時代に規制改革の一環として「世界で一番企業が活躍しやすい国の実現」と言うことで制度が創設された。 しかし、問題を安倍晋三の責任として片付けても解決にはならない。 現状、日本は安全に対する規格が緩いのである。 口に入れる物について規制を緩くしては本末転倒になると思えるが、日本では特定分野の産業を有利にし、それを規制改革・経済発展への貢献と称されることがある。 関係者のみが利益を得るのであるが、大々的に宣伝されると、そうなのかと思ってしまう。 関係者には政治家や当該事業に直接・間接に関係する人達も含まれるので単純ではないが。

なお、安全についての本質は日本も海外も同じである。 「海外向けの紅麹原料は、ロットごとにシトリニンの分析を実施」は、何故かと言えば、その国の法律がそのような検査を義務づけ、そうしないと流通販売ができなかったからのはずである。 日本も主権国家であり、日本でもロットごとの分析を求めることは可能である。 そんな法律をつくれば良いだけである。 主権者たる国民が求めれば簡単に制定できる。 そう考えると、結局は我々自身のことである。 自分が自分の健康に責任をもつ。 勿論、自然界にも毒キノコはあるのであるが、サプリメントに依存せず、食事で生活するのが本来の姿であり、健康に過ごす方法だと思う。

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2024年2月 6日 (火)

自民党の税制改正大綱の分析になるほどと思った

国会での税制改正審議が、間もなく始まるが、2023年12月14日に自民党が発表した令和6年度税制改正大綱 (pdfはpdfはこちら )には、なるほどと思う分析の記載がある。

それは、10ページ目の中段辺りから始まる法人税に関する次の文章である。

 しかしながら、わが国においては、長引くデフレの中での「コストカット型「経済」の下で、 賃金や国内投資は低迷してきた。 賃金水準は実質的に見て30年間横ばいと他の先進国と比して低迷し、 国内設備投資も海外設備投資と比して大きく伸び悩んできた。 その結果、 労働の価値、 モノの価値、 企業の価値で見ても、いわゆる 「安いニッポン」 が指摘されるような事態に陥っている。 その一方で、 大企業を中心に企業収益が高水準にあったことや、 中小企業においても守りの経営が定着していたことなどを背景に、 足下、 企業の内部留保は555兆円と名目GDPに匹敵する水準まで増加しており、 企業が抱える現預金等も300兆円を超える水準に達している。こうした状況に鑑みれば、 令和4年度税制改正大綱において指摘した通り、近年の累次の法人税改革は意図した成果を上げてこなかったと言わざるを得ない。

企業の内部留保は555 兆円や企業が抱える現預金300兆円は、ほとんどが大企業に属するのであろうが、法人税は赤字企業に負担はない。 法人税は企業の利益から算出する課税標準を元にするのであり、合理的と考える。 税制が全てではないが、重要なファンクションであり、良い税制を追及することを緩めてはならない。

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2024年2月 1日 (木)

これが本当なら、総務省って、やはりろくでもない役所だと思う

次のニュースを読んで、やはり、ろくでもないと思いました。

日経XTECH 2024.01.26 住民税決定通知書の電子化はまさかの暗号化ZIPファイル配布、「紙より不便」の声

 政府が採用したのは、通知書本体のPDFファイルをZIP形式で圧縮・暗号化したうえで、復号用パスワードの取得方法を記した別のPDFファイルとともに従業員に社内システムを使って配布するという方法だった

とあるのです。 これだと、PPAPです。 例えば、これをご覧頂いても良いし、このようなウイルス付きファイルの警告にもZIPファイルの恐ろしさが書かれています。 ZIPファイルは、クリックして何が出てくるか不明なのです。 名前と中身が異なることは、世の中、しばしばあるのでしょうが、ZIPファイルの嫌なことは、クリックしないと中身が分からないことです。

それでも、信頼できる相手から受領したファイルなら大丈夫ではないかと考えられるが、メールにおいて送信者の偽装もありえますから。

総務省とは、旧総務庁、旧自治省、旧郵政省が統合されて発足したのであるか、私なんか統合理由なんて全く理解できない。 役所とは、管理が重要な組織である。 管理がおぼつかなくなるような組織は、役所の場合、絶対に作ってはならない。 民間だったら、倒産して終わるが、役所は倒産できず、負の遺産を引きずってしまう。 ふるさと納税なんかも、早く中止すべきであるが、廃止できずにいる。

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2024年1月17日 (水)

SNSでデマを流す発信者には厳しい対応を求める

能登半島地震に関連して「ニセの救助要請」や「細工した偽画像や動画」あるいは「人工的に起こされた地震」と言ったような偽情報がSNSで等であったとのこと。 消防等による救助活動が攪乱させられるのみならず、災害被害に対応している人達や関係者に不必要な負担をかけ、余分な費用を発生させるのみならず、救助できたチャンスを逸すことにもなりかねない。

警察・消防等は発信者情報開示請求を行い、発信者を特定して、民事並びに偽計業務妨害としての刑事罰を求めるべきだと思う。 もし、不確かであるが、発信したい・伝えるべき情報があるなら、不確かという全体を書いた上でXXXという情報に接したとSNSに書き込むことである。

なお、X(旧ツイッター)が2023年から課金ユーザーを対象に、投稿が一定回数以上表示されると収益を得られる仕組みを導入したことの関係が述べられていることがある。 しかし、Xに直接の責任はないと考える。 収益稼ぎで記事を投稿することは構わないが、記事に対する責任は書き手にある。

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2023年10月27日 (金)

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律についての最高裁違憲判断

10月25日の最高裁判所大法廷決定は、この裁判所のWebページ にあり、全36ページの長い文書であるが、9ページの結論を書き出すと、この言葉となる。

「よって、本件規定は憲法13条に違反するものというべきである。」

本件規定とは、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律第3条1項4号のことであるが、第3条1項を書き出すと次の通りである。

第三条 家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。
一 十八歳以上であること。
二 現に婚姻をしていないこと。
三 現に未成年の子がいないこと。
四 生殖せんがないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。
五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。

4項の「生殖せんがないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にある」とは、生殖腺除去手術を受けることを要求することとなり、この要求は憲法13条の「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」で保障されている人格的生存に関わる重要な権利(自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由)を制約することとなる。

4項の規定は、現時点において、その必要性が低減しており、その程度が重大なものとなっていることなどを総合的に較量すれば、必要かつ合理的なものということはできないと最高裁は判断した。

第5項について

第5項についても、三浦守、草野耕一、宇賀克也裁判官が憲法違反・違憲無効であると反対意見を出しておられる。 第5項の「他の性別」とは、男の場合は女、女の場合は男である。 従い、男が女になるなら、外性器除去手術が、女が男になるなら、尿道延長手術及び陰茎形成手術が通常は必要となってしまう。 従い、第5項についても憲法第13条により保障されている権利を侵害するものであり、違憲であるとされている。 私も、同じように考える。外性器なんて、他人に見せたりしないじゃないか。

他人に迷惑をかけなければ、自分の選んだ生き方を、誰もがすることができる。 そのような世に暮らしてこそ、幸せがあると考える。

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2023年6月17日 (土)

LGBT法成立で考えさせられた

LGBT法成立で考えさせられたことがある。

日経 6月16日 LGBT法が成立「不当な差別」否定 自民の一部退席

法律の名称は「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」というわけで、ジェンダーアイデンティティとは何のことやと思ってしまう。憲法第14条の「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」が私には、極めてすっきりする。性(ジェンダー)の区分(アイデンティティ)を複雑化(多様化)して訳の分からないことにするのかなとおもってしまう。

1) 訳の分からない修正がなされる国会

この日経ビジネスの記事にある松中権氏の指摘を読んで、酷い修正案が採択されたと同感した。「性同一性」を「ジェンダーアイデンティティ」と読み替え、訳の分からない日本語にしている以上に、松中権氏が懸念する第12条の追加である。気にしなければ、当然のことと思ってしまう。しかし、マイノリティー保護についての法律で、この条文があると、多数による少数のいじめ・圧迫・差別を助長する懸念を彷彿させる。憲法第14条のような差別禁止ではなく、これじゃ差別やむなしとなってしまう。その問題の12条とは、次である。

 この法律に定める措置の実施等に当たっては、性的指向又はジェンダーアイデンティティにかかわらず、全ての国民が安心して生活することができることとなるよう、留意するものとする。この場合において、政府は、その運用に必要な指針を策定するものとする。

この12条の追加修正案は、自民党・公明党で了承されたのであるが、この公明党のニュースを読むと、公明党ってそんな党なのねと思ってしまった。

2) オリンピック憲章における差別禁止

松中権氏は、オリンピック憲章の根本原則第6について触れておられる。オリンピック憲章も日本国憲法も差別禁止を謳っているのである。差別主義者には投票なんかしないぞと誓いたい。

このオリンピック憲章の定める権利および自由は人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国あるいは社会的な出身、財産、出自やその他の身分などの理由による、いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない。
 The enjoyment of the rights and freedoms set forth in this Olympic Charter shall be secured without discrimination of any kind, such as race, colour, sex, sexual orientation, language, religion, political or other opinion, national or social origin, property, birth or other status.

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2022年7月 9日 (土)

安倍晋三元首相銃撃事件から思う銃規制

安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件は、まさかと思う衝撃の事件であった。次のニュースにもあるが使用した銃は手製の銃とのこと。

日経 7月9日 安倍元首相の死因は失血死 司法解剖終え、遺体は東京へ

銃の規制が厳しい日本では起こるとは思っていなかった事件である。殺傷能力を持つ銃が手製で簡単に作ることができるということを示している事件と思う。戦前のテロ社会のようになるとは思わないが、理由のいかんを問わず、他人を殺すことは正当化されない。

どのようにして今回のような事件を防止するかは、やはり銃規制しかないように思う。犯人は、どのような銃を使用したのか、爆薬はどうしたのか、銃弾はどうしたのか等を含め様々なことが分かれば規制に対する方策も見えてくるのではと思うのだが。

次の図は警察庁の銃器発砲事件の発生状況(これ )からであるが、令和3年において発砲事件10件のうち8件が暴力団等の関係であった。これまでとは違った分野の銃規制・取り締まりについても取り組んでいく必要があると考えた。

Gun20220709

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