2025年11月27日 (木)

企業の国内設備投資に8%減税と言うが、人気集めで、中身なしではないのか

高市首相の政策は、人気を集めて、支持拡大を目論んでいるだけで、本質の解決や将来展望が薄いと私は感じているが、次の企業の国内設備投資に8%減税と言うのも、思いつきだけの政策と思う。

読売 11/25 企業の国内設備投資に8%減税、トランプ関税影響企業には優遇15%…政府が税制改正で検討

設備投資額の8%を法人税額の税額控除にするとの案。 100億円の投資をすれば、法人税が8億円減額になるという訳だが、このケースでは、法人税を8億円納付するに相当する税引き前利益を計上していることが前提となる。 税率が23.2%なら年間35億円以上の税引き前利益を計上している法人でないと恩恵にあずかれない。

読売の記事には「税額控除の対象となるのは、投資に対する利益率が15%超の設備投資計画」とあるが、100億円の投資で15億円が利益になるなんて、そんな投資があるならば、税優遇がなくても皆投資するはず。 17の戦略分野とは、この「成長戦略の検討課題」の2ページ目に「1.「危機管理投資」、「成長投資」の戦略分野」に記載ある17項目と理解する。 しかし、中身は何だろうと思う。 造船なんて、成長があるとは思えないし、フュージョンエネルギーなんて、水爆でもつくろうとするのかと思います。 水爆開発をするなら広範囲の国民的合意は欠かせないし、軽々しく首相が言うことではない。 水爆問題は、IAEAが最適かどうかは別にして、多国が集まった国際的な協力で実施すべきである。

読売の記事は「企業の国内投資を後押しするため」とあり、そのような政策なのだと思う。 しかし、国内だけで完結する投資はないと思う。 例えば、米国や中国の半導体や技術を取り入れない投資は失敗に終わる気がする。 産業はグローバル化している。 世界をどう結ぶかが、成功・不成功を分ける時代になっていると考える。 そのような中で、国粋主義で産業・経済をすすめてはならない。

いずれにせよ、国家社会主義には、私は反対します。 日本以外も含めた競争原理に基づいた自由な社会こそが人類発展への寄与であり、国家はそのような自由な活動・競争による発展に寄与する基盤を提供することを使命とすべきです。

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2025年9月23日 (火)

日本もパレスチナ国家を承認し、虐殺を終わらせるべき

フランスがパレスチナを国家として承認すると仏マクロン大統領が表明したとのニュースがありました。

日経 9月23日 パレスチナ承認150カ国超に 仏大統領「虐殺止めよ」、日本は見送り

New York Timesの報道は、次の所にあり増す。

NY Times Sep22 World Leaders Recognize Palestinian State, in a Challenge to U.S. and Israel

”国連総会に先立ち、米国と同盟関係にあったフランス他の国々で米政権と異なる動きをした。”と言う記事タイトルが私の訳ですが。

日本も、この動きに同調して、国連総会でパレスチナ国家承認決議に賛成すべきと考えます。 昨年9月の国連におけるイスラエル不法占拠終了要求決議(私の当時のブログはここにあります )の時は、日本はイスラエル不法選挙終了要求決議に賛成したのです。 もっとも、石破政権ではなく岸田政権でしたが。

英国は、昨年9月の国家承認決議では反対を投じたのですが、今回はベルギー、ルクセンブルグ、マルタ、アンドラ、サンマリノ、カナダ、オーストラリア、ポルトガルが同様に国家承認に賛成する模様と報じられている。(ここBBCニュース

パレスチナ人の人口とパレスチナ人が居住している地域、国を表にしてみました。

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パレスチナ人の人口は、8百万人以上ですから、相当多いと思います。 国外脱出をした後に、帰化した人たちも存在するが、帰化した人々の人口は除外しています。 但し、帰化したが、パレスチナへの帰国意思を持ち続けており、二重国籍状態になっている人は、上の表ではパレスチナ人としています。 なお、イスラエル人の人口も10百万人近くであり、パレスチナ・イスラエル両国共存しかありえないと思います。 日本も、両国共存を目指して力を尽くすべきと考えます。

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2025年7月18日 (金)

バラマキ地獄、減税地獄、増税地獄

直前のブログでバラマキ合戦の国政選挙は国を衰退させるだけと思うと書いたのであるが、どうどうと「参院選の後は増税地獄が待っている」と書かれた人がおられる(このPresident Onlineの記事 by 藤巻健史 )。

藤巻健史氏の書いておられることは正しい。 こんなに国債を発行している国が破綻しないわけはない。 既に亡くなった人たちは幸せである。 この世では地獄を味わなかったのだから。 インフレが起こる。 しかし、止めようがない。 補助金は政府に財源がないから、出しようがない。 年金はインフレにより実質の支給・受給額は目減りして貧困生活を強いられる。 公的医療保険も破綻し、米国のように民間医療保険でないと高度な医療をうけられない。

このような生活はあり得ないと思われるかも知れない。 しかし、旧ソ連解体後の生活は、実はこのような生活だった。 プーチンが立て直してくれたから何とかなっている。 プーチン様々であり、人気は高い。

日本はどうなるのかな? 団塊ジュニアとか就職氷河期世代とか呼ばれる世代の多くの人たちは、チョー見捨てられた世代になるのだろうか? 更に若い年代層は、どうなるか?

それなりの収入を得て、それなりの生活ができる方法は、あるか? その一つの方法は、日本国外で働くことである。 但し、それなりの能力や力は必要である。 世界に通用する能力を持てば良いというか、それなりに周りの人々を幸せにすることができる能力である。 本当に能力があれば、日本で働いても良いわけだが、能力とは生まれたときに持っているのではなく、知識・経験であり、鍛錬でもある。

日本をどのような国にするのかという最も根本的な議論をしないで、目先の利益だけで、少しだけ先という部分さえも議論をしなくなっている日本であると私は感じるのである。

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2025年6月21日 (土)

何が改正されたのか、2025年年金改正法

年金改革の関連法は6月13日に参議院で可決され、6月20日公布された。 長い法律名「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律」である。 しかし、その内容は疑問が多いのである。

1) 社会保険の加入対象の拡大

厚生労働省の説明はこのページにあるが、まず(1)として「社会保険の加入対象の拡大」が記載されている。 3号被保険者は、3号として加入しており、考慮不要とするなら、大いなる間違いである。

日本年金機構は、3号被保険者の保険料についてこのページ で「ご自身で保険料を納付する必要がありません。」と説明している。 正しいのであるが、現行の制度下でのことであり、合理的であるかは別である。 すなわち、その続く文章では「第2号被保険者が全体で負担しているためです」となっている。

短時間労働者の加入要件の見直しにより130万円の壁はなくなり100万円の人も厚生年金に加入し、保険料を支払うこととなる。 しかし、同時に「第2号被保険者が全体で負担」することから、言わば、パート労働者も働かない3号被保険者の年金保険料を負担するのである。

本来的な筋論で言えば、3号被保険者に1号被保険者(国民年金の対象者)と同じ保険料の納付を求めるべきである。 子育て支援制度が不十分であった時代には3号被保険者の意義はあったかもしれない。 今や、外国人労働者への依存を高めている人手不足時代であり、働くことを奨励して当然と考える。 働く者を優遇するのが当然であり、働くことが困難な人は、それなりの必要な支援を差し伸べるべきである。

現代において、働かなくて、基礎年金を満額受給できる3号被保険者制度を残すことは、不正義と思う。3号被保険者でない人たちに負担が行っているのであり、それは働く人たちであり、税が半額負担となっているので、全員が3号被保険者の半分を負担していると言える。 ちなみに、1号被保険者(国民年金加入者)の保険料は令和7年度月額17,510円である。 外国人も日本で給与支払いを受ければ、厚生年金2号被保険者となり、給与所得がなければ1号被保険者として国民年金への加入義務が発生し、毎月17,510円支払わねばならない。

2) 標準報酬月額の上限引き上げ

厚生労働省の説明(4)には「賃金上昇の継続を見据え、世代内の公平のためにも、上限に該当されていた方に、本来の賃金に応じたご負担をいただき将来の給付を手厚くします。」と説明している。

現行制度では、厚生年金の保険料について報酬額が月65万円以上は全員65万円として扱うことになっている。 これを、68万円。71万円、75万円の3段階を追加するのである。但し、それぞれ2027年9月、2028年9月、2029年9月からの実施である。 なお、75万円とはボーナス込みで年間1,200万円程度である。

75万円となった場合に65万円の時と比較すると、厚労省は月9,100円の負担増で、10年払い続けて年金で月5,100円の受け取り年金増加と言っている。 毎月9,100円とボーナス払いを含めて年15月分とすると年間136.5千円。 10年なら137万円である。 受領する年金は5,100円の12ヶ月であるから61,200円/年。 これを納付した137万円と対比すると22.38年となるわけで、年金受給開始を65歳とすれば87.38歳以上生きれば、元が取れる計算である。

87.38歳をターゲットにするなら、やむを得ないと感じる人もいるかも知れない。 しかし、実際には払い込んでいる年金保険料は雇用主負担が同額ある。 雇用主負担を考えれば、44.76年となり、109.76歳まで生きないと元が取れない。 ほぼ全員マイナスのリターンになると思う。

年金の恐ろしさである。 複雑すぎて誰も簡単には計算できない。 悪い政治家と悪い官僚がタッグを組んで攻めてこられると防衛がしんどいのである。 最近は、それに更に選挙の嘘つき票集めのポピュリズムが絡んで複雑怪奇になっている。

3) 将来の年金水準について

説明が厚労省の年金改正の全体像(ここ )の14ページ(最後のページ)にあるが、最高に訳がわからない部分である。
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極めてわかりつらいのであるが、日本の公的年金制度は恩給制度、共済組合制度、労働者年金保険制度・厚生年金保険制度、国民年金制度等の過去の制度を統合し、統合による被保険者・受給者の不利益解消にも配慮してきた経緯があり、矛盾も抱えている。 その矛盾は、経済情勢の変化によっては、今後拡大する可能性も含んでいる。 それが、上図の右側で、好調な場合は25.0%+34.4%であり、好調ではない場合は24.6%+27.2%と将来について予想している。 好調な場合は、59.4%であり、そうでない場合は51.8%と、差は7.6%と言っている。

実は、59.4%や51.8%は、厚生年金の場合であり、基礎年金のみの受給となる国民年金の場合は、34.4%と27.2%なので、その差は7.2%である。 年金受給額で考えると、好調ではない場合、好調時の79%からはその幅20%以上の年金受給額が目減りする予想となっている。 国民年金のみなら21%の目減りである。 なお、左側の25.0%+36.2%(合計61.2%)は2024年度のことであり、経済好調時でも59.4%へと1.8%ダウンで目減り率は2.9%である。

人口の高齢化、すなわち受給者の増加と年金保険料納付者の減少は、その要因として大きいのであるが、他にも要因は少なくない。

A) 国民年金と厚生年金での保険料の差

国民年金は令和7年度で1月あたり17,510円である。 一方、厚生年金は給与額の9.15%を被保険者と雇用主が負担するので合計18.3%を厚労省に支払う。 従い、月収96,000円以上の場合は、国民年金より厚生年金被保険者の方が常に多くの保険料を納付していることとなる。 報酬月額75万円の人は、雇用主負担を含めると年間200万円以上の保険料を納付することとなり、国民年金の人の9.5倍もの保険料を納付する。 しかし、一方で、受け取る年金額は年間354万円と予想され、国民年金受給額83万円の4.2倍にとどまる。 年金受給期間何年で払込保険料に一致するか、言わば元が取れるかを計算すると、22.5年を要し、国民年金の10.1年に対し2倍以上になる。

保険料を支払っていない3号被保険者が年金を受領することを可能とする原資を厚生年金加入者が負担していることも、国民年金と厚生年金の保険料と受給額のアンバランス要因である。 全員が妻帯し妻は全て専業主婦であれば、全員が同一条件となるが、婚姻や労働は個人の自由であり、公的年金制度が個人の生き方により利益・不利益を生じさせる制度は改正すべきである。 この点を今回の2025年改正は全く考慮していない。

B) 厚生年金の積立金を国民年金の給付に充当する案が出てくる不思議さ

次の図2は、2019年度から2023年度の各年度末における年金積立金がその年度における年金給付金額の何倍になっているかを示したチャートである。 基礎年金勘定は、積立金を持たない制度なので無視すればよい。 厚生年金・共済組合は年間給付額の6倍近くの積立金を保有しているが、国民年金は3.7倍の積立金しか保有していない。

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次図は、国民年金保険料、厚生年金保険料と基礎年金額の金額(名目)を2017年を1.0として2024年までの推移をチャート化したものである。

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国民年金保険料は、物価変動と賃金変動によって決まり、基礎年金額は、それらにマクロスライドが加わる。 厚生年金保険料は賃金の18.3%と料率で決まっていることから、2017年を1とした賃金指数の変動が名目ベースの保険料金額となる。 上図は、そのようにして作成したのであるが、制度の矛盾が現れていると思う。

C) 自民・公明・立民3党で年金法案修正に合意し基礎年金を底上げと言うが?これなに?

この5月27日の日経新聞の記事 等多数のメディアで報道されていました。 しかし、本当は何なのでしょうか。 実は、3党合意でなされたのは附則3条の2を追加することです。

その追加された附則3条の2は、何が書いてあるかというと、6月20日官報号外137号の34ページ(ここ )にあるのですが、何を言っているのか、どのような論理構成になっているのか、頑張って読もうとしても、理解不可能であるし、報道されているような解釈が私には出てこない。

D) 今の年金の制度を根本から改めるべきと思う

保険料の支払いを前提としている基礎年金制度があり、それに加えての報酬に比例する厚生年金がある。 単純なようであるが、少子高齢化というか、社会全体の高年齢化があり、抜本的改革をしないと歪みが大きくなりすぎて制度が自己崩壊してしまうように思える。 政治家に任せれば、上のC)に書いたような意味不明の改革が出てくる。 こんなのに乗っかってては沈没してしまう。 抜本的改革を考えるべきである。

そこで私の提案であるが基礎年金は全額税負担とするのである。 実は、すでに50%は税負担となっているのである。 その税負担額は2023年度で12兆円強である。 なお、基礎年金としての給付額合計は25.1兆円である。 もし、基礎年金を全額税負担とするなら追加で13兆円をまかなえば良いのである。

13兆円の税収とは、消費税の税収予想が令和7年度25兆円であるので、その50%である。 消費税率を50%上げればよい。 現在の(地方税分を含まないで)7.8%から3.9%-4%を引き上げれば良い。 反対が多いと心配せねばならないだろうか? 国民年金保険料は納付する必要がなくなる。 厚生年金保険料の料率は下がる。 誰が得するわけでもないが、あえて言えば、国民年金保険料の徴収等の事務管理費用の削減は期待できると思う。 また、富裕層ほど、消費額が多いとすれば、今の国民年金保険料の様に一定額負担ではなく、消費支出に対しての比例負担となる。

かつて日本に国民年金制度を導入したときは、消費税の制度はなかった。 ちなみに年間500万円を消費するとして、その4%は20万円である。 一方、国民年金保険料は月17,510円なので、年間21万円である。 年収500万円-600万円の人は、消費税に切り替わった方が、有利となる。

年金制度は重要である。 事故、障害等により活動や労働が制限された場合、障害年金を受け取れる。 働きやすい、生きていて楽しい世界を実現していきたいと思うのである。

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2025年5月15日 (木)

スマホ決済の悪用・犯罪

次のニュースからです。

Yahoo!ニュース 5/15 他人のクレカ情報でたばこ購入容疑 オフライン決済悪用、5人逮捕 同様の被害99億円・警視庁

「不正利用されても被害を止めることができないオフライン決済を悪用」とは、例えば、「d払い」のQRコードとバーコード決済は、オフラインに対応しており、オフラインで利用できる電子決済のようです。 参考:この記事

スマホのオフライン決済とは、電源を切っているとスマホは働かないので、機内モードにしておけばスマホとしては機能する。 しかし、通信は飛行機の外であれば機能せず。 スマホに保存された決済データは、通信可能状態になったときに送信される。 電波状態が悪いときのために用意されているようです。

Suicaや楽天Edy、WAON、iD、nanacoなどのおサイフケータイ(FeliCa)サービスも、オフラインでも利用できるようです。 難しすぎて、よく解らない部分が多いが、世の中の進歩・発展に伴い発生する出来事なのかなとも思います。

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2024年11月19日 (火)

103万円の壁を考える

所得税の103万円の壁をなくすという変な議論がある。

1) 103万円の壁とは

1-1) 基礎控除48万円

所得税には、基礎控除という概念がある。 基礎控除の金額は、48万円であり、経費を差し引いた後の所得金額が年間48万円以下であるならば、申告納税する必要はない。 従い、所得金額が50万円の場合はとなると、(50万円-48万円=)2万円X5%=1千円が所得税の額となる。 復興税を無視しています。

1-2) 103万円とは

他者(他人であれ会社や法人、役所であれ)から給与の支払いを受けて、働いている場合には、給与所得の扱いとなり、給与所得控除が適用される。 給与所得控除は年間給与額が162.5万円以下なら、55万円である。 年間給与額55万円なら給与所得額ゼロとなる。 100万円なら45万円となるが、50万円の基礎控除があるので、所得金額としてはゼロである。 103万円なら給与所得控除55万円を差し引いて48万円となるが、これから基礎控除が差し引かれるとゼロになる。

1-3) 給与所得110万円の場合

55万円と48万円が差し引かれるので、所得金額7万円となる。 これに所得税率5%で計算して3500円が所得税となる。 すなわち、計算は180万円までは、(給与所得総額-103万円)X税率5%であり、壁のように立ちはだかるわけではない。 103万円を超えた分について5%の税率で所得税がかかるのである。

給与所得総額358万円までは税率5%であり、103万円の位置に大きな壁があるわけではなく、給与所得控除も給与が増加するにつれ大きくなり、358万円の場合は給与所得控除額は115.4万円である。 これに、基礎控除48万円が加わると控除額は合計163.4万円となり、給与総額358万円から163.4万円を差し引いた194.6万円に所得税率5%を掛けた94,500円が所得税額である。

2) 過去の基礎控除と給与所得控除

1975年以後の基礎控除と給与所得控除の額の推移を描いてみた。 図1がそれである。

202411

50年前と比べてどうか? 1975年の消費者物価指数は53.1であり2023年は105.6であり、1.99倍になっている。 しかし、10年前、20年前の2013年や2008年と比べると、消費者物価指数はそれぞれ8.3%と10.6%増加している。 しかし、図1を見て私が思うのは、デフレの日本経済という判断である。1995年からの10年間でマイナス0.4%、2005年からの10年間でマイナス0.6%、2013年からの10年間でプラス11.2%である。 しかし、この10年間で11.2%とは、年率にすると1%である。

年率1%の是正のために基礎控除や給与所得控除の見直しが必要とは思えないのである。 そんなことをするなら、通常の所得税を2.1%多く徴収する復興特別所得税を廃止すべきである。 2014年の改正で導入された税制であるが、法人については2年間で終了した。 個人については2037年までなので、まだ14年間継続する。 金額が細かく源泉徴収事務等をされている方の事務作業も大変である。 税制は合理的であるべき。

3) 103万円に壁がある人

給与収入が103万円を越えると負担が増加する人も存在する。 それは、19歳、20歳、21歳または22歳の子どもを持ち、その子どもを扶養している場合である。 特定扶養親族となり、所得控除としての扶養控除が一人につき63万円受けられ、税率10%なら6.3万円低くなる。 

なお、18才以下の子どもの扶養に関しては、2020年から扶養控除は見直し・廃止された。 理由は、子ども・児童手当毎月一人1万円・・や高校授業料無償化の拡大であり。 所得税や住民税の調整ではなく、必要な人に妥当・合理的な金額を政府・自治体が支給するという方法は間違っていないと考える。

特定扶養親族に対する扶養控除も廃止をし、大学・専門学校・職業学校・各種学校を含め高校卒業後に専門分野・技能・能力開発等を目差す若者を支援する制度をつくるべきと考える。

4) 130万円の壁は3号被保険者制度廃止での対応を求める

3号被保険者であり続けたいと思っておられる女性は、どれほどおられるのだろうか。 働けるなら、働きたいと思っておられる方が大部分であると思うのである。 女性の年金問題としてこのBlogを書いたので、今回は余り触れないが、3号被保険者制度廃止により女性は何も損をしないのである。

制度は複雑になれば、制度の網を破って抜け駆けをしようとする人が出てくる。 というか、複雑な制度になってしまうと、トリックのように抜け穴ができたり、作られたりする。 悪い奴らに騙されてはいけない。

5) バカな税である法人事業税の都道府県民税の外形標準課税は早急に廃止を求める

実にバカで不合理な税である法人事業税の外形標準課税である。 日本は、共産主義・全体主義でないはず。 法人には、利益に見合った税を課すべきである。 こんなバカげた税が日本をダメにしている。

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2024年11月 8日 (金)

IMF10月発表の世界経済見通しから見る日本の現状

IMF(International Monetary Fund)が2024年10月号としての世界経済見通し(World Economic Outlook)を発表した。 このページからDownloadすることができます。 私が図表を作成して分析を行った結果を以下に述べます。

1) 日本の2024年GDP世界第4位

日本のGDPは1970年頃に英国と同水準となり、世界第2位となった。 以後約40年間は、米国に次いで世界第2位のGDPであったが、2010年には中国が第2位となった。

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昨年の2024年では、第1位と第2位の米国と中国の順位は変わらないが、第3位がドイツとなり、さらに2026年にはインドが第4位となり、日本は第5位。2026年以後は、インドが第4位になり、日本は第5位となる見通しである。 更に、IMF経済見通しは2028年には米国、中国、インド、ドイツ、日本の順になると予想している。

2) 一人あたりGDPでの日本の順位

重要なのは、一人あたりのGDP、すなわち一人あたりの付加価値額です。 その国で生み出した付加価値の総和を人口で割り算した付加価値額です。 2000年において、日本は39,172ドルであり、第1位のルクセンブルグ48,984に次いで2位であったのです。 2000年の米国の一人あたりGDPは第5位で36,312ドルであったのです。

2023年と2029年の一人あたりGDPの予想額と順位は表1の通りです。

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農業、漁業を含めあらゆる産業で付加価値を増加する取り組みを怠った結果が出ているのではと思います。 働き手が高齢化した農業において、改革はしていない。 外国人労働者を技能実習生と称して受け入れるが、それ以上の改革はしない。 コストカットと言う下請けいじめで生き残りをかける企業が存在する。 貨物トラックドライバーの時間外労働規制の物流2024問題だって、10年以上前から取り組まれているべきであった。 色々な点について、関係者は解決の尽力をしていたと思うが、努力だけで実質的には実を結ばなかった。

上位14国に日本を追加した2000年以後の一人あたりGDPの図を掲げておきます。 日本のみ増加が認められないという様子です。

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比較対象注目国として、米国、ドイツ、英国、フランス、韓国、台湾、中国とインドとし、これらの国の一人あたりGDPの推移を図3として比べてみました。

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図3を眺めると、日本は2012年以後悲惨な状態に思えます。 詳しい分析が必要ですが、2012年以後は日本経済は暗いトンネルの中状態であったように思います。

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2024年11月 6日 (水)

ボーイングのスト終結

10月25日のブログ で書いたボーイングのストが遂に終結しました。 Bloombergの日本語でのニュースはここにあります。

CNNのニュース(”Boeing workers vote to accept deal, end strike”)はここにあります。 賛成率59%。 9月13日からの2月近く続いたストライキは了した。

1) 勝ち得た昇給額

当初1年目13%、2年目9%、3年目9%、4年目7%、5年目7%なので、私の複利計算では、4年目7%の昇給により今回の昇給前の給与の43.6%増となり、最終の5年目に入ると53.7%増になると考えます。

2) 年金合意

賃金アップに加えてボーイングは従業員に対し一人12,000ドル(180万円)の解決一時金を支払うことに合意した。 この12,000ドルは各従業員に支払われるが401(k)年金基金への拠出であり、 確定給付型年金の適用は消滅することが条件となっている。

以上が、私が把握したボーイング労働争議に関する概要ですが、ストライキにより労働者側が受給できない賃金は6億ドル(一人平均18千ドル:270万円)である。一方、ボーイング側の損失は65億ドル(1兆円)程になるのでしょうか?

このボーイング労働争議が、労働市場、航空産業、米国産業、世界情勢等今後の経済に与える影響はあるものと確信します。 日本の労働市場や企業経営については、どうでしょうか? もし何の影響もないとすれば、世界から取り残された日本であり、その責任は産業側、経営側、労働者側にあるものと考えます。 労働争議がないことは、良いことだなんて思わないことです。

かつて、ソビエト社会主義連邦共和国という国がありました。 その国のある人が述べたことです。 

「我が国には、労働争議と言うものは存在しない。 労働者が作り上げた労働者の国が我が国である。」

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2024年10月25日 (金)

ボーイングのストに思う

昨日24日の日経は「ボーイング労組、35%賃上げ案を否決 スト継続へ」と伝えています。

ボーイング労組、35%賃上げ案を否決 スト継続へ

米国の労働関係に関する知識については、それほど持っていないのですが、思うところを少し書いてみます。

1) 労働組合

報道では「ボーイング労組」との名前になっているが、正式には「International Association of Machinists and Aerospace Workers(IAM))」(ホームページはここ )です。 組合員数は退職者会員を含め60万人。 ボーイング以外にロッキード・マーチンやハーレー・ダビッドソンで働いている会員労働者も存在する。 なお、ボーイングで働く組合員は33,000人。

2) 賃上げ35%拒否の理由

まずは、35%賃上げとは、日経の記事本文にあるが、4年間で35%の賃上です。 組合の要求は40%であるので、差は5%。 年率に換算すると、それぞれ7.8%と8.8%です。

現在の米国消費者物価指数の1年前から上昇率は2.3%であり、3年前からの上昇率では年率4.4%、5年前からだと年率4.1%となります。

35%賃上げでも良いではないかと思えるのですが、話は簡単ではないはず。 ボーイングの業績は2019年以後5年間連続の赤字続きであり、2023年は22.2億ドルの純損失でした。 世界的な航空機メーカーであり国防・宇宙関係も手がけているボーイングであり、存続することに疑問の余地はない。 しかし、不採算部門の売却・切り離し、あるいは米国だったら実施可能である人員整理は十分に考えられると思う。 なお、ボーイング・ワシントン州工場での雇用人数は2020年以降減少していない。 しかし、労使双方の予想・見解・もくろみからすれば、大変なしのぎあいがあると思う。

3) 確定拠出年金401K

これは、ボーイングの401(k)に関するチラシであり、ボーイングは確定拠出年金に年間4160ドル(60万円強)を拠出するとしている。 組合の主張は、401(k)から約10年前まで存続していた年金制度も選択適用可能にすることも含まれているようです。 401(k)は万能ではなく、労働者に不利になる場合も、当然存在すると考えます。

4) 雑感

日本では、ストライキという言葉をTV、新聞、その他マスコミで最近はほとんどお目にかかっていない。 ボーイング・ワシントン州工場を一つの企業だとするなら労働者33,000人の企業ですから、大企業のストライキ。 赤字続きで様々な問題あり。 労働者が賃上げを求め、権利を守ろうとストを実行し、既に1月と10日余り経過している。 

日本でも、このようなストライキがあっても良いと思う。 ストライキ(同盟罷業)を遠慮してしまう日本の風土を感じてしまうのである。 力と力がぶつかって、しのぎあって、発展していく。 それが正常であり、発展の原動力であると、その重要性を感じる。

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2024年9月 3日 (火)

現役世代の保険料負担軽減をめざすとの興味ある発言

日経で次の記事があったのです。

日経 9月2日 河野太郎氏、現役世代の保険料負担軽減めざす Xで提唱

誰も言わない。 言えないことだなと思ったからです。 社会保険料とは、年金保険料と医療・健康保険料を意味する。 現状、年金保険料は厚生年金保険料が18.3%で、協会けんぽの場合の健康保険料は都道府県で差があるが約10%であり、雇用主と労働者が50:50の負担なので、個人だと約14%である。 企業からすると、実質賃金は名目賃金の1.14倍となる。

所得税や住民税の場合は、名目上の金額から給与所得控除や基礎控除等があり、更には所得税の場合は累進税率なので、所得がそれほど多くない場合の社会保険料の負担は大きい。 現役世代の社会保険料負担の軽減は、働く世代にとっては、大歓迎と思う。

但し、逆に負担が増加する人達が出現しないと辻褄が合わないはず。 さあ、どうするかと考える。 いや、トレンドを考えれば、第2次団塊世代までが高齢化し、年金は受給者増と納付者減が予想され、医療費も増加が見込まれる。 日本の将来は暗い。 せめて、現役世代の保険料負担軽減で明るい日本を目差さねばと思う。

一番先に頭に浮かぶのは、3号被保険者の廃止である。 3号被保険者とは、2号被保険者に扶養されている配偶者であり、フリーランスを含め自営業者の配偶者は2号被保険者に該当しないので、自ら国民年金保険料を納付する必要がある。 特権階級の特典を廃止してでも実現すべきことはあるはず。

次は、税金による補填であり、高額所得者に対する増税が考えられると思う。 他には、支出の削減であり、健康保険が適用となる医療費に関する制限である。 例えば、高額医療費制度も一定額を超過すると全額保険負担の現行制度を一定額超過の場合に3-1割負担から徐々に負担率を下げていくように変更する。 あるいは、入院時の差額ベッド料のように一定の高額医療については高額医療費制度の対象外とし、民間医療保険を拡大する。 高額医薬品は、やはり相当増加すると予想するし、現役世代の負担軽減という観点のみならず医療制度・医療体制の維持という観点からも高額になっていく医療への対応は必至であると考える。

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