2026年1月 7日 (水)

米国のベネズエラ襲撃

1月3日カラカス時間午前2時(日本時間3日午後3時)に、米国軍はベネズエラの首都カラカスを襲撃し、マドゥロ大統領を連れ去った。 問題がある国はいくつかあると思うが、他国が軍隊を侵攻させ、その国の元首を連れ去る事件には驚いた。

中南米諸国は、米国の裏庭である(であった)との感覚を受けることがある。 今回の襲撃は、米国は欧州諸国の対外政策に干渉しないが、一方で中南米に対する欧州からの干渉に反対するというモンロー米大統領(在職1817~25年)のモンロー主義や、セオドア・ルーズヴェルト大統領(在職1901~10年)の棍棒外交("Speak softly and carry a big stick")を思い起こさせる。

日本政府は、どうすべきであるか。 国連憲章等に基づく国際的ルールによる解決を訴えるべきと考える。 襲撃・拉致して裁判で裁くことを許すなら、何をしても正当になってしまう。 当然の従うべきルールは存在するのであり、ルールの遵守こそ平和のバックボーンと考える。 武力の保有・行使より、国際的ルールを遵守した発展が重要と考える。 次のような中日新聞の社説もありました。

日本政府は「黙認」するな ベネズエラ攻撃

ところで、米国はベネズエラ以外にも同様な武力襲撃を他国に実行するであろうか?

このBBCの記事は米国による武力襲撃の可能性がある国として次の国々をあげていました。

グリーンランド
コロンビア
イラン
メキシコ
キューバ

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2025年11月27日 (木)

企業の国内設備投資に8%減税と言うが、人気集めで、中身なしではないのか

高市首相の政策は、人気を集めて、支持拡大を目論んでいるだけで、本質の解決や将来展望が薄いと私は感じているが、次の企業の国内設備投資に8%減税と言うのも、思いつきだけの政策と思う。

読売 11/25 企業の国内設備投資に8%減税、トランプ関税影響企業には優遇15%…政府が税制改正で検討

設備投資額の8%を法人税額の税額控除にするとの案。 100億円の投資をすれば、法人税が8億円減額になるという訳だが、このケースでは、法人税を8億円納付するに相当する税引き前利益を計上していることが前提となる。 税率が23.2%なら年間35億円以上の税引き前利益を計上している法人でないと恩恵にあずかれない。

読売の記事には「税額控除の対象となるのは、投資に対する利益率が15%超の設備投資計画」とあるが、100億円の投資で15億円が利益になるなんて、そんな投資があるならば、税優遇がなくても皆投資するはず。 17の戦略分野とは、この「成長戦略の検討課題」の2ページ目に「1.「危機管理投資」、「成長投資」の戦略分野」に記載ある17項目と理解する。 しかし、中身は何だろうと思う。 造船なんて、成長があるとは思えないし、フュージョンエネルギーなんて、水爆でもつくろうとするのかと思います。 水爆開発をするなら広範囲の国民的合意は欠かせないし、軽々しく首相が言うことではない。 水爆問題は、IAEAが最適かどうかは別にして、多国が集まった国際的な協力で実施すべきである。

読売の記事は「企業の国内投資を後押しするため」とあり、そのような政策なのだと思う。 しかし、国内だけで完結する投資はないと思う。 例えば、米国や中国の半導体や技術を取り入れない投資は失敗に終わる気がする。 産業はグローバル化している。 世界をどう結ぶかが、成功・不成功を分ける時代になっていると考える。 そのような中で、国粋主義で産業・経済をすすめてはならない。

いずれにせよ、国家社会主義には、私は反対します。 日本以外も含めた競争原理に基づいた自由な社会こそが人類発展への寄与であり、国家はそのような自由な活動・競争による発展に寄与する基盤を提供することを使命とすべきです。

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2025年11月16日 (日)

高市発言と中国の反発

高市発言をめぐって中国の反発は大きいと思うが、日本の問題としての視点から考えてみる。

1) 高市発言とは

11月7日の衆議院予算委員会で立憲民主党岡田克也委員の質問に対する高市総理の答弁であり、衆議院ビデオライブラリーでは5:30から5:55頃までの質疑応答にある。 内容としては、「台湾有事の際、民間船舶を動員した海上封鎖であれば存立危機事態には当たらない。」しかし「戦艦を使って、武力の行使を伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースだ。」と言ったような高市首相の答弁である。

2) 存立危機事態とは

存立危機事態とは、「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」という法律の言葉であり、2条4項で「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいう。」と定義されている。

存立危機事態となった場合、自衛隊出動の可能性がある。

3) 日本における高市発言への反応は?

中国側の反応は報道されても国内の反応はあまり報道されていないと思えるのだが。 

そこで、どうどうと高市発言に対する批判を述べた記事(社説)を紹介する。

沖縄タイムス 社説 首相 台湾有事前のめり 参戦を軽々しく語るな

琉球新報 社説 「存立危機事態」発言 衝突回避の外交に徹せよ

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2025年9月23日 (火)

日本もパレスチナ国家を承認し、虐殺を終わらせるべき

フランスがパレスチナを国家として承認すると仏マクロン大統領が表明したとのニュースがありました。

日経 9月23日 パレスチナ承認150カ国超に 仏大統領「虐殺止めよ」、日本は見送り

New York Timesの報道は、次の所にあり増す。

NY Times Sep22 World Leaders Recognize Palestinian State, in a Challenge to U.S. and Israel

”国連総会に先立ち、米国と同盟関係にあったフランス他の国々で米政権と異なる動きをした。”と言う記事タイトルが私の訳ですが。

日本も、この動きに同調して、国連総会でパレスチナ国家承認決議に賛成すべきと考えます。 昨年9月の国連におけるイスラエル不法占拠終了要求決議(私の当時のブログはここにあります )の時は、日本はイスラエル不法選挙終了要求決議に賛成したのです。 もっとも、石破政権ではなく岸田政権でしたが。

英国は、昨年9月の国家承認決議では反対を投じたのですが、今回はベルギー、ルクセンブルグ、マルタ、アンドラ、サンマリノ、カナダ、オーストラリア、ポルトガルが同様に国家承認に賛成する模様と報じられている。(ここBBCニュース

パレスチナ人の人口とパレスチナ人が居住している地域、国を表にしてみました。

Photo_20250923184801

パレスチナ人の人口は、8百万人以上ですから、相当多いと思います。 国外脱出をした後に、帰化した人たちも存在するが、帰化した人々の人口は除外しています。 但し、帰化したが、パレスチナへの帰国意思を持ち続けており、二重国籍状態になっている人は、上の表ではパレスチナ人としています。 なお、イスラエル人の人口も10百万人近くであり、パレスチナ・イスラエル両国共存しかありえないと思います。 日本も、両国共存を目指して力を尽くすべきと考えます。

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2025年8月 7日 (木)

広島の原爆投下から80年

広島原爆投下から80年経過。

しかし、80年も経過すると、予期しない恐ろしいことが起こる。 参議院選で「核武装が最も安上がりだ」なんて発言し(参考:この朝日新聞の記事 )、しかも当選する。

ほとんどの日本の人の考えは、この日経記事にある石破茂首相の広島平和記念式典あいさつのように、「核戦争のない世界」、そして「核兵器のない世界」の実現に向け、取り組むことであり、核兵器のない世界を目指すことが、被爆国の義務と考えているはず。

「核武装が最も安上がり」なんて、人の命や生命を価値のないこととすることに通じるし、相手と軍拡競争をすることとなる。 その結果は軍隊・軍備に支配される貧乏民衆国家となる。 なんか、それは北朝鮮を思い起こさせるように思えてしまう。

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2025年6月23日 (月)

戦争大好き人間って存在するのだ

誰かと言えば、米国のトランプとイスラエルのネタニヤフ。 人殺しを何のためらいもなく実行できるのだ。

それだけではない。 戦争の危険性がある。 たぶんイラン人にとって、この2国からの攻撃は、相当長い間忘れられないと思う。 米国とイスラエルは、イランの核兵器開発阻止のために攻撃をしたのであり、平和目的と主張するはず。 しかし、そうであるならIAEAを中心とした核査察の実施徹底がまずはあるべきはず。 イランにとっては、ハイそうですかとは言えず、見通しがなくても反撃を続けざるを得ない。

昔はWar Declaration(戦争布告)と言うのがあった。 そんな手順はめんどくさい。 懲らしめるための武力行使はして良いのだという論理。 ベトナム戦争、カンボジア侵攻、イラク侵攻で米国は七面倒くさいWar Declarationなんてしていない。 そんな、米国憲法第8条に基づいて議会の承認を得るなんてことは、今やはやらなくなった。

どのような出口があるのかわからない戦争が始まった。 イランを爆撃した航空機は、どこを発進したのだろうか? 空母とどこかの国の基地だろうか? 基地のある国は、大変だろうな。 攻撃される可能性がある。 日本に米軍基地があることが良いのか、悪いのかよく考え直さないといけない気がする。

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2025年4月 4日 (金)

相互関税って、一体何なの

アメリカのトランプ大統領は2日、相互関税を発表したとのニュースです。

例えば、NHKニュース トランプ大統領 相互関税発表 世界各国の反応は? です。

相互関税って、一体何なのと思いました。 トランプ氏はReciprocal Tariffとの言葉を使っています。 Reciprocalの意味は、Reciprocating Engineが往復動エンジンです。 相互に行き来する、対等なというような感じでしょうかと思います。

この日経記事に4つのリストがあり、同じリストがホワイトハウスのXにもあり、直リンクはこれこれこれこれです。 

トランプ氏から見ると、日本は米国品に46%の関税を課しており、対等にするには米国への輸入の際は24%の関税を課す。 これで、おあいこだとの見解である。 中国は米国品に67%も課しているから、34%で丁度良いのだとの見解。

これからの世界、何が起こるのかと思う。 一つは、米国が信頼されなくなるのかなと思う。 米国の地位の下落。 米国ではGAFAMの様な巨人は成長を続け得るだろうが、貧民は益々貧しくなるのではと思ってしまう。 共同・協力より人を押しのけても物欲に走る世界が米国で流行するようになるのかなと思う。

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2024年12月 9日 (月)

韓国非常戒厳の宣言、解除、大統領弾劾・訴追案の不成立、廃案

韓国では、12月3日夜に尹大統領が非常戒厳を宣言し、翌日午前4時半に会見して非常戒厳の解除を発表した。 この非常戒厳宣言が憲法違反だとして、野党6党が共同提出したのが大統領の弾劾訴追案であり、訴追案は195票の賛成で、必要な3分の2以上の200票に至らなかった。 終わったわけではないが、めまぐるしい動きであった。

1) 大統領と国会

韓国は大統領制の国であり、大統領は国家元首であり行政府の長である。 大統領は、憲法第77条により戒厳を宣言することができるとされている。 立法権は国会に属する。 本年4月10日に国会議員選挙があり、尹大統領の「国民の力・国民の未来」が獲得した議席は全300議席のうち108議席にとどまり、「共に民主党・共に民主連合」が全300議席の過半数を超える175議席を獲得した。

2) 今後の韓国政治

行政府と立法府で与野党逆転現象が4月から続いているわけだが、今後どう推移していくか、見ていきたいと思う。 日本に最も地理的に近い距離にある国であり、共に発展していくのが、望ましいことと考えるのである。

外国からの投資額がどれくらいあるかを示す指標として対内直接投資残高がある。 次の図は、アジア主要国の対内直接投資残高である。

Fdiasia202412a

アジアでは、中国への外国からの投資残高が3,569十億ドルで最も大きいのであるが、上図では中国は省略した。 上図で金額が大きいインドとシンガポールを除いた5カ国における外国からの投資残高を図にしたのが次である。
Fdiasia202412b

外国から日本への投資残高は、それほど変化していないが、韓国は順調に増加しており、2021年には日本より大きくなった。 2023年の数値はIMF統計になかったが、UNCTAD(国連貿易開発会議)の報告書によれば、2023年の日本への投資残高は2,468億米ドルであり上図の2022年とほとんど変化はない。 一方、韓国への投資残高は2,841億米ドルであり、日本の1.15倍である。

外国から投資がなされると言うことは、国が投資価値を持っており、政治的・経済的に信頼度もあると言うことにつながっている。 韓国が今回の一時的非常戒厳の事態が外国投資家からの信頼を失うことになるのか、克服して更に高い信頼を得るのか、今後を注目していきたいと思う。

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2024年11月 8日 (金)

IMF10月発表の世界経済見通しから見る日本の現状

IMF(International Monetary Fund)が2024年10月号としての世界経済見通し(World Economic Outlook)を発表した。 このページからDownloadすることができます。 私が図表を作成して分析を行った結果を以下に述べます。

1) 日本の2024年GDP世界第4位

日本のGDPは1970年頃に英国と同水準となり、世界第2位となった。 以後約40年間は、米国に次いで世界第2位のGDPであったが、2010年には中国が第2位となった。

Weo202410a

昨年の2024年では、第1位と第2位の米国と中国の順位は変わらないが、第3位がドイツとなり、さらに2026年にはインドが第4位となり、日本は第5位。2026年以後は、インドが第4位になり、日本は第5位となる見通しである。 更に、IMF経済見通しは2028年には米国、中国、インド、ドイツ、日本の順になると予想している。

2) 一人あたりGDPでの日本の順位

重要なのは、一人あたりのGDP、すなわち一人あたりの付加価値額です。 その国で生み出した付加価値の総和を人口で割り算した付加価値額です。 2000年において、日本は39,172ドルであり、第1位のルクセンブルグ48,984に次いで2位であったのです。 2000年の米国の一人あたりGDPは第5位で36,312ドルであったのです。

2023年と2029年の一人あたりGDPの予想額と順位は表1の通りです。

Weo202410b

農業、漁業を含めあらゆる産業で付加価値を増加する取り組みを怠った結果が出ているのではと思います。 働き手が高齢化した農業において、改革はしていない。 外国人労働者を技能実習生と称して受け入れるが、それ以上の改革はしない。 コストカットと言う下請けいじめで生き残りをかける企業が存在する。 貨物トラックドライバーの時間外労働規制の物流2024問題だって、10年以上前から取り組まれているべきであった。 色々な点について、関係者は解決の尽力をしていたと思うが、努力だけで実質的には実を結ばなかった。

上位14国に日本を追加した2000年以後の一人あたりGDPの図を掲げておきます。 日本のみ増加が認められないという様子です。

Weo202410c_20241107235601

比較対象注目国として、米国、ドイツ、英国、フランス、韓国、台湾、中国とインドとし、これらの国の一人あたりGDPの推移を図3として比べてみました。

Weo202410d

図3を眺めると、日本は2012年以後悲惨な状態に思えます。 詳しい分析が必要ですが、2012年以後は日本経済は暗いトンネルの中状態であったように思います。

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2024年11月 6日 (水)

ボーイングのスト終結

10月25日のブログ で書いたボーイングのストが遂に終結しました。 Bloombergの日本語でのニュースはここにあります。

CNNのニュース(”Boeing workers vote to accept deal, end strike”)はここにあります。 賛成率59%。 9月13日からの2月近く続いたストライキは了した。

1) 勝ち得た昇給額

当初1年目13%、2年目9%、3年目9%、4年目7%、5年目7%なので、私の複利計算では、4年目7%の昇給により今回の昇給前の給与の43.6%増となり、最終の5年目に入ると53.7%増になると考えます。

2) 年金合意

賃金アップに加えてボーイングは従業員に対し一人12,000ドル(180万円)の解決一時金を支払うことに合意した。 この12,000ドルは各従業員に支払われるが401(k)年金基金への拠出であり、 確定給付型年金の適用は消滅することが条件となっている。

以上が、私が把握したボーイング労働争議に関する概要ですが、ストライキにより労働者側が受給できない賃金は6億ドル(一人平均18千ドル:270万円)である。一方、ボーイング側の損失は65億ドル(1兆円)程になるのでしょうか?

このボーイング労働争議が、労働市場、航空産業、米国産業、世界情勢等今後の経済に与える影響はあるものと確信します。 日本の労働市場や企業経営については、どうでしょうか? もし何の影響もないとすれば、世界から取り残された日本であり、その責任は産業側、経営側、労働者側にあるものと考えます。 労働争議がないことは、良いことだなんて思わないことです。

かつて、ソビエト社会主義連邦共和国という国がありました。 その国のある人が述べたことです。 

「我が国には、労働争議と言うものは存在しない。 労働者が作り上げた労働者の国が我が国である。」

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