SpaceXって、すごいなあ
米企業SpaceXが開発・制作したロケットFalcom9が宇宙船Dragonを宇宙に打ち上げ、Dragonは日本時間17日午後1時すぎ、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングした。Dragonには、日本人宇宙飛行士の野口聡一さんを含め宇宙飛行士4人が搭乗しており、ISSに入った。
日経 11月17日 野口さん搭乗「クルードラゴン」 宇宙ステーション到着
1)Falcom9とH-IIBの比較
SpaceXのFalcom9と三菱重工のH-IIBの比較表が次である。
Falcom9 | H-IIB | |
全高 | 70m | 56m |
総重量 | 549トン | 531トン |
推力 | 7,400KN | 11,416KN |
宇宙低衛星軌道(LEO) | 打上能力 22.8トン | 打上能力 16.5トン(注) |
静止遷移軌道(GTO) | 打上能力 8.3トン | 打上能力 8.0トン |
(注)H-IIBの宇宙低衛星軌道(LEO)は、ISSの軌道への打ち上げ能力である。
SpaceXのFalcom9と三菱重工のH-IIBに大きな能力差はないと言えるかも知れないが、Falcom9が打ち上げたのは有人宇宙船Dragonであり、本年5月21日にH-IIBが打ち上げた「こうのとり」は実験装置等を対象した無人の宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle:HTV)である。有人宇宙飛行船を打ち上げることができるロケットってすごいなと思う。
2)再利用(リサイクル)
Falcom9の1段目ロケットは、何度も使えるのである。 ここ にFalcom9のYouTubeがある。この動画の最後が、Falcom9の1段目ロケットが地表におりる所を映している。 いやはや、すごいものだと感心する。
3)Falcom9の燃料は灯油
Falcom9の説明には”Merlin engines use a rocket grade kerosene (RP-1) and liquid oxygen as rocket propellants in a gas-generator power cycle.”とあり、液体酸素は使うが、燃料は「ロケット品質の灯油」ということで灯油である。H-IIBのように水素なんて前近代的燃料は使わない。
4)5兆円のユニコーン企業
ユニコーンとは角(つの)が1本の一角獣のことであるが、超巨大未上場企業をユニコーン(企業)とも言う。この8月19日のCNNニュース は、 SpaceXを460億ドルのユニコーン企業と題している。非上場で5兆円の資金を獲得しているのである。人工衛星の市場は大きい。安く打ち上げられるなら、世界中から顧客をいくらでも呼び込める。巨額の収入が期待できる。
米国の起業って、すごいなと思う。
(注)SpaceXのFalcom9と三菱重工のH-IIBの比較表で。Falcom9の推力が間違っていたので、7,400KNに訂正しました。
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